賃貸併用住宅の建築費はいくらかかる?相場や安く建てる方法を解説

賃貸併用住宅の建築費はいくらかかる?相場や安く建てる方法を解説

賃貸併用住宅の建築は、間取りや設備に自分のこだわりを反映させることができることから、建築費が高額になることが多くなっています。

そのため、賃貸併用住宅では「プライベートと家賃収入の両立」を意識した建築が必要になります。

この記事では、賃貸併用住宅の建築費や建築費を抑えられる間取り、安定経営のための設備まで解説していますので、賃貸併用住宅の建築を考えている方は、是非参考にしてください。

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賃貸併用住宅については以下の記事をご覧ください。

賃貸併用住宅とは?メリットデメリットから後悔しないためのコツまで解説します【専門家監修】

賃貸併用住宅の建築費

ここでは、賃貸併用住宅の建築費について解説します。

賃貸併用住宅の建築費相場

賃貸併用住宅の建築費は、木造では57万円~60万円、鉄骨造では85万円~100万円、鉄筋コンクリート造(RC造)では86万円~107万円が1坪あたりの相場です。

延べ床面積70坪の土地に賃貸併用住宅を建てるとすると、木造では3,990万円~4,200万円、鉄筋コンクリート造では6,020万円~7,490万円の建築費がかかります。

構造坪単価
木造(W造)57万円~60万円
鉄骨造(S造)85万円~100万円
鉄筋コンクリート造(RC造)86万円~107万円

<参考>国土交通省 令和3年度 建築着工統計調査 用途別、構造別/建築物の数、床面積、工事費予定額

賃貸併用住宅の建築費は坪単価×延べ床面積で大まかに計算することができます。延べ床面積とは、全てのフロアの床面積を合計したもので、自宅部分が40坪、賃貸部分が60坪なら延べ床面積は100坪になります。

建築費の内訳

賃貸併用住宅の建築費は、本体工事費・付帯工事費・諸費用の3つに分けることができます。ここでは、それぞれの費用に含まれる項目について解説します。

本体工事費

本体工事費は、主に建物を建てるためにかかる費用のことです。主に以下の費用が本体工事費に含まれています。

  • 仮設工事費
  • 基礎工事費
  • 躯体工事費
  • 外装工事費(屋根・防水・左官など)
  • 内装工事費
  • 建具工事費
  • 家具工事
  • 電気設備工事費
  • 冷暖房機設備工事費
  • 給排水衛生設備工事費
  • 雑工事・その他の工事費
本体工事費は、建物の建てるための費用だけでなく、内装や外装、設備等の設置工事費用が含まれています。

そのため、規模が大きくなり、戸数が増える賃貸併用住宅では、戸建ての注文住宅よりも本体工事費が高くなります。

付帯工事費

付帯工事費は、建物を建てること以外にかかる費用のことです。主に以下の費用が付帯工事費に含まれています。

  • 外構工事費
  • 地盤改良工事費
  • ボーリング調査費
  • 杭工事費
  • 解体工事費(建物が建っている場合のみ)
付帯工事費は、その土地の地盤の強さによって大きく異なります。地盤が弱く、地盤改良が必要な場合は、ボーリング調査費や杭工事費が発生します。

また、元から建物が建っているときには、その建物を解体するための費用が必要になります。

諸費用

賃貸併用住宅の建築には、本体工事費や付帯工事費以外にも諸費用がかかります。諸費用として発生する費用は以下の通りとなっています。

  • 設計料
  • 印紙代
  • 水道分担金
  • 火災保険料
  • 登記関連費用
  • 不動産取得税
  • 入居者募集費用
諸費用は不動産を取得したときにかかる不動産取得税や登記費用などがかかります。

これらの諸費用は、住宅ローンや不動産投資ローンの範囲外になることが多いため、現金を用意する必要があります。

坪数ごとの建築費

ここでは、賃貸併用住宅の建築費を坪数ごとに紹介します。今回は、建ぺい率60%で3階建ての賃貸併用住宅を建てるのを条件としています。

木造(W造)鉄骨造(S造)鉄筋コンクリート造(RC造)
30坪3,078万円~3,240万円4,590万円~5,400万円4,644万円~5,778万円
40坪4,104万円~4,320万円6,120万円~7,200万円6,192万円~7,704万円
50坪5,130万円~5,400万円7,650万円~9,000万円7,740万円~9,630万円
60坪6,156万円~6,480万円9,180万円~1億800万円9,288万円~1億1,556万円
70坪7,182万円~7,560万円1億710万円~1億2,600万円1億836万円~1億3,482万円
80坪8,208万円~8,640万円1億2,240万円~1億4,400万円1億2,384万円~1億5,408万円
90坪9,234万円~9,720万円1億3,770万円~1億6,200万円1億3,932万円~1億7,334万円
100坪1億260万円~1億800万円1億5,300万円~1億8,000万円1億5,480万円~1億9,260万円

