賃貸併用住宅に税金はいくらかかる?節税をして資産を有効活用しよう

賃貸併用住宅に税金はいくらかかる?節税をして資産を有効活用しよう

賃貸併用住宅を経営する際には、さまざまな税金がかかります。経営を成功させるには、得られる収益を計算するだけではなく、税金などのかかるコストを知っておくことも大切です。

税金には複数の種類があり、それぞれで計算方法や納付する金額は違います。賃貸併用住宅の経営にはどのような税金がかかるのか、節税の方法も含めて知っていきましょう。

まずは賃貸併用住宅を経営することがどのようなことなのか知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。

最適な土地活用のプランって?
STEP1
土地の有無
STEP2
都道府県
STEP3
市区町村

賃貸併用住宅を建てるとかかる6つの税金

賃貸併用住宅を建築するとかかる税金は、大きく次の6個があげられます。

  • 賃貸併用住宅に関する手続きで登録免許税
  • 建てるまでに作成する契約書で印紙税
  • 賃貸併用住宅の取得で不動産取得税
  • 賃貸併用住宅を建てる資金の支援で贈与税
  • 賃貸併用住宅を建てた翌年から固定資産税
  • 家賃収入に所得税・住民税

それぞれの特徴や税額の計算方法などを知り、税金についての理解を深めていきましょう。

賃貸併用住宅に関する手続きで登録免許税

土地や建物を取得した際には、名義変更の手続きを行う必要があります。このときにかかる税金が、登録免許税です。また、土地や建物を担保にローンを組む場合は、不動産に抵当権が設定され、この際にも登録免許税がかかります。

登記内容 必要な理由 本則税率
建物の所有権保存登記 新築住宅の所有権を設定するため 不動産価額の0.4%
建物の所有権移転登記 購入した家の所有権を移動するため 不動産価額の2%
土地の所有権移転登記 購入した土地の所有権を移動するため 不動産価額の2%
ローンの抵当権設定登記 担保となる不動産に抵当権を設定するため 借入額の0.4%

また、土地の所有権移転登記は、2023年3月31日までの取引だと軽減税率が適用され、不動産価額の1.5%で計算して登録免許税を算出します。

建てるまでに作成する契約書で印紙税

賃貸経営住宅を建てるには、土地や建物の売買契約書、建物の建築請負契約書などを作成します。契約書には収入印紙を貼り付ける必要があり、この際にかかる税金が印紙税です。印紙税は契約書に記載されている、契約金額によって金額が変動します。

契約金額ごとの印紙税額を表にまとめました。なお、印紙税にも軽減措置があり、2022年3月31日までの取引だと、表中の右列に記載した税額となります。

契約金額 印紙税額 軽減措置後の税額
1万円未満 非課税 なし
1万円を超え10万円以下 200円 なし(200円)
10万円を超え50万円以下 400円 200円
50万円を超え100万円以下 1,000円 500円
100万円を超え500万円以下 2,000円 1,000円
500万円を超え1,000万円以下 10,000円 5,000円
1,000万円を超え5,000万円以下 20,000円 10,000円
5,000万円を超え1億円以下 60,000円 30,000円
1億円を超え5億円以下 10万円 60,000円
5億円を超え10億円以下 20万円 16万円
10億円を超え50億円以下 40万円 32万円
50億円を超えるもの 60万円 48万円

賃貸併用住宅の取得で不動産取得税

不動産を取得した際には、不動産取得税がかかります。これは土地と建物それぞれが課税対象です。土地と住宅は固定資産税評価額の3%が、非住宅の家屋の場合は4%が不動産取得税となります。

また、2024年3月31日までの取引で取得したものについては、固定資産税評価額を2分の1にして計算が可能です。取得した不動産の課税標準となる額が一定額以下の場合、非課税となります。

