マンションの建築基準法って何?土地活用のための基礎知識を解説

マンションの建築基準法って何?土地活用のための基礎知識を解説

土地活用の方法としてマンションの建設を検討している人もいるでしょう。マンションは自分が希望した条件どおりに建築できるかというとすべての希望がとおるわけではないことも理解しておく必要があります。マンションを建築するためには建築基準法を守らなくてはなりません。

この記事ではマンションを建築するために守らなくてはならない建築基準法について解説します。加えて土地活用のための基礎知識についても解説しますので参考にしてください。

最適な土地活用のプランって?
STEP1
土地の有無
STEP2
都道府県
STEP3
市区町村

建築基準法に関する基礎知識

建築基準法に関する基礎知識

まずは建築基準法の基本的な内容について解説します。建築基準法の基本を知ることでマンションを建築する際の参考にすることができるでしょう。マンションの建築計画もスムーズに立てることができるためきちんと理解しておくことをおすすめします。

建築基準法とは

建築基準法は日本国内で建築される建築物に対して適用される法律です。建築物に関する基準などが定められている一般法が建築基準法といえます。「国民の生命や健康・財産の保護・公共福祉の増進」を目的として制定された法律です。

マンションを建築する場合には建築基準法に則って建築を行うことが求められるため概要だけでも理解しておくことが大切になります。

建築基準法の制定日

建築基準法が制定されたのは50年以上前の1950年のことです。制定されてから何度も改正が行われているのが特徴になります。とくに耐震基準については何度も改正が繰り返されていることからもわかるように建築において重要な項目です。

具体的に耐震基準は1971年、1981年、2000年に大幅に改正されています。1981年に制定された新耐震基準では基準がかなり厳しいものに改正されている点が特徴です。そのため1981年以前に建築された建物に関しては耐震基準を満たしているかを確認して、満たしていない場合には耐震工事を行うことが求められています。

建築基準法の仕組み

建築基準法を理解するには建築基準法の仕組みを知ることが必要です。建築基準法では個別の建築物の敷地や設備、構造、用途、耐力などに関して定められた単体規定が存在します。これに加えて都市計画区域内に建築する建物に関しては建ぺい率や容積率、建物の高さなどに関して定められた集団規定も存在します。

こうした基準を適切に遵守していくために建築の確認を行う権限を持つ地方公務員が建築計画が法律に適合しているかを確認する仕組みとなっているのです。確認だけでなく建築基準法に反した計画を立てている建築物があった場合には取締りを行うことも可能となっています。これを建築警察と呼ぶこともあります。

建築基準法におけるマンションの扱い

マンションは建築基準法上では「特殊建造物」という扱いになることも理解しておきましょう。特殊建造物は不特定多数の人が利用する建物でもあります。そのため衛生面や防火面でとくに規制が必要となる建物という扱いにあるというわけです。

耐火性よりも安全性への配慮が求められるのが特殊建造物の特徴になります。これも国民の生命を守るという観点から定められた法律である点も理解しておきましょう。

最適な土地活用のプランって?
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土地の有無
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都道府県
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市区町村

建築基準法におけるマンションのルール

マンションの建築を行う際には建築基準法に従って計画を立てる必要があります。建築基準法におけるマンションのルールについて具体的に解説しますので、よく把握して法律違反にならないようにすることが重要です。

1年に1回の点検

建築基準法第12条では点検についての基準が定められています。具体的には特殊建造物の「法定建築設備点検」の義務付けです。たとえば東京都では5階建て以上で床面積が1,000平方メートルを超える建築物の場合は1年に1回の点検が義務付けられています。

点検だけでなく、点検内容や修繕が必要な箇所の報告なども義務となっているためよく理解しておきましょう。点検結果に問題がなかった場合には「報告済証マーク」が与えられるためマンションに提示しておくとよいでしょう。

3年に1回の調査

「法定建築設備点検」以外にも点検が定められているのが「特殊建築物定期調査報告」です。「法定建築設備点検」と同様に5階建て以上で床面積の合計が1,000平方メートルを超える場合に必要となる調査になります。期間としては3年に1回のペースで調査が入ります。

