アパート建て替えの基礎知識!建て替えるメリットとタイミングを解説

アパート建て替えの基礎知識!建て替えるメリットとタイミングを解説

アパート経営をしていく中で、近い将来「アパート建て替え」を検討している人もいるのではないでしょうか。

アパートの建て替えは、金銭的にも精神的にも労力を費やします。なるべく建て替えは避けたいと考える人も多いでしょう。ですが、アパートを建て替えることで得られるメリットはたくさんあります。

本記事ではアパートを建て替えることで得られるメリットやデメリットに加え、アパートを建て替えるタイミングなどを解説します。

\建築費は?初期費用は?/

大手10社の収益プランを比較する
STEP1右矢印
土地の有無
STEP2右矢印
都道府県
STEP3右矢印
市区町村
STEP4右矢印
町名
STEP5右矢印
字・丁目

アパート経営の初期費用や維持費用については、以下の記事をご覧ください。

アパート経営にかかる費用とは?費用の種類や回収にかかる期間についても解説します

アパートを建て替えるメリット

アパートの建て替えは、費用はもちろん精神的にも労力を費やさなければならず、オーナーにとって負担が大きいです。しかし、建て替えることによるメリットも多数存在します。ここではアパートを建て替えることで得られるメリットを紹介します。

収益が上がる

築年数の古いアパートだと家賃の値下げは避けられません。一度下げた家賃は上げることができず、収益の低下に大きく影響します。

ですが、アパートを建て替えることで新築となれば、元の家賃より高い価格設定が可能です。新築の場合、しばらくは家賃を下げる必要はないでしょう。

また、新築は賃貸需要が高いため空室になるリスクは低いです。アパートを建て替えることで家賃の値上げ、空室リスクが回避でき、結果建て替える前よりも高い収益が見込めます

修繕費が減る

築年数の古いアパートは各部屋の細かい修繕の他、外壁塗装、給湯器の入替等で修繕が必要となり、修繕費がかさばります。

一般的なアパートでは10年が経過すると大規模な修繕が必要になるといわれています。何度も修繕を重ねるのであれば、いっそのことアパートを建て替え、新築にすることでしばらくは修繕費を抑えることができるでしょう。

節税効果が見込める

アパートを建て替えることで相続税の節税効果が期待できます。というのも、アパートを建て替えることで発生する新たなローン(借金)の残債は相続財産評価額をマイナスにします。

結果、ローンが残っていることで相続税の課税対象財産額が小さくなり、相続税が節税できます。

古いアパートの場合、既に借入金が完済している人が多く、アパートによる相続税対策効果は半減します。ですから相続税対策のためにアパート建て替えを検討するのもいいかもしれません。

売却時有利になる

将来売却を考えているのであれば、建て替えを検討すべきです。法定耐用年数を超えて経営しているアパートは建物の資産価値としては評価できなくなるので、土地の価格で取引することになります。

しかし、アパートを建て替えれば再び資産価値が高くなるので、将来的に売却する場合に、高値で売却できる可能性が高まります。

活用事例:地震への備えを考えた 木造3階建て賃貸住宅

エリア東京都
土地面積(㎡)256.2
延べ床面積(㎡)480.36
工法木造
“複雑な権利関係を整理。収益性の高い賃貸住宅へ
東京都練馬区。新宿まで電車で20分という都心エリアに木造3階建ての賃貸住宅が完成しました。以前この土地には築20年を超えるミサワホームで建てた賃貸併用住宅と二世帯住宅がありました。都市計画道路ができるということで賃貸住宅の建て替え計画がスタートしました。
「以前の賃貸住宅は権利者が5人もいて、さらに兄弟間の相続も絡み合い、どう整理すればよいか分かりませんでした」。
 そんな中、賃貸管理をしていた縁で、ミサワホームに相談がありました。
「ミサワホームの岡村さんには大変お世話になりました。賃貸住宅の建替えを考える上で、権利関係の整理から相続、融資に至るまで、岡村さんは親身になって対応してくれました」。
 計画道路ができることで、土地の面積が狭くなります。また、築年数も経っていたことから、オーナーさまは、「建て替えるなら、より収益性の高いものを建てたい」とお考えでした。(ミサワホーム株式会社の土地活用事例)