具体的にいくらから非課税になるのか表にまとめました。

項目 免税点
土地 10万円
家屋(自ら建築して取得した場合) 23万円
家屋(売買などで取得した場合) 12万円

不動産取得税は不動産取得時に支払う税金ですが、取得した不動産の価値によっては、税金が免除されることもあります。

賃貸併用住宅を建てる資金の支援で贈与税

賃貸併用住宅を建築するにあたって、直系の尊属(父母や祖父母など)から資金の支援を受けた場合は、受けた支援金額に応じて贈与税がかかります。

贈与税は、贈与した金額に応じて税率が変わります。なお、贈与税は基礎控除額が110万円であるため、年間110万円までの贈与は非課税となります。110万円を超える贈与の場合に、金額に応じた税金がかかると覚えておきましょう。

贈与には一般税率と特例税率の2つがあり、贈与を受ける人が20歳以上の場合は、特例税率となります。一般税率の税率や控除額は、次の通りです。

基礎控除後の課税価格 税率 控除額
200万円以下 10%
300万円以下 15% 10万円
400万円以下 20% 25万円
600万円以下 30% 65万円
1,000万円以下 40% 125万円
1,500万円以下 45% 175万円
3,000万円以下 50% 250万円
3,000万円超え 55% 400万円

特例税率の場合は、次の税率や控除額で計算します。

基礎控除後の課税価格 税率 控除額
200万円以下 10%
400万円以下 15% 10万円
600万円以下 20% 30万円
1,000万円以下 30% 90万円
1,500万円以下 40% 190万円
3,000万円以下 45% 265万円
4,500万円以下 50% 415万円
4,500万円超え 55% 640万円

資金の支援を受ける際には、非課税とするために年間110万円までに金額を抑えることをおすすめします。

賃貸併用住宅を建てた翌年から固定資産税

賃貸併用住宅を新築したなら、その翌年から固定資産税を支払わなければなりません。固定資産税は毎年1月1日時点で不動産を所有している人に課税される税金であり、土地と建物の両方が対象となります。固定資産税は行政サービスの財源を確保するために設定された地方税です。

固定資産税の納付額は、次の式で計算します。

  • 固定資産税評価額×標準税率

税率は市区町村によって異なることもありますが、基本的には1.4%です。また、エリアによっては都市計画税の納付が必要な場合もあります。都市計画税も固定資産税に税率をかけて計算し、標準税率は0.3%と定められています。

家賃収入に所得税・住民税

賃貸併用住宅を経営して、年間20万円以上の所得があるなら、翌年確定申告をして所得税や住民税を納付する必要があります。家賃収入は不動産所得として計上されます。不動産所得の計算式は、次の通りです。

  • 不動産所得=総収入額-必要経費

家賃収入が全額不動産所得になるわけではなく、必要経費を差し引いて残った分が課税対象額になると考えましょう。所得税の税率は次の通りです。

課税金額 税率 控除額
1,000円から 1,949,000円まで 5% 0円
195万円から3,299,000円まで 10% 97,500円
330万円から6,949,000円まで 20% 42万7,500円
695万円から8,999,000円まで 23% 63万6,000円
900万円から17,999,000円まで 33% 153万6,000円
1,800万円から39,999,000円まで 40% 279万6,000円
4,000万円以上 45% 479万6,000円

住民税は課税対象となる所得の金額に10%をかけて計算します。

賃貸併用住宅を建てる税金のメリット

賃貸併用住宅を建てることでさまざまな税金がかかりますが、出費が増えるだけではなく税金面でのメリットもあります。

  • 賃貸の部屋数分だけ不動産取得税の控除額を増やせる
  • 固定資産税の軽減措置が適用される
  • 将来の相続で物件の評価額を抑えられる

税金面のメリットを把握して、どのような節税効果があるのかを知っていきましょう。

賃貸の部屋数分だけ不動産取得税の控除額を増やせる

不動産を取得した際には不動産取得税がかかりますが、一定の条件を満たすことで控除が受けられます。自宅の場合は最大1,200万円の控除ですが、賃貸併用住宅なら1室×1,200万円の控除となるため、部屋数が増えるほど控除額も多くなる点がメリットです。