調査される箇所については次のとおりです。

  • 防火区画の適切な設定
  • 避難階段
  • 避難器具
  • 建築物の駆体劣化の状況
  • 外部設備機器の劣化の状況
  • 塀などの劣化状況

おおよそこれらの箇所が点検されます。調査の結果が良好であった場合には「報告済証マーク」が配布される点は「法定建築設備点検」と同様です。マークの提示は義務であるため必ず提示するようにしましょう。

もしもこれらの点検や報告を怠るとどうなるのでしょうか。建築基準法では違反についての基準も定めています。建築基準法第101条では点検や報告を怠った場合には100万円以下の罰金が科せられることが明記されています。

これは義務であるため知らなかったといっても通用しません。罰金を免れるためというのもひとつですが、入居者に安心して暮らしてもらえるマンションにするためにも必要な点検となることをしっかり理解して怠ることがないようにしましょう。

建築確認申請書の提出

新しくマンションを建築する場合には自治体や指定確認検査機関に建築確認申請書や建築計画概要書を提出する必要があります。自分の土地だからといって自己判断で勝手にマンションを建築してはならない決まりがあるため定められた手順をしっかりと守りましょう。

建築確認申請書を提出すると建築内容に問題がないかなどが審査されます。計画段階で問題がみつかれば訂正しなければなりません。問題がない内容になった時点で建築確認通知書が発行されます。これをもってようやくマンション建築の着工が可能となることを覚えておきましょう。

許可が下りたからといって安心はできません。工事の途中段階で中間検査が行われ、本当に計画どおりに建築が行われているかの確認も入ります。さらにはマンションが竣工してから1カ月ほどかけて完了検査が行われ、これらの審査に通過してはじめてマンションが完成したということになるのです。

建ぺい率や容積率

建築基準法と大きな関係があるのが建ぺい率と容積率です。はじめてマンションを建築する人にとっては聞き慣れない言葉かもしれません。建ぺい率は敷地面積に対する建築面積の割合を指します。建ぺい率や容積率は建築基準法では集団規制に含まれます。

集団規制は都市計画法とリンクしてエリアごとに制限がかけられているもので、この規制に則って建築を行うことが求められるものです。たとえば建ぺい率60と表記されている場合には敷地面積のうち60%を超えて建築することはできません。

建ぺい率はエリアごとに異なるのが特徴です。なぜ異なるのかというと地域の防災や生活環境を守るために定められる基準になるからです。たとえば風通しや隣家との近さなどを考慮して設定されるのが建ぺい率になります。地域性が強く、住宅エリアか商業エリアかなどでも変動するのが建ぺい率です。

これに対して容積率は建築物を立体的に捉えるものになります。建ぺい率は平面での面積を基準としますが、容積率は建築物全体の面積を制限するものです。算出方法としては建築物の床面積と土地の面積の割合で求められます。

容積率が高いと建築物の階数制限が緩和され比較的自由度が高く柔軟な計画を立てることができるでしょう。また同じ建物でも容積率の算出に含まれない部分もあります。具体的には次のとおりです。

  • バルコニー
  • ベランダ
  • 玄関
  • テラス
  • ロフト

これらの部分は容積率には含まれません。さらには緩和措置が認められる箇所が次の場所になります。

  • ガレージ
  • 地下室

これらの場所については建物の面積に対して一定の広さがある場合に緩和措置が適用されることになっています。たとえばガレージであれば建物面積の5分の1以下であれば容積率に含まないと規定されています。

マンションを建設する場合はこのように建ぺい率や容積率についてもしっかり考えて計画を立てる必要があるということです。

高さの制限

マンションは高さのある建物です。ただ、所有している土地の状態によっては建てることができる建物の高さに制限がかかることがあります。これが高さの制限です。土地があるエリアの用途によって高さ制限の基準が異なるためまずは自分が所有している土地の用途を調べることが必要になります。

