雑司が谷は、東京都豊島区に位置しています。かつては都電荒川線一路線のみでしたが、2008年副都心線の開通で新宿や渋谷へもすぐにアクセスできるようになりました。
駅周辺には、大学やお寺もあり、落ち着いた雰囲気のある街です。また、静かな住宅街も広がり、都心とは思えないほどゆっくりとした時間が流れている印象をもちます。
今回は、そんな雑司ヶ谷の家賃相場から周辺施設などに関する情報をまとめました。
雑司が谷の住みやすさは?
東京に残る唯一の路面電車、都電荒川線が走っています(正式名称:東京さくらトラム)。スピードがゆっくりなので、車窓から街を眺めながら移動ができます。
駅に大型スーパーはありませんが、池袋や目白へは徒歩で行くことができ不便さを感じることはないでしょう。
また、おしゃれなカフェが多く、日頃のストレスをリフレッシュするためにも最適なエリアです。
雑司が谷から都心へのアクセス
雑司が谷駅は、東京メトロ副都心線と都電荒川線が利用できます。特に副都心線は渋谷や池袋へも乗換なしで行くことができるため、非常に便利です。副都心線は、通勤ラッシュ時でも混雑度は低い路線といえます。全ての席が埋まっている状態を混雑率100%、ラッシュの混雑時のような身動きの取りにくい状態は200%です。
しかし、日にもよりますが、副都心線は146%なので、圧迫感を感じることがないのは、頻繁に電車を利用する方にとっては安心でしょう。
駅 | 所要時間 | 乗換回数 |
---|---|---|
新宿 | 11分 | 1回 |
渋谷 | 13分 | 0回 |
池袋 | 3分 | 0回 |
品川 | 37分 | 1回 |
東京 | 26分 | 1回 |
池袋までは3分、渋谷や新宿までは15分もかからないので、アクセスも良好です。
また、東京都交通局と西武バスの運行もあり、新宿、渋谷、早稲田、目白などへも行きやすい場所です。
雑司が谷はどんな街?5つの特徴
雑司が谷駅周辺は、平日でものんびりしています。静かな住宅街も多いので、小さな道もたくさんあります。散歩や散策も楽しめそうな雑司が谷エリアはどんな街なのか、その特徴を見ていきましょう。
雑司が谷の家賃相場
実際に雑司が谷に住むとなるとどのくらいの家賃がかかるのでしょうか。ワンルームでは7.5万円、1LDKが10.5万円、2LDKになると12万円が平均的な家賃の相場になります。周辺駅の駅と比較すると、雑司が谷駅の家賃相場は、副都心沿線の中では平均よりも高めです。ただし、都心へのアクセスを考えると利便性が高いので、家賃か利便性のどちらを選ぶのか悩むところかもしれません。
小さなマンションやアパートが多いので、オートロックや宅配ボックスなどの共用設備のあるところは少ないでしょう。このような状況も考えたうえで決めることが重要です。
治安の良さ
雑司が谷の治安は良いといわれていますが、実際はどうなのでしょうか。豊島区のホームページで発表されている犯罪の認知件数は、掲載されているなかで最新の平成29年のデータによると、合計で4,778件におよびます。[注1]
なかでも、一番多いのは3,248件の非侵入窃盗で、自転車の窃盗やひったくり、スリなどです。
駅近くに学校があるため、PTAや警察のパトロールは徹底されています。しかし、こういった犯罪が多数発生していることは頭に入れておいた方が良いでしょう。
おしゃれなカフェや飲食店が多い
雑司が谷エリアにはカフェが増えています。もともとおしゃれな街並みに、カフェや雑貨などのお店が加わり映える街としても人気を集めているのです。美味しい珈琲やケーキなど、開拓しながら散策するのも楽しいでしょう。他にも、イタリアンや中華などの個人経営のお店が多いことも特徴です。
住宅街の中に突然現れるカフェやお店がたくさんあるので、自分好みの隠れ家的なお店を見つけてみてはいかがでしょうか。
池袋・目白・高田馬場が徒歩圏内
副都心線開業までは、都電荒川線のみが走っていました。そのため、現在も騒然さは感じることはなく、静かな街並みが残ったままです。そして、都会の雰囲気を味わうなら徒歩圏内で移動ができるのも特徴の1つです。池袋や目白、高田馬場まで1km前後なので散歩にも、軽い運動にもいい距離感といえます。
