アパート建築を始めようとしている人の中には安くアパートを建てたいと考えている人も多いのではないでしょうか。アパートを安く建築することができると利回りが高くなり、将来的に多くの利益を見込めます。
しかし、アパート建築費を下げることだけを考えてアパート建築を行ってしまうと、アパート自体の品質が下がってしまうことも少なくありません。
この記事では、アパートの品質を下げることなく、アパートを安く建てる方法を解説していきます。安くアパートを建てたい方は、是非参考にしてみてください。
アパート建築費については以下の記事をご覧ください。
アパートを安く建てる方法
一般的にアパート建築にかかる費用は構造によっても異なりますが、木造だと約2100万円、鉄骨造だと約9500万円とかなり高額となっています。アパート建築費がこんなに高額になると少しでも費用を抑えたいと考える方も多いと思います。
この章では少しでもアパート建築費を抑える方法を解説していますので参考にしてみてください。
設計施工一貫方式を採用する
アパート建築において工事の発注を発注するときは、ハウスメーカーの提供する設計施工一貫方式を選択しましょう。
設計施工一貫方式とは、設計と施工を一貫してハウスメーカーが行う方式です。設計を設計事務所に、施工を工務店や施工会社に依頼する設計施工分離方式もありますが、こちらでは設計料が高くなってしまいます。
設計料は、一般的に設計施工一貫方式だと工事費の1~3%、設計施工分離方式だと工事費の5~8%と言われています。
そのため、設計施工一貫方式を選ぶことでアパート建築費を抑えることができます。設計施工分離方式にはアパートのデザインにこだわることができますが、建築費を抑えるのであれば設計施工一貫方式がおすすめです。
アパート設計については下記の記事で詳しく解説しています。是非参考にしてみてください。
建築プランを比較しよう
アパート建築を始める前、絶対に複数のプランを比較検討しましょう。
アパート建築の知識を持っていたとしても、1つのプランだけで判断することは難しいです。そのため、複数のプランを取り寄せ、アパート建築の総額を比較し、安く高品質なアパート建築ができるプランを選択しましょう。
ハウスメーカーのプラン比較ならイエウール土地活用
ハウスメーカーを比較するのであれば、イエウール土地活用の利用をおすすめします。
チャット形式の簡単な質問に答えるだけで、プランを無料で請求できます。一度、土地の情報を入力するだけで複数社からプラン請求できることもおすすめできるポイントです。
ハウスメーカーから送られてくる提案書には、主に「設計図面」と「工事費」、「収支計画」の3つが記載されています。
最適な工法・構造を選択しよう
プランを比較する際、アパートの工法や構造を変えて比較しましょう。
次の章でも解説しますが、木造や鉄骨造などの構造によって坪単価あたりの建築費の相場が異なっています。木造であれば建築費用は安くなりますが、火災やシロアリなどに気をつけながら経営しなければいけなくなります。
工法においてもハウスメーカーによって規格化された部品を使うことで建築費を抑えることができます。
また、ハウスメーカーによって得意な工法や構造が違うので、しっかりハウスメーカーごとの特徴を見極めてアパート建築を始めましょう。
アパート建築における工法や構造については以下の記事で紹介しているので、是非参考にしてみてください。
配棟計画を見直そう
配棟計画を見直して建物の形状を変えると建築費用を抑えられることがあります。
建物の価格は凸凹の多い複雑な形よりシンプルな長方形の形が余計な壁面を使わず、建築費用が低く設定されています。アパートを建築するときはシンプルな形を心がけて設計をや間取りを作り上げることをおすすめします。
また、配棟計画と一緒にアパート建築の流れも確認しておきましょう。
仕上げに費用をかけすぎない
アパート建築費を抑えるには仕上げ工事費を削ることが効果的です。
アパート本体の工事費は躯体工事費が40%、仕上げ工事費が40%、設備工事費が20%が一般的です。仕上げ工事費には外装や内装にかかる仕上げ材やサイディングやタイルを含みます。
光触媒技術や自然・天然素材を使用した仕上げ材を用いると、仕上げ工事費が高くなってしまいます。これらを使用せず少しだけスペックの低い仕上げ材をアパートに用いることで建築費のコストカットにつながります。
建築費以外の費用をカットする
一般的にアパート建築費にかかる税金や諸費用は建築費全体の10%と言われています。税金や所費用は全体の10%とはいえアパート建築にはかなりの費用がかかるため、軽視できません。ここでは、税金や諸費用の抑え方も解説してきます。
軽減することのできる税金
アパート建築で発生する税金は、不動産取得税・印紙税・登録免許税・消費税です。
この中でも不動産取得税は課税標準額を下げることで節税することができます。アパート1室の広さが40㎡~240㎡であることが条件なので、この数値を満たすことができるような間取りを設計しましょう。
アパート建築にかかる税金について下記に記事で詳しく解説しているので、是非参考にしてみてください。
諸費用をコストカット
工事費以外の費用はさまざまで、それぞれをしっかり支払っていかなければなりません。
その中でもアパートローンを組むときには、複数の金融機関のプランを検討しましょう。金融機関によって金利や手数料が変わってくるのでよく確認してローンを組みましょう。