もしも第一種・第二種低層住居専用地域に指定されている場合には、都市計画で10メートルまたは12メートルを超える高さの建物を建ててはならないと定められています。こうなるとマンションの計画にも大きな影響が得てくるでしょう。

目安として3階程度までなら基準をクリアできますが、それ以上階を増やすと違反となるため注意が必要です。この基準は法律で定められているため自分が希望していても守らなければならないルールであるため建築計画の段階でしっかりと理解・納得して建築を進めていくことが求められます。

ちなみに用途地域は13種類に区分されており、エリアによって高さ制限だけでなく建ぺい率や容積率も異なるためしっかりと確認しておきましょう。

マンション建築に関係のある法律

マンション建築に関係のある法律

マンションの建築では建築基準法以外にもいくつか気をつけておく必要がある法律があります。建物を建てるということはその地域の生活環境に大きな影響を与える可能性が高いことでもあります。そのため定められた法律をしっかりと守ることで地域環境を守りながら建築を進めていくことが重要です。

ここではマンション建築に関係のある法律について詳しく解説していきます。

都市計画法

国が定めた法律以外に地方自治体が定める法律も存在します。それが都市計画法です。都市計画法は1969年に都市環境の悪化や公共施設整備に関連した非効率的投資や後追い投資の弊害を阻止するために制定された法律です。

具体的には各市町村が土地の利用や建築物に関するルールを定めています。国土交通省では都市計画法をわかりやすく解説したサイトなども公開していますので参考にしてください。

アパートを建てられない土地

都市計画法では土地の利用方法に制限をかけることが可能です。そのため用途規制によってマンションを建築できない土地もあります。土地の利用に制限をかけることを用途地域と呼びます。用途地域は住戸エリア・商業エリア・工業エリアなどに区分されています。

用途地域はエリアによって建ぺい率や容積率、高さ制限が指定されているためしっかり確認しておく必要があるでしょう。アパートやマンションを建てることができない土地も存在します。具体的には次のような土地になりますので覚えておきましょう。

  • 都市計画区域外
  • 市街化調整区域
  • 工業専用地域

これらの用途地域ではアパートやマンションを建築することはできません。たとえ土地改良などをしたとしてもエリアで規制されているため建築できないことに変わりはありません。こうした土地を所有している場合にはマンション経営以外の土地活用の方法を検討する必要があります。

消防法

消防法は国が制定している法律です。消防機関が活動するうえでの権限や、消防設備などの設置義務・規制などについてを定めています。マンションに関わる消防法の規制に関しては、いざというときのために消火用の設備をきちんと設置することの義務付けなどがあげられるでしょう。

設置したらそのままではなく定期的に消火用設備の点検を行い、万が一に備えておく必要もあります。設備については最低でも半年に1回の機器点検と年に1回の実作動点検を行う必要があります。さらに実作動点検についてはその結果を消防署に届け出ることも義務付けられていることを覚えておきましょう。

点検については自分で行うのではなく消防設備士や消防点検資格者が行う必要があります。自分が資格を保有している場合は問題ありませんが、資格がない場合には委託する必要があるため事前に準備をしておくことが求められるでしょう。

こうした法律はマンションに入居する人たちの生活の安全を守るためにも必要なものです。マンション経営を行ううえでも入居者だけでなく近隣住民の生活の安全を守ることは重要な役割となります。しっかりと法律を守って正しい経営を行うようにしましょう。

耐火建築物・準耐火建築物について

消防法に関連してより具体的な内容をみていきましょう。マンションの建築に際して消防法で注意しておかなければならないのが耐火建築物・準耐火建築物に関する内容です。

もしも自分が建築する予定のマンションが3階建て以上の場合は耐火建築物にあたります。耐火建築物は、建築物の主要となる部分に耐火性能を持つ素材が用いられている建物のことです。たとえば床や屋根、柱や梁、壁や階段などに耐火性能がある素材を用いることで耐火建築物として認定されることになります。

耐火性能とは生活している人が万が一のときに避難する際、避難が完了するまでの間、倒壊せずに機能できるだけの性能があることを示すものです。さらには入居者だけでなく近隣への被害を与える可能性を最大限軽減することができているかも重要なポイントとなります。