東京さくらトラム(都電荒川線)が通る風情ある街
東京さくらトラムは、車両が小さく、かわいらしい見た目が印象的な都電です。本数も意外と多いため、雑司が谷周辺に行けば必ず見ることができます。路面電車ということもあり、スピードはとってもゆっくりです。停車駅は、大塚駅・町屋駅・王子駅・早稲田駅など、聞いたことのある場所ばかりです。都電沿いは家賃が抑えられ、便利で魅力的です。
雑司が谷周辺のおすすめスポット5選
雑司が谷は、こころをリフレッシュするのにもおすすめです。そんな雑司が谷の外すことができないスポットを5つ、紹介します。鬼子母神堂
鬼子母神堂は、都電荒川線の鬼子母神前駅から徒歩5分、雑司が谷駅から徒歩7分の場所にあります。夜叉神(やしゃがみ)の娘という恐ろしい鬼女でしたが、釈迦に諭され改心したことで安産・子育ての守り神として庶民の信仰を集めました。
まさに雑司が谷のシンボルである鬼子母神の名物が「すすきみみずく」。
病気平癒に効果があるといわれています。
境内の大イチョウは、推定樹齢が700年です。江戸時代以来、このイチョウに抱き着くと子宝に恵まれると信仰を集め、「子授けイチョウ」として広く親しまれています。
南東には、倉稲魂命(うけみたまのみこと)を祀った古社、武芳稲荷大明神が鎮座しています。「雑司が谷七福神」としても知られており、大黒天が祀られています。
上川口屋
上川口屋は、鬼子母神堂の境内に佇む駄菓子屋さんで、なんと、江戸時代から続いている老舗です。幼い頃を思い出させてくれる駄菓子に、訪れた方たちはわくわくした様子で見ていました。由緒正しい歴史をもち、タイムスリップした気分になります。ところせましと並ぶ駄菓子を見たら、思わず懐かしい気持ちになること間違いなしです。
今回は、ビックカツとビスコを買いましたが、久しぶりに食べても変わらない味は最高です。鬼子母神堂にお参りした際には、ぜひ立ち寄ってみてください。
雑司が谷旧宣教師館
1982年(昭和57)、持ち主がいなくなった旧宣教師館を取り壊してマンションを建設しようとする計画が持ち上がります。しかし、地元住民は反対運動を行い、後に保存運動へと発展していきます。そして、保存が決定し、豊島区が取得することになったのが、雑司が谷旧宣教師館という住宅街に佇む洋館です。建物内には、これまでの歴史や当時の家具などが展示されています。
床や階段を歩くとキュキュと音がなり、そこでも歴史を感じさせてくれます。建物内は1階・2階ともに3室ずつで、食堂や居間、寝室、書斎などに使用されていました。
建物の3方はサンルームで囲まれており、天気の良い日は明るくて居心地の良い空間で、とても見応えがある建造物です。
建物内から見た庭や外の風景も良く、住んでみたくなるような建物です。ちなみに、建物内の撮影は、許可が必要なので注意してください。雑司が谷みみずく公園
鬼子母神堂に隣接した小さな公園です。公園の入り口にはかわいい「みみずく」の像があります。
滑り台とブランコが主な遊具で、園内にはベンチもあるのでちょっとした休憩もできます。
キアズマ珈琲
都電荒川線の鬼子母神前駅から鬼子母神堂に続く参道にあるキアズマ珈琲は、80年の木造建築をリノベーションして作られた喫茶店です。ケヤキ並木は約100m続いており、その歴史は、天正年間(1573~1592年)に雑司が谷の長島内匠がケヤキを奇植したものと伝えられています。
店内はこぢんまりしていますが、少し薄暗く落ち着いた雰囲気があります。焙煎された珈琲は、そのままいただくのがおすすめです。
珈琲豆の良い香りが心地よく一気に癒やされます。この日はアイス珈琲を頼んだのですが、グラスもおしゃれで量もたっぷりで、珈琲の味を堪能できました。
第二次世界大戦の戦火を逃れた建造物や、副都心線開業時にできた新しい店や文化が混ざっているのがすてきな風景を生みだしています。
ここでもタイムスリップしたような感覚になれる、隠れ家的な喫茶店にぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。
雑司が谷に住むうえで注意することは?