アパートを建て替えるデメリット

アパート建て替えにメリットがある一方、デメリットもあります。ここではアパート建て替えの際に生じるデメリットについて解説します。

多額の費用がかかる

アパートの建て替えには多額の費用が必要です。新しいアパートの建設費用の他、古いアパートを解体する解体費用がかかります。例えば、立地などの条件で変わってはきますが、木造アパートの解体費用は1坪あたり3~5万円が相場です。

また、アパートに入居者がいる場合は立ち退き料が発生する場合もあります。費用については後半の章で詳しく説明しています。

入居者とトラブルになる可能性がある

古いアパートに入居者がいる場合、入居者と立ち退きに関してトラブルになる可能性があります。

何十年も同じ場所に住んでいる人にとっては、ただの賃貸アパートではなく、ただならぬ愛着があります。高齢者の場合、次の物件を見つけることは難しくなるでしょう。立ち退き料を払えば済むものではありません。

アパート建て替えに関して、入居者がいる場合は話し合いをしなければならず、なかなか立ち退いてもらえない場合はオーナーの精神的な負担にもなりかねません。

建て替え中は家賃収入がゼロ

古いアパートの建て替え期間中は家賃収入がゼロになります。

建て替えを検討するのであれば建て替え期間中、家賃収入がゼロになっても生活していけるくらいの貯蓄をしておく必要があるでしょう。

アパート建て替えをするときのチェックポイント

アパートを建て替えるときのチェックポイントをここでは紹介していきます。建て替えの際には耐震基準や外壁の劣化具合、空室率に注意しましょう。また、古い建物などは建築基準法により同じ条件で立て直せないケースもあります。希望通りの建て替えができるかをチェックしておきましょう。

【ポイント1】大規模修繕が必要なほど築年数は経っているか

一般的には、建て替えを検討するおおよその年数は20年~30年と言われています。

アパートはマンションと比べて劣化しやすい傾向にあり、20年弱で大規模な修繕をする必要があります。また、アパートは木造で作られていることが多いため、大規模なリノベーション自体が難しい事も多々あります。

しかし、オーナー様が長い期間、丁寧に管理をしている場合、修繕する必要がない場合は無理に建て替える必要はありません。築年数はあくまで一つの指標であるという認識をもって、判断してみてください。

【ポイント2】耐震性に不安があるか

アパートを経営するにあたって1981年と2000年は建築基準法が改正された年として覚えておきましょう。1981年以前に建てられたアパートは旧耐震基準で建てられているため、大きな地震で倒壊する恐れがあります

1981年以降は震度6強~7にも耐える基準が設けられています。2000年の改正では木造アパートの耐震基準が見直され、強化が図られています。中古アパートを購入する場合には1981年以降かチェックしましょう。木造アパートの場合は2000年以降かもチェックしましょう。

相続する場合には相続税との関係もあるので、どのタイミングで建て替えが効果的かは税理士などと相談しながら進めましょう。耐震基準を満たしていないアパートを相続するなら建て替えによる借入金を相続税額の減額に充てる方法もあります。

【ポイント3】外壁や設備などの劣化具合

外壁がひび割れや設備の故障などアパートの劣化具合もチェックしましょう。設備などは使用状況によって左右される部分もありますが、複数の部屋で故障が相次ぐようだとアパート全体の設備が耐用年数を超えている可能性があります。

築年数と合わせて、設備の入れ替えをするのか、あるいは建て替え時期なのか判断しましょう。外壁は立地環境によって大きく劣化速度が左右されます。海の近くなどは潮風にさらされることで留め具などがサビやすく、劣化が早く進みます。