控除を受けるには、自宅は床面積が50平方メートル以上240平方メートル以下であり、賃貸部分は40平方メートル以上240平方メートル以下が条件となります。

例えば取得する不動産の固定資産税評価額が5,000万円とし、控除対象となる自宅が1室、賃貸部分が4室あったとします。この場合、「合計5室×1,200万円の控除」となり、合計6,000万円の控除が受けられるため、不動産取得税は非課税です。

固定資産税の軽減措置が適用される

土地の上に建物があると、面積に応じて固定資産税の軽減措置が適用されます。例えば200平方メートルまでの部分は土地の固定資産税が6分の1に、それを超える部分は3分の1に軽減されます。

更地のまま土地を所有していると、最大6倍以上の固定資産税がかかるため、賃貸併用住宅を建てて活用したほうが、土地の固定資産税は安くなる場合が多いです。

将来の相続で物件の評価額を抑えられる

将来不動産を相続する際には、相続資産の合計から基礎控除を差し引き、税率をかけて相続税額を決定します。不動産は購入時の価額ではなく、相続時の評価額で計算されるため、現金で所持するよりも低い金額で計算が可能です。

また、賃貸併用住宅を建てている場合は、土地が自用地から貸家建付地となり、相続税評価額が下がるため相続税の節税が可能です。貸家建付地は相続税評価額が、30%減額されます。

さらに同居している子供や配偶者が相続する場合は、小規模宅地等の特例を適用できるため、330平方メートルまでの土地の評価額は80%減額され、さらに高い節税効果を期待できる点は大きなメリットです。

賃貸併用住宅で暮らす時の4つの節税対策

賃貸併用住宅で暮らすなら、次の4つの節税対策をしておくことがおすすめです。

  • 住宅ローン控除を申請して長期の節税
  • 経費を正確に計算して青色の確定申告
  • 小規模企業共済で不動産所得を少なく見積もる
  • 法人化して賃貸経営

対策をしておくことで、税負担を抑えてよりお得に節税を図れます。

住宅ローン控除を申請して長期の節税

住宅ローンを組んでいるなら、住宅ローン控除を申請し、長期にわたって所得税や住民税の節税が可能です。住宅ローン控除は、毎年末のローン残高の最大1%を控除できる制度であり、10年にわたって控除を受けられます。

賃貸併用住宅で住宅ローン控除を適用させるには、次の条件を満たす必要があります。

  • 自宅部分が全体の2分の1以上あること
  • 10年以上の返済期間で契約していること
  • 特別控除を受ける年の合計所得金額が3,000万円以下であること

住宅ローンはそもそも居住用の住宅を建築する際に利用できるものであり、事業の用途では使用できません。そのため、建物の2分の1以上が自宅部分になっていないと、そもそもローンを組めないことは覚えておきましょう。

住宅ローン控除を適用するには、賃貸部分を全体の半分以下に設定し、自宅部分を広く取っておく必要があります。

経費を正確に計算して青色の確定申告

賃貸併用住宅の経営によって不動産所得がある場合は、確定申告をして所得を申告しなければなりません。確定申告をしていないと、無申告加算税や延滞税などのペナルティが課せられてしまい、通常より高い税率で税金を支払うことになるため注意しましょう。

確定申告時に税負担を抑えるには、経費を抜け漏れなく計算して、不動産所得を抑えることが大切です。また、確定申告には青色と白色申告があり、青色申告のほうが受けられる特別控除が増えるため、より高い節税効果を期待できます。

青色申告をするには、事前の申請が必要であり、帳簿も複式簿記という方法でつけなければなりません。また、貸借対照表や損益計算書の作成も必要ですが、手間がかかる分、節税効果は高まります。賃貸経営住宅の経営で経費として認められるものは、主に次の通りです。

  • 固定資産税・都市計画税
  • ローンの利息
  • 印紙税
  • 建物の修繕費
  • 損害保険料
  • 管理手数料
  • 管理組合への管理費
  • 広告宣伝費
  • 税理士や弁護士への報酬
  • 減価償却費