※建築坪単価は一例です。必ず見積をお取りください。

30坪の賃貸併用住宅はどんな間取りが良い?入居者が集まりやすい物件とは

賃貸併用住宅を建築する可能性が出てきたら、早い段階で施工会社から建築プランと建築費用の見積もりを取得しましょう。

施工会社に提案される建築プランには建築費用の見積もりだけでなく設計図面や収支計画が含まれています。複数の施工会社の建築プランを比較することで、客観的に利回りを算出することもできますし、自分の土地でどのようなアパートを建てられるかイメージが湧くようになります。

イエウール土地活用なら一度の簡単な情報入力で複数の大手ハウスメーカーから提案を受けることができます。

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賃貸併用住宅の建築費が高くなる理由

賃貸併用住宅は、アパートや戸建ての建築費用に比べて高くなる傾向があります。
ここでは、なぜ賃貸併用住宅の建築費用が高くなってしまうのか、その理由を解説します。

住宅設備が戸建てより多い

賃貸併用住宅は、同じ床面積でも賃貸部分の部屋数が多ければ多いほど戸建てよりも建築費用が高くなります。

普通、戸建ての建築では、浴室やキッチンなどの住宅設備をワンセットだけ設置すれば問題ありません。しかし、賃貸併用住宅は、自宅部分だけでなく、賃貸部分のも含めた全部屋に住宅設備を設置する必要があります。

そのため、賃貸併用住宅の建築費用は、通常の戸建て建築より高くなることが一般的です。

アパートより設備や内装・外装にこだわることが多い

アパートを建築する際、設備や内装・外装はある程度割り切って、低コストのものを選ぶことが一般的です。これは、アパートの建築費用をできるだけ抑えて、借り入れ金を減らすということが目的となっています。

しかし、賃貸併用住宅の建築では、自分もその建物に住むことから、内装や外装にこだわりを持つ人が多いです。

また、自宅部分の設備や仕上げ材にもこだわることが多いため、アパートの建築費用よりも割高になってしまいます。

賃貸併用住宅の建築費を抑える間取り

高額な賃貸併用住宅の建築費を抑えるためには、間取りに注目するとよいでしょう。ここでは、賃貸併用住宅を安く建てるための間取りについて解説します。

賃貸併用住宅をローコストで建てる7つの方法について徹底解説!

自宅部分を50%以上にする

賃貸併用住宅では、マイホームとしての役割も持っていることから、条件を満たせばアパートローンよりも低金利の住宅ローンを利用することができます。建築費が数千万円になる賃貸併用住宅では、金利の低いローンを利用することで、最終的な返済額を減らすことが可能です。

住宅ローンが利用できる条件は、「住宅の面積のうち自宅の居住スペースが50%以上であること」になっています。そのため、賃貸併用住宅の間取りを検討するときには、自宅部分を50%以上確保するようにしましょう。

しかし、自宅部分を50%以上にすることは意外と難しく、この条件を満たそうとすると建物の規模が大きくなり、建築費がかえって高くなってしまう可能性もあります。

こういった自体を避けるためにも、住宅ローンの条件が緩い(自宅部分が1/3でもよいこともある)金融機関を探してみましょう。

自宅部分と賃貸部分は横割りの間取りにする

住宅ローンの利用条件を達成するためにも、自宅部分と賃貸部分をフロアごとに分けた間取りである横割りにするとよいでしょう。

2階建てで横割りの間取りであれば、どちらかのフロアを自宅にすることで簡単に自宅部分を50%以上にすることができます。

ただ、2階建ての賃貸併用住宅を建てる場合、自宅部分を上のフロア(2階)にするのか、下のフロア(1階)にするかで暮らしやすさが違ってきます。

そのため、どちらのパターンのメリットとデメリットを知り、自分の生活や家族に合ったフロアを選択しましょう。

賃貸併用住宅の間取りの決め方は?狭小地での建て方や失敗のポイントを解説

各部屋の床面積を40㎡以上にする

賃貸併用住宅を新築すると、取得した不動産の価格(課税標準)×3%の不動産取得税がかかります。

しかし、不動産取得税には軽減制度があり、その適用条件が1戸あたりの延べ床面積が40㎡以上240㎡以下となっています。この制度が適用されると、1戸につき1,200万円が課税標準から控除され、負担する税金を減らすことができます。

