マンションの工法にはどんな種類がある?工法の特徴や注意点を解説

マンションの工法にはどんな種類がある?工法の特徴や注意点を解説

マンション建築で重要なのは外観や内装などの見た目の問題だけでなく目にみえない部分をいかに丁寧に建築していくかという部分です。マンションの建築方法を工法や構造と呼びます。マンションの工法や構造にはいくつかの種類があることをまずは理解していきましょう。

この記事ではマンションの工法・構造の種類、さらにそれぞれの工法や構造ごとに特徴や注意点について紹介しますので参考にしてください。

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マンションの工法・構造の種類

マンションの工法・構造の種類

まずはマンションの工法と構造の種類について解説します。自分がこれから建築したいマンションにはどのような工法が向いているのかを考えながらみていきましょう。業者任せにするのではなくオーナーとしてある程度の知識を持って計画に臨むこともマンション建築を成功させる第一歩です。

基本的には柱や梁の材料や位置の違いで工法が異なります。工法によってマンションの外観や住み心地などが大きく変わることがあるためしっかりと把握しておくことも大切になります。

従来工法

一般的なマンションの建築方法が従来工法です。見た目で解説すると住居を支えるための柱が住居内に張り出している状態になります。柱は基本的に4梁ありますが、比較的新しいマンションであれば室内に張り出しているのは2梁程度におさまっていることが大半です。

柱は住居を支える重要なものになるためしっかりとした構造で建築する必要があります。ただ生活するうえで柱が邪魔だと感じる入居者もいる可能性はゼロではありません。

耐震や強度の問題からいえば従来工法はなんら問題のないよい工法ですがデザイン性を重視する人からは少し懸念される材料になり得ることは理解しておきましょう。

ラーメン構造

ラーメン構造と聞くとなにかクネクネと絡まったイメージを持つ人もいるかもしれません。ここでいうラーメンとはドイツ語の「Rahmen」が語源の言葉です。ドイツ語でラーメンは枠や額縁を示します。

ラーメン構造は長方形を梁や柱で作り上げながら建築する構造のことを指します。メリットとしては可動が難しい耐力壁を使う必要がないため室内に自由な空間を作り出すことが可能になる点です。

もしも将来的にリフォームを行う可能性がある場合にはラーメン構造にしておくと間取りの変更が比較的自由になる点もメリットといえるでしょう。

低層のマンションから高層マンションまで対応可能でメリットが多い点が特徴です。梁や柱が部屋の内部に張り出す造りが一般的ですが、梁や柱を出さないようにすることも可能になっています。 

アウトフレーム工法

ラーメン構造では、梁や柱をバルコニー側に出すことで室内空間を広くみせるアウトフレーム工法という方法もあります。バルコニーに柱や梁を張り出していくことで、バルコニーをハイサッシにできる点はメリットです。

ただ、バルコニーが狭くなるデメリットがあります。さらに梁が出ることで日当たりが悪くなる可能性もあるでしょう。安全面でいうと梁を足がかりにして子どもが身を乗り出してしまうという点も注意すべき項目となります。

逆梁アウトフレーム工法

もうひとつの工法が逆梁アウトフレーム工法です。これは梁を上階の床上に出した状態からバルコニーのさらに外側に追い出した状態です。通常の工法では天井から梁が下向きに向かいます。逆梁アウトフレーム工法はこれを逆さにした状態です。

逆梁アウトフレームでは室内空間が広く保てるというメリットがあります。ただし背の高い窓が設置できなくなるというデメリットは理解しておきましょう。アウトフレーム工法と比較するとバルコニー面積が狭くなる点は同様ですが、日当たりについては逆梁アウトフレーム工法のほうがよいといえるでしょう。 

壁式構造

壁式構造は耐震強度が強い工法として知られています。床・天井・壁の6枚の壁で空間を構成する構造が壁式構造です。通常であれば柱や梁で住居を支えますが、壁式構造は建物を面で支えることで室内をすっきりみせることが可能です。凹凸がなければ家具が配置しやすく空間を広く利用することもできます。

ただし壁でしっかりと建物を支えるため将来的にマンションのリフォームを行う場合に間取りの変更などに制限が出てくる可能性があります。さらにラーメン構造よりも重くなるため高層マンションには不向きである点も特徴です。壁式構造は5階建までの低層マンションに向いている工法といえるでしょう。

アパートの工法について知りたい方は以下の記事もおススメです。

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マンションの材質の種類

マンションの工法には材質も大きく関係してきます。マンション建築のための材質は多数ありますが基本的には鉄骨・鉄筋・コンクリートをどのように組み合わせるかで工法が変わってくるのです。それぞれに特徴があり、メリット・デメリットそれぞれについて詳しく解説しますので参考にしてください。

鉄筋コンクリート造(RC造)

よく耳にするのが鉄筋コンクリート造ではないでしょうか。別名をRC造とも呼びます。RCは「Reinforced Concrete」の略です。これは英語で「補強されたコンクリート」を指す言葉になります。