どんなに良い街でも、注意すべき点はいくつかあります。雑司が谷駅も例外ではありません。雑司が谷が抱えている問題について整理しておきましょう。
子育て事情
子育て世代にとっては重要なのは、子育てのしやすさや制度の充実でしょう。豊島区は待機児童問題に積極的に取り組んでおり、平成29〜30年は待機児童ゼロを達成しています。[注2]また、2021年3月の時点では待機児童がゼロになる見込みであると発表しています。
出産後も職場復帰をする女性が多い昨今、待機児童がゼロを実現できていることは、子育てするうえで大きなポイントでしょう。
[注2]【としまの子育ての現場から⑤】本年4月も待機児童ゼロの見込み 「待機児童ゼロ」の維持を目指して安心安全な保育環境を確保し良質な保育を提供|豊島区
急な坂が多い
雑司が谷駅周辺は、昔ながらのお店もあり穏やかな雰囲気です。公園などもあるので落ち着いた街といえるでしょう。しかし、急な坂が多く存在します。
足腰の悪い方や、頻繁に通らなければならない道だと、苦痛に感じてしまうかもしれません。子どもを乗せて一生懸命自転車を漕ぐお母さんをよく見かけます。
大きな商業施設がない
雑司が谷駅には、3カ所の出口があります。駅前に大きなスーパーはありませんが、マルエツプチやコンビニがあり、日常の買い物には困ることはありません。しかし、大きな商業施設の必要性があるなら徒歩圏内である「池袋」や「目白」へ行くことをおすすめします。
雑貨屋さんやパン屋さんと交って、ドラックストアが多く点在しているので十分に活用できます。
また、24時間営業の「miniピアゴ」があり、時間を気にせずに買い物できることはメリットといえます。
夜道が暗い
ほとんどが住宅街で、夜遅くまで営業している飲食店も少ないため夜道が暗いです。帰りが遅くなる場合には注意しましょう。「赤信号」が長い
住むにあたって意外と見逃しがちな注意点があります。それが「信号」です。たとえば、護国寺駅と雑司が谷を隔てる交差点の赤信号は非常に長く、約2分間赤信号が続きます。また、都電荒川線の踏み切りも降りる頻度が高いので、急いでいる際は時間に余裕を持って家を出ると良いでしょう。
雑司ヶ谷の住みやすさを知るならHousii
アクセスの良さと下町情緒が魅力的な雑司ヶ谷ですが、実際に住んでみないとわからない点が多いことにも注意しましょう。
例えば、
- 近くに病院があるのはいいけど、救急車の音がうるさい
- 育児制度が充実しておらず、保育園探しに苦労した
- 飲み屋街が近くにあって、夜酔っ払いが多い
など、地元の人にしかわからない情報も少なくありません。つまり、その街の住みやすさを知るには地元に詳しい人に話を聞くのが最も確実で早い方法です。
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雑司が谷はゆっくりと時間が流れる魅力がたくさんある街
雑司が谷は、古き良き街なのに新しさも加わり、さらに魅力が増している街です。下町のような時代を感じさせる雰囲気が好きな人も、おしゃれなカフェや新しい個性的なお店が好きな人も、きっと気に入ることができるエリアなのではないでしょうか。
副都心線の開業を機に、この街に移り住んできた人も多いといいます。
池袋までは徒歩圏内で都心へのアクセスも良好です。
街並みは落ち着いているので、休日はゆっくりした時間を過ごしたい人たちにもおすすめです。
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