経費として計上できるものは多数あるため、支払った料金の領収書はなくさずに保管しておきましょう。

小規模企業共済で不動産所得を少なく見積もる

将来に備えて退職金や年金を積み立てできる、小規模企業共済を利用することでも節税は可能です。小規模企業共済に加入し、月額1,000円から7万円までの掛け金を支払っていると、支払った全額が所得税控除の対象となります。

つまり、小規模企業共済で多く積み立てをすることで、不動産所得を少なく見積もることができ、かつ将来の資金を貯めておくことができます。

ただし、小規模企業共済は給与所得のある人、つまり会社に勤めて給料をもらっている人は加入できないため、あくまで法人や個人事業主が利用できるものであることは覚えておきましょう。

法人化して賃貸経営

節税効果を高めるには、個人として賃貸経営をせずに、法人化することもおすすめです。法人化することで得られるメリットは、次の通りです。

  • 税率が下がる
  • 経費の範囲が広がる

個人で支払う所得税は累進課税であり、所得が多いほど税率も高くなります。対して法人の場合は所得税ではなく法人税となり、一定の税率で税額が決まることが特徴です。そのため、家賃収入が多い場合は、法人化したほうが支払う税金が低くなる可能性があります。

また、法人の場合は事業全般で得た所得を合算して計算するため、経費として計上できる範囲が広がります。経費計上できるものが増えると、その分所得の縮小も可能であり、個人よりも節税できる可能性は高まるでしょう。

賃貸併用住宅を建てて後悔しないコツ

賃貸併用住宅を建築して後悔しないためには、覚えておきたいコツがいくつかあります。

  • 賃貸の需要があるのかを検討
  • 間取りのパターン別の特徴を把握
  • 複数社で賃貸併用住宅の建築プランを比較

コツを把握して、失敗なく賃貸併用住宅を建てましょう。

賃貸の需要があるのかを検討

建築前にはそのエリアに賃貸需要があるのか、念入りに調査しておく必要があります。自分が快適に暮らせる環境でも、賃貸需要がなければ入居者を獲得できず、家賃収入を得られません。

入居者を確保できず、空室期間が長くなると、その間のローンの支払いが苦しくなってしまいます。自分が住みやすいだけではなく、入居者も住みやすい環境か、そもそも賃貸需要があるのかを調べてから、建築を開始することが大切です。

間取りのパターン別の特徴を把握

賃貸併用住宅の間取りは、建物を左右に区切り、オーナーと入居者が複数階を使える縦割りと、フロアごとに部屋を区切る横割りの2パターンがあります。

間取り メリット デメリット
縦割り プライベートな空間が守られる 室内に階段が必要なため部屋が狭くなる
横割り 上層階なら足音や生活音が気にならない 下層階だと足音や生活音が響きやすい

縦割りの場合、それぞれ1階と2階を利用でき、お互いの足音や生活音が気になりづらいため、プライベートな空間を作りやすくなります。しかし、室内に階段を設置する分、部屋が狭くなりやすい点はデメリットです。

横割りの場合、上層階に住んでいる人は、足音や生活音が気にならないため、快適に暮らせます。しかし、下層階の人は、上からの物音が気になることがあり、場合によっては騒音トラブルに発展することもあります。

間取りによってメリットとデメリットは異なるため、どちらがよいかを判断して、設計することが大切です。

複数社で賃貸併用住宅の建築プランを比較

賃貸併用住宅の建築をしてもらう際には、複数の工務店やハウスメーカーに相談して、建築プランを立ててもらいましょう。同じ要望を出しても依頼先によってかかる工費や期間、作業の詳細な内容などが異なることは多いです。

最初の1社だけではどこがよいのか判断することは難しいため、複数社にプランの作成を依頼して、比較検討しておきましょう。

賃貸併用住宅を建てるなら税金対策をして収入を最大化

賃貸併用住宅を建てるなら、どのような税金がかかるのかを知っておくことが大切です。また、対策次第で節税ができるものもあるため、税コストをどのように引き下げるかも考えておきましょう。

節税ができると出費が減り、収益を増やすことができます。賃貸併用住宅で利益を出すためにも、税金の知識を身につけ、念入りに節税対策をしてから経営を始めましょう。

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