そのため、賃貸併用住宅を建てるときには、賃貸部分も含めて全ての部屋の床面積を40㎡以上にすることが大切です。

部屋の床面積が40㎡となると、約25畳ほどの広さで、1LDKの間取りが適しています。1LDKは、単身者や2人暮らしの人がターゲットになるため、経営も安定するでしょう。

また、1LDKの間取りなら、部屋数もそこまで増えないことからも、建築費を抑えることが可能です。

賃貸併用住宅には、さまざまな建築プランがあるため、できるだけ多くの間取りやプランを比較検討することをおすすめします。

そのため、1社の建築プランだけを参考にするのではなく、複数社のプランを比較するとよいです。1社の建築プランだけでは、費用が妥当かどうかの判断もしにくいため、可能な限り多くのプランを比較してみましょう。

そこでおすすめなのが、土地活用比較サイトのイエウール土地活用です。イエウール土地活用では、一度の簡単な情報入力で複数の大手ハウスメーカーから提案を受けることができます。

下のバナーから無料で利用することができるため、是非一度利用して、建築プランを取り寄せてみましょう。

安定した家賃収入を確保するために

賃貸併用住宅では、建築費を抑えることも大切ですが、あくまで賃貸経営だということを忘れてはいけません。そのため、空室をできるだけ発生させないようにすることが大切になります。

ここでは、賃貸併用住宅で入居者確保のためにするべきことを解説します。

遮音性の高い壁や床にする

入居者が賃貸住宅に不満を持つ原因の1つが、上階や左右の部屋から足音や生活音が響くということが挙げられます。

これらの生活音は、ほとんどの場合、悪意のあるものではなく、普通に暮らしているだけで自然に発生してしまうものです。

そのため、賃貸併用住宅では、遮音性が高い「界壁」や「界床」を設置することが対策になります。特に界壁は、遮音性だけでなく、耐火性能が高いことから、災害のリスクにも備えることができます。

「界壁」や「界床」は、遮音性能を高めるために、さまざまな企業が研究を続けていますので、間取りを検討する際には、是非チェックしてみてください。

断熱性の高い窓を取り付ける

入居者が快適に暮らせるためにも、断熱性の高い窓を設置することが大切になります。具体的には、熱の伝わりにくい素材のガラスを採用したり、窓を2重にしたりする方法があります。

やはり、夏は暑く冬は寒いような部屋では、快適に過ごせないことに加え、エアコンの効率も悪くなり、電気代が多くかかってしまいます。

このような部屋にしないためにも、間取りを検討する際には、断熱性に気をつけましょう。

入居者のニーズに合わせた間取りや設備を導入する

賃貸併用住宅もアパート経営などの賃貸経営と同様に、入居者のニーズに合わせた間取りや設備の導入が必要です。

たとえば、「トイレと風呂は別室になっていること」や「内装がきれいであること」、「テレビやインターネット環境が整っていること」など、入居者にはさまざまなニーズがあります。

賃貸併用住宅の賃貸部分には、これらのニーズを最低限反映させた間取りであることが空室を発生させないコツになります。入居者のニーズを正確に把握し、入居者に不満を感じさせないような造りの間取りを設計していきましょう。

建築費を確認して理想の賃貸併用住宅を建てよう

理想の賃貸併用住宅を建てたいなら、建築費がどれくらいかかるのかを把握しておく必要があります。

構造や規模、建材や設備のグレードなどによって建築費は異なりますが、高額になりやすいことは確かです。

ただ、高額になった建築費を安くする方法も存在するため、これらをうまく利用し、できるだけ建築費を減らしましょう。

また、賃貸併用住宅はあくまで賃貸経営です。家賃収入でローンの返済をすることも可能であるため、入居者ニーズを正確に把握し、空室を発生させない間取りを設計してきましょう。

初心者でもわかる!
記事のおさらい

賃貸併用住宅の建築費はいくらになりますか?
賃貸併用住宅の建築費の相場は坪単価で、木造:57万円~60万円、鉄骨造:85万円~100万円、鉄筋コンクリート造:86万円~107万円となっています。詳しくは、賃貸併用住宅の建築費をご覧ください。

賃貸併用住宅の建築費はなぜ高いのですか?
賃貸併用住宅の建築費は一戸建てやアパートに比べて、必要な設備数が多かったり、設備や仕上げ材にこだわることが多いため、割高になります。詳しくは、賃貸併用住宅の建築費が高くなる理由をご覧ください。
【完全無料】建築費用はいくらかかる?