具体的にはRC造・レンガ造・モルタル造などがこれにあたります。木造に関しては一般的に考えて燃えやすい、倒壊しやすいというイメージがありますが建築方法によっては耐火建築物とすることも可能です。

ただしマンションとなると高層になるため基本的には木造よりもモルタル造などの頑丈な造りを選択することが多いでしょう。しっかりとした防火対策を行い耐火建築物として建築することがマンションには求められるということです。

では準耐火建築物とはなにを指すのでしょうか。準耐火建築物は耐火建築物の基準をすべては満たしていないけれどもそれに準じた耐火性能がある建築物を指します。たとえば耐火建築物が万が一の場合に最大3時間耐久するのに対して、準耐火建築物は最大1時間の耐久性が基準となるとされています。

マンション建築でもうひとつ、注意しておかなければならないのが特定避難時間倒壊等防止建築物に関する内容です。これは2階の床面積が300平方メートル以上の場合に行わなければならない措置であるため建築計画の段階でしっかりと面積の確認をしておく必要があるでしょう。

マンションの建築基準法に関するQ&A

マンションを建築する際に注意したい建築基準法の内容について解説してきました。ここからはさらに疑問に感じる人が多い内容について具体的に解説していきます。マンションの建築で失敗しないためにもより具体的な知識を身につけておくことも大切です。

点検や報告をしないとどうなる?

建築基準法ではマンションは特殊建築物扱いになるため法定点検を行う義務があります。建築基準法第12条で定められた「法定建築設備点検」は1年に1回、「特殊建築物定期調査報告」は3年に1回行うことがマンションオーナーの義務です。

点検については有資格者が行ってその結果を特定行政庁に報告します。もしもこの点検を怠るとどうなるのでしょうか。点検を怠ると100万円以下の罰金を支払わなくてはなりません。これは建築基準法第101条で規定されている内容です。

点検をして安心して報告を忘れていたり怠ったりした場合も同様に科料されることも理解しておきましょう。

旧耐震基準のマンションのままでも問題はない?

耐震基準は建築基準法で定められています。耐震基準は何度も改正が行われているため築年数によっては現行の耐震基準を満たしていない物件も存在しているのが現状です。

昔の耐震基準では「震度5程度の地震で大きな損傷がないこと」を基準としていました。新しい耐震基準では「震度5程度の中程度の地震では軽微なひび割れ程度の損傷にとどめ、震度6程度の大規模な地震で建物の倒壊や損傷がないこと」と基準が大きく変更されています。

マンションを昔の耐震基準のままにしておいても法的に罰せられることはありません。ただ、入居者の安全を守るという点では耐震補強工事を行うことが望ましいとされています。マンションの場合、入居者に一時的に移転してもらうことが難しいため居ながら工事を行うことが一般的です。

居ながら工事は住んだ状態のままで補強工事を行う方法になります。補強工事と同時に外観の修繕を行うケースもあります。

違法建築物を建ててしまうとどうなる?

建築物には違法建築物と既存不適格の2種類があります。どう違うのかというと、既存不適格の場合は建築した当時は法的に適合していたけれども法改正などによって現在は法的に適合していない点が特徴です。この場合は増改築や建て替えを行うことで現在の規定に適合させる必要があります。

これに対して違法建築物は建築した段階ですでに法律に反している建築物のことです。この場合には行政から取り壊し命令が下ることもあります。

建築基準法を勉強してからマンション建築を計画しよう

建築基準法を勉強してからマンション建築を計画しよう

マンションの建築は自分の思い通りにいくことばかりではありません。不特定多数の人が生活を行う建築物である以上は安全面に考慮した建築を行うことが義務付けられます。防火・防災・耐震などについて建築基準法に基づいて計画を立てる必要があるということです。

建築基準法について勉強しておくことでマンション建築の計画をスムーズに進めることができるでしょう。自分だけで知識を身につけることが難しい場合には信頼できる不動産会社などに相談しながら計画を進めるとよいでしょう。

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