鉄筋コンクリート造では鉄筋を芯に用います。型枠にコンクリートを流し込むことで構成していくのがRC造です。鉄筋を多く用いることで頑丈で耐久性・耐火性・遮音性の高い構造にできる点がメリットになります。さらに型枠を用いるため比較的自由度が高く、曲線の壁などにも対応可能です。

RC構造はマンションの規模に関係なく多くの場合用いられている構造になります。ただし重量はかなり重くなるため高層マンションになればなるほど下階部分の柱や梁を太く頑丈にしなければならない点が特徴です。こうなると下階の部屋が狭くなってしまうというデメリットがあります。

こうした点からこれまではおおよそ7階程度のマンションに多く用いられてきましたが、最近ではコンクリートの軽量化促進にあわせて20階以上の高層マンションでも用いられるようになってきた構造になっています。

鉄骨造(S造)

骨組みに鉄骨を用いるのが鉄骨造、別名S造です。しなやかで強い鉄骨を柱や梁に用いることで大きな空間を作るのに適しているのが鉄骨造の特徴になります。鉄骨の厚みによって構造が分類される点も特徴です。6御影メートル以上の鉄骨を用いる場合を「重量鉄骨造」、6ミリメートル未満の場合を「軽量鉄骨造」と呼びます。

鉄骨造のメリットはコンクリートを土台部分にしか使用しないためほかの構造と比較して軽量であるという点です。コストの抑制や工期の短縮にも大きなメリットを発揮するのが鉄骨造となります。

ただししなやかな材質であるため地震や風で揺れやすいという点はデメリットです。マンションの建築で用いられることもありますが、商業ビルやオフィスビルの建築に用いられることが多い構造でもあります。

また、鉄筋コンクリート造と鉄筋鉄骨コンクリート造の一部に鉄骨造を採用するというケースもあることも覚えておくとよいでしょう。

鉄筋鉄骨コンクリート造(SRC造)

鉄筋鉄骨コンクリート造は別名SRC造とも呼ばれます。基本的には鉄筋コンクリート造と同様の構造ではありますが、支柱として鉄骨を入れて強度を増す点が特徴です。強度が増すだけでなく、鉄骨の持つしなやかさが加わることで耐久性としなやかさの両方を兼ね備えた造りにすることが可能となります。

両方が持つメリットがあるということは、もちろんデメリットも同様であるという点には注意が必要です。重量があり揺れやすいという点がデメリットになります。

高層マンションを建築する場合に鉄筋コンクリート造では柱や梁がどうしても大きくなりますが、鉄筋鉄骨コンクリート造を用いることで柱や梁の断面を小さくすることが可能です。ただし、コストが高くなり工期が長くなる点は理解しておきましょう。

マンションの工法を選ぶときのポイント

マンションの工法を選ぶときのポイント

マンションの工法と構造について解説してきました。マンションを建築する際にどの工法を選べばよいのかわからないという人もいるでしょう。ここからはマンションの工法を選ぶときのポイントについて解説します。

間取りの自由度を重視するならラーメン構造を選ぶ

マンションの間取りを重要視する場合にはラーメン構造を選択するケースが多くあります。たとえば1階は住居ではなく店舗やオフィスにする場合などイレギュラーな造りにする場合は、とくに下層が広い空間になるでしょう。

こうなると下層を太い梁や柱でしっかりと支える必要が出てきます。この場合には重量鉄骨を使う必要があるためラーメン構造を採用するケースが多いということです。マンションだけでなくアパート、商業施設などもラーメン構造を採用することが多くあります。

費用を抑えたいなら壁式構造を選ぶ

マンション建築で重要なのは間取りだけではありません。コストも大きな課題です。コストをできるだけ抑制したい場合には壁式構造がおすすめになります。空間を広く使える点でもメリットが大きい壁式構造は間取りの変更は難しいですがすっきりとした空間を作り出すのによいでしょう。

さらにコストダウンを求めるのであれば鉄骨系よりも木造系にすればさらに費用を抑えることができるため検討してみるとよいでしょう。

見た目重視ならRC造かSRC造を選ぶ

一般的なマンションで多くみられるのがRC造またはSRC造です。高級感や重厚感のある外観のマンションにしたい場合にもこの2種類の工法を選択することがおすすめになります。RC造とSRC造では型枠にコンクリートを流すことで作り込んでいくため比較的自由度が高く曲線などのやわらかな外観にすることも可能です。

いずれに工法も遮音効果に期待できるためファミリー層をターゲットにするマンションであれば魅力的なポイントとなるでしょう。

マンションの工法を選ぶときの注意点

それぞれの工法の特徴や選び方がわかってくると自分が希望しているマンションではどの工法を選択しようかある程度の目安ができてくるでしょう。では最終的にマンションの工法を選択する際に注意したほうがよい点はどこにあるのでしょうか。

ここからはマンションの工法を選ぶときの注意点について解説します。

建築プランは必ず比較する

建築計画を立てる際、まずは自分の希望を書き出すなどして理想や希望を視覚化しておくことも大切です。ただし建築基準法などの法律で定められた基準もあるためすべてが自分の思い通りになるとは限りません。そのため自分なりのプランを立ててから必ず行うのが建築プランの比較です。