工事費以外の費用は以下の記事を参考にしてみてください。
活用事例:S・ユニヴァリィ ストーン
エリア | 神奈川県 |
土地面積(㎡) | 1066 |
工法 | 重量鉄骨造 |
アパートを建築する可能性が出てきたら、複数の企業の建築費用の見積もりを比較しましょう。
アパートの建築費用は設計や工法によって大きく異なり、企業によって収益が1,000万円以上変わることもあります。
建築費がいくらなら収益性の高いアパート経営ができるのか、気になるところを建築会社に相談してみましょう。
イエウール土地活用なら土地所在地を入力するだけで複数の大手ハウスメーカーの見積もりを一括請求することができます。
\建築費は?初期費用は?/
アパート建築費用の相場
アパート建築には本体工事費用・付帯工事費・諸経費の3つがかかります。本体工事費には建築資材や壁、外壁、屋根といった資材はもちろん、建築会社の人件費や工事費もここに含まれます。
この本体工事費は以下の式で計算できます。
- 坪単価×延べ床面積=アパート建築費
構造別の費用相場
アパートの構造には木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造(RC造)、鉄筋鉄骨コンクリート造(SRC造)があります。それぞれの構造の平均建築費と坪単価を見ていきましょう。
木造 | 鉄骨造 | RC造 | SRC造 | |
---|---|---|---|---|
平均建築費 | 2,097万円 | 9,522万円 | 42,828万円 | 95,001万円 |
坪単価 | 56万円 | 76万円 | 94万円 | 120万円 |
参考:建築着工統計調査
建築費用の内訳
アパート建築費にはさまざまな種類の費用がかかり、すべてを把握することは難しいです。
アパート建築費の内訳の一部を紹介しているので確認してきましょう。
資材代
工事費
人件費
地盤改良工事費
外溝工事費
造成費用
電気・ガス・水道の整備費用
仮設工事費
解体費用
アパートローンの手数料
地鎮祭や竣工式といった祭典費
税金
工事中にトラブルが起きた際の対応費用
広告や看板の作成・設置費用
登記費用
保険料
多くの利益の出すためのアパート建築
アパート建築費を抑えてアパート建築を始めることは大切ですが、それよりもアパート経営で多くの利益を出す方が大切です。
利益の出るアパートを建築するためには事業性やターゲット選定、入居者ニーズを念頭に置いてアパートを設計する必要があります。それぞれのポイントを解説しているので、是非参考にしてみてください。
事業性を確認しよう
アパート建築を始める前に事業性をしっかり検証しましょう。
事業性の検証とはその土地は本当にアパート経営に向いているのかということで、立地条件・将来性・近隣動向・次世代へのバトンタッチ・事業採算などの項目を検証する必要があります。
アパート経営は少なくとも25年以上続く、とても長い事業です。営業マンに進められたとおりにアパート建築を始めてしまうと、空室に悩まされ失敗物件の対策に苦しむことなる可能性があります。アパート経営に失敗しないためにも、自分が納得いくまでマーケティングを行いましょう。
ターゲットを見極めよう
事業性の確認が取れたら次にターゲット(実際に住んでもらう入居者像)を絞りましょう。
ターゲットを絞るにはその地域の世帯ニーズを把握する必要があります。その土地にはファミリーが多いのか、それとも学生や単身者が多いのかなどさまざまなニーズがあります。
地域の世帯ニーズを把握するには各自治体が発表している世帯別の人口動態資料を参考にすることをおすすめします。
またターゲットを絞るために、その土地の周囲の環境を調査するロケーション調査も欠かせません。これらの調査を通じて、単身・ファミリーといった区分ごとの世代別入居者ニーズを確認できればアパート経営で多くの利益を出すことができます。
入居者ニーズを捉える
ターゲットが絞られてきたら、次はそのターゲットが何を求めているのかという入居者ニーズを把握する必要があります。
入居者ニーズは世代別・男女別に把握する必要があります。その絞りこんだニーズをもとに確保すべき部屋の広さ・間取り・収納・設備・賃料を決定しましょう。
入居者ニーズはさまざまなニーズごとに検討する必要がありますが、特に女性のニーズに注目してニーズを検討しましょう。住宅に関する予算が男性より女性の方が約5000円も多くなっているデータがあることから、女性のニーズを意識すべきだといえます。
また女性のニーズを検討するときには、安全・安心・癒しの3点を意識してみてください。この3点を網羅したニーズにあった間取りや設備を提供することができれば、アパート経営で多くの利益を出すことができるでしょう。
アパート建築は低コストで高品質なものを
これまでアパート建築の抑え方やアパート建築費の相場を解説してきました。しかし、アパート建築で一番大切なことは入居者ニーズをとらえたアパートを建築し、アパート経営を成功させることです。
あまりに建築費を削りすぎてしまうとアパートの品質が保てなくなり、すぐに修繕やリフォームが必要になる可能性があります。
もちろん建築費用を抑えることも大切ですが、より多くの利益が出るようなアパートを建築できるよう準備を進めていきましょう。
また、土地の広さや階層ごとのアパート建築費について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。