気象状況によっては計画よりも早く劣化が進む場合もあります。リフォームや修繕工事で対応できるのか、建て直しをした方が得なのかよく判断しましょう。

【ポイント4】建て替えたら空室率が改善されるか

空室率は経営に直結するので、悪化してきたら早めの対策が必要です。部屋が古くなってきたことで入居者が集まらないようならリフォーム工事できれいに見せることはできます。リフォームなら工期も短く、費用も大きくはかからないので賃貸住宅経営の継続がしやすいようです。

しかし、間取りを変えたり、トイレとバスを別にしたりするなど大規模リフォームを行う場合には、空室率の改善に効果があるのかよく考えて行いましょう。リフォーム工事でも繰り返せばまとまった金額になります。また一方で築年数を重ねると家賃はだんだん下がっていく傾向にあります。

建て替えにより時代に合わせた間取りやデザインに一新した方が空室率の改善が期待できる場合には建て替えがおすすめです。特に年数がある程度たっているアパートなら空室率の改善がどれくらい期待できるかを基に判断するのがよいでしょう。

\建築費は?初期費用は?/

大手10社の収益プランを比較する
STEP1右矢印
土地の有無
STEP2右矢印
都道府県
STEP3右矢印
市区町村
STEP4右矢印
町名
STEP5右矢印
字・丁目

アパートの建て替えを検討するべきタイミング

アパートの建て替えには費用も時間もかかるので、できるだけ収益を上げてからやりたいところです。とはいえ、建物が倒壊するまで使用しては責任問題になってしまいます。ここではアパートを建て替えるタイミングについて経営視点から主な目安を紹介していきます。

アパートの建て替えのタイミングをあらかじめ知っておくことで、資金繰りや入居者管理を計画的に行って、無理のない持続可能なアパート経営を目指しましょう。

空室率が5割を超えた

アパート経営において空室率は収益に大きく影響するため、低くなれば実質的に経営を続けられなくなります。空室率が下がる要因には、間取りや設備が時代のニーズに合わなくなっていることが考えられます。築年数が増えるほど入居希望者の目に留まりにくくなりますが、設備が古いとさらに検索などのフィルターから外れます。

外観がみすぼらしくなっていれば内覧での印象も悪くなります。空室率が5割を超えたら要注意です。入居者が少ないうちに建て替え計画を進めていけば立ち退き対策もしやすくなります。収入が少ない期間が長いほど経営を圧迫します。思い切って建て替えを行い、アパート経営の立て直しを検討してみましょう。

高額なリフォーム費用が発生した

アパート経営において入居者が入れ替われば原状回復を行います。壁紙の張り替えや多少の修繕で済むうちは収益で十分カバーできます。しかし、年数が経過して、設備が古くなってくると高額な修繕費がかかるようになってきます。

また、時代のニーズに合わせて間取りや設備を大規模リフォームで改善しても、見た目の古さまではカバーできません。リフォームをしたからといって賃料アップが期待できるわけでもありません。10~15年に1度行う大規模修繕で配管や設備の更新を行う必要はあります。

工法にもよりますがアパートの耐用年数は、マンションほど長くありませんし、建築費用も高くありません。戸数もさほど多くはないので、30年程度利用したら、急を要さない限り、リフォームに投資するよりも建て替えを検討してもよいでしょう。大規模リフォームで長く使うよりも建て替えをした方が結果的に利益率が高くなる可能性があります。

\建築費は?初期費用は?/

大手10社の収益プランを比較する
STEP1右矢印
土地の有無
STEP2右矢印
都道府県
STEP3右矢印
市区町村
STEP4右矢印
町名
STEP5右矢印
字・丁目

法定耐用年数を超えている

法定耐用年数とは、機械設備や建物などの固定資産の使用できる期間として、法的に定められた年数のことです。

アパートでは、木造や鉄骨造のような建築構造によって、法定耐用年数が異なります。

この法定耐用年数を超えると、減価償却が出来なくなってしまい、税制上のメリットが小さくなってしまいます。

もし所持しているアパートが下の表で示す法定耐用年数を超えているのであれば、アパート建て替えをすることで税制上のメリットを得ることが出来ます。
節税目的でアパートを経営している方は建て替えを検討してもいい時期と言えます。

▼建物の法定耐用年数(国税庁)

構造耐用年数
木造22年
鉄骨造 骨格材の厚み3mm以下19年
鉄骨造 骨格材の厚み3mmを超え4mm以下27年
鉄骨造 骨格材の厚み4mm以上34年
鉄筋コンクリート造47年

時代のニーズとマッチしない場合が多くなります。

建て替えにはいくらかかる?