マンション建築に関する見積もりを業者に依頼してさまざまな構造や工法のプランを提案してもらいましょう。自分の希望や理想がどの程度まで実現可能なのかを確認するためにも重要な工程です。

さらにここで大切なのは見積もりを依頼するのは1社だけでなく複数社に依頼するということになります。複数の業者に見積もりを依頼して費用や設計を比較することで質のよいマンションを建築することができるでしょう。

マンションの質は経営するうえで収益性の高さにも影響を与えます。入居者のニーズや周辺環境を考慮した最適なプランを提案してくれる業者と契約することが大切です。

壁式構造だと間取り変更は不可

将来的にマンションをリノベーションしたい、最初から間取り変更の希望にも対応できるようにしておきたい、こうした希望がある場合には工法の選択に注意が必要です。壁式構造を選択すると後から間取りを自由に変更することができないからです。

壁式構造は骨組みというよりも壁という面で空間を作り出しています。そこから考えるとリノベーションを希望した場合、壁で建物を支えているため簡単に取り除くことができる壁は一部分に限られます。そのため入居者の希望通りの間取り変更がかなわない可能性が高くなるということです。

もしもあとから自由に間取りを変更したいという考えがあるならばラーメン構造での建築がおすすめになります。ラーメン構造は梁や柱などの点で建物を支えているため間取り変更も比較的自由に行うことが可能で
す。

マンションの工法・構造に関するQ&A

マンションの工法や構造について基本的な知識について解説してきました。基本的な知識を理解したうえでさらに疑問に感じる点がある人もいるでしょう。ここからはマンションの工法や構造に関する疑問点について具体的に解説していきます。

工法と構造の関係性は?

そもそもマンションの工法と構造はどのような関係があるのでしょうか。建築物では工法と構造だけでなくさらにもうひとつ材料も大きく関係している点を理解することが必要です。それぞれがどのようなものを指すのかについては次のとおりです。

  • 工法=加工・工事の方法
  • 構造=複数の部分で全体を成立させる組み立て
  • 材料=マンションなどの建築物を組み立てるために加工する原料や資材

このように工法・構造・材料にはそれぞれ別の意味があります。工法については現場で施工する在来工法と、工場である程度組み立ててから施工するプレハブ工法の2パターンがあります。鉄骨構造の場合は現地で組み立てる在来工法が主に用いられます。壁式構造の場合はある程度工場で構築するプレハブ工法が用いられることが多いとされているのが特徴です。

在来工法は伝統的な建築工法になります。マンション以外では注文住宅などでも多く用いられている工法です。在来工法のメリットは設計の自由度の高さにあります。周辺環境や風土、気候にあわせた設計が行いやすいのもこの工法の特徴です。

ただし、工期が長くなりがちで天候に左右される工事現場での作業が多いことから雨が多い地域や時期に作業が増えると品質に影響が出る可能性もあります。工期が長くなるためコストも高めに見積もっておく必要があるでしょう。

プレハブ工法は、現場での作業が在来工法よりも少ない点が特徴です。パネル工法やユニット工法などと呼ぶ場合もあります。たとえばユニットバスなどはプレハブ工法にあたります。ある程度の工程までを工場で組み立てておいて現地ではめこみ作業などを行うのが特徴です。

メリットとしては工場で組み立てるため品質が一定に保たれるという点があげられます。工期を短縮することができ、コスト面でも在来工法よりも抑えることができる点も特徴といえるでしょう。

ただし、プレハブ工法は大きな工場を持つハウスメーカーなどでなければ対応できないという点を理解しておく必要があります。

構造ごとの建築価額は?

マンションの建築は構造によってかかる費用が異なります。マンション経営をするうえで建築費用は重要な確認ポイントです。構造ごとの1坪あたりの建築価額について次にまとめておきますので参考にしてください。

構造 木造・木骨モルタル S造(鉄骨造) RC造 SRC造
建築費(平成27年)/1坪 16万5千円 19万7千円 24万2千円 26万2千円

参考:国税庁

マンションの建築費について詳しくは以下の記事をご覧ください。

マンションの工法ごとの特徴を把握しておこう

マンションを建築する場合には、どのような外観にして何戸くらいでどのような間取りにするかなど決定する必要があることが多くあります。そのためひとつひとつをしっかり丁寧に計画していくことが重要です。

空室リスクを避けたいがために外観や間取りにばかり目がいく人も多いでしょう。ただ、マンションで重要なのは構造です。入居者が安心して生活できるしっかりとした造りにすることも重要なポイントです。

これを満たすためにはマンションの工法について理解しておくことが大切になります。マンションの工法ごとの特徴を把握して自分はどの工法を選択するとよいのかを考えてみましょう。

自分だけで決定することは難しいケースが多いでしょう。その場合には安心して相談できる専門的知識を持った業者と一緒にプランを練ることができるとよいでしょう。

マンション建築のプランを見積もってくれる業者は全国に数多くあります。イエウールでは全国の業者のなかでも優良な業者を厳選して提携しています。そのため複数の業者に一括で依頼してもよいプランが提案される可能性が高いと考えられるでしょう。

マンション経営で悩んだらイエウールで不動産業者を検索してみることをおすすめします。

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