アパートの建て替えには、おもに解体費用と新築費用が必要となります。その他の項目は次の通りです。

新築費用の坪単価相場は以下の通りです(以下は、一例で建物により大きく異なります)。

木造坪55万円前後
鉄骨造
鉄骨コンクリート造
坪75万円前後

例えば上記の相場を参考に、80坪の木造アパートを建て替える際の費用を算出すると、概算で6,800万円程度の金額が必要となります。

立ち退き料は家賃の6カ月分が相場とされています。入居者が立ち退いてくれないと工事が始まらないので、相場より高くても入居者がスムーズに退去してくれるのが望ましいです。

諸費用には建築確認申請料やローン手数料、火災保険、登記費用などになります。おおよそ100~200万円程度かかります。

別途工事費には土地の地盤改良工事や上下水道・ガス工事、外構工事費などがあります。地盤改良工事や外構工事はまとまった額がかかります。建築費の20%程度は考えておきたいところです。

古いアパートを放置しておくと起こる問題

築年数が経過しているアパートを建て替えずにいると以下のような問題が発生します。

住民の安全性確保が難しい

古いアパートを放置していると、時間の経過とともに建物の劣化が進行し、傷みや腐食が進むため、建物の耐久性や機能性が低下することがあります。定期的な修繕だけでは回収できないことが多いです。

古いアパートのセキュリティシステムは、現代のものに比べて脆弱であり、ドアや窓の取り替えが行われていない場合、簡単に破られる可能性があり犯罪に巻き込まれる可能性が高くなります。

また、入居者だけでなく倒壊などの恐れから地域住民にも被害が及びます。

入居者が決まらない

築年数が経過したアパートは空室リスクが高いです。入居者がなかなか決まらなくなるでしょう。入居者が決まらなければ家賃の値下げは避けられません。

家賃を一度値下げすると上げることは難しく、収益は下がる一方です。家賃収入を得られなくなるのであれば建て替えを検討してみてください。

アパートを建て替えるなら最初の情報収集が重要です。一括見積もり請求サービスイエウール土地活用なら、土地所在地を入力するだけで建築費の見積もりを取り寄せることができます。

\建築費は?初期費用は?/

大手10社の収益プランを比較する
STEP1右矢印
土地の有無
STEP2右矢印
都道府県
STEP3右矢印
市区町村
STEP4右矢印
町名
STEP5右矢印
字・丁目
初心者でもわかる!
記事のおさらい
アパートの建て替え年数はいつが目安?
アパートの建て替え年数は、築30年がひとつの目安です。なぜなら、法律で定められた耐用年数が木造の場合は20年、鉄骨造の場合は19年~34年であり、築30年のタイミングでは耐用年数を超えており税制上のメリットが薄くなっていることが多いためです。詳しくはアパートの建て替え年数はどのくらい?で解説しています。
アパートの建て替えを検討するタイミングはいつ?
アパートの空室率が5割を超えた、あるいは高額なリフォーム費用が発生しそうになったら建て替えを検討しましょう。詳しくはアパートの建て替えを検討するタイミングはいつ?をご覧ください。
アパートを建て替えるメリットとは?
キャッシュフローが良くなること、高く売却できるようになることの2つです。建て替えのメリットを生かしてさらに効率的なアパート賃貸経営をめざしましょう。アパートを建て替えるメリットを参考にしてください。
【完全無料】アパートの建築費、いくらかかる?