「アパートを建築すると節税になるって聞くけどどういうこと?」、「アパート建築で相続税を節税したいけど本当にできるのか不安…」。
アパート建築によって、相続税をはじめとしたいくつかの税金を節税することができる点は確かです。しかし、節税できるとはどのようなカラクリなのでしょうか。
本記事では、アパート建築によって節税できる仕組みとその注意点等について詳しく解説しています。
アパート経営の基礎知識を知りたい方は下記の記事がオススメです。
アパートの建築が節税になる仕組み
アパート建築によって節税できる税金は以下の通りです。
- 相続税
- 固定資産税
- 都市計画税
ここでは、アパートを建てることによってこれらの税金が節税になる仕組みついて詳しくご紹介します。
相続税
相続税は、現金や不動産などにかかる税金ですが、不動産に変えると現金で相続するよりも節税することができます。
また、既に土地を持っている方は土地に建物を建てることによって土地にかかる相続税を節税することが可能です。
つまり、土地を持っている方であれば更地と現金を相続するときよりも、現金をアパートに変えた方が相続税を節税することができるということです。
まず、建物にかかる相続税を節税できる仕組みについて簡単に表すと以下の通りです。
- 土地にアパートを建築する
- アパートに建築価格の50%程の固定資産税評価額がかかる
- 現金よりも評価額が下がり相続税を節税できる
次に、土地にかかる相続税が節税できる仕組みについて簡単に表すと以下の通りです。
- 土地にアパートを建築する
- 土地が貸家建付け地になる
- 土地評価額が20%減になり相続税評価額が下がる
- 土地にかかる相続税を節税できる
いずれも、評価額を下げることによって相続税の節税につながっていることが分かるかと思います。
建物と土地それぞれにかかる相続税を計算するためには、建物の相続税評価額と土地の相続税評価額をそれぞれ計算する必要があり、やや複雑なためしっかりと理解することが大切です。
次項では、この仕組みについての詳細と評価額の計算方法について詳しく解説します。
建物にかかる相続税について
建物(今回の場合はアパート)にかかる相続税では、建物評価額を計算し求めます。そして、建物評価額はアパート建築費の50%程です。
つまり、現金を相続するよりも、現金を建築費としてアパートを建てることによって相続税を半分も節税可能です。
建物にかかる相続税を求める計算式は以下の通りです。
- 建物の固定資産税評価額 × (1 – 貸家権割合 × 賃貸割合)
貸家権割合は、全国一律30%です。
注意点は、賃貸割合はアパートの入居率によって変化するということです。満室経営であれば、賃貸割合が100%となるためより節税効果に期待することができます。
アパート建築費シュミレーター
新築アパートを建築する際は、アパート本体(躯体)、仕上げ、設備それぞれに建築費用がかかってきます。
試算条件を入力していただくと過去の建築事例をもとに、建築する際の概算費用を試算することができます。
試算条件を入力し、「この条件でシュミレーションする」をクリックしてください。 予想建築費が、画面下部に表示されます。
坪数
坪
建ぺい率
%
容積率
%
未記入(不明)の場合は建ぺい率60%、容積率200%で自動試算
土地所在地
構造
坪単価
万円
<参考>構造別坪単価
木造 : 坪単価 73万円
軽量鉄骨造 : 坪単価 125万円
重量鉄骨造 : 坪単価 108万円
鉄筋コンクリート造 : 坪単価 108万円
予想建築費 万円
内訳
(坪数 × 建ぺい率 × 容積率) × 構造別の坪単価*1 = 予想建築費
*1 構造別の坪単価は、建築着工統計調査 住宅着工統計 第34表中の 「共同住宅」における「工事予定額」に基づいています。
- 本当にシュミレーション通りの建築費用で建てられるかな?
実際の建築費用の見積もりは坪数やアパートの材質だけでなく、建築会社の工法や設備のグレードによって大きく変動します。
建築費用の見積もりをとる際は、複数の建築会社で相見積もりをおこなって比較・検討をしましょう。
イエウール土地活用なら、 最大で10社の建築費の見積もりを一括請求 することができます。
土地にかかる相続税について
土地にかかる相続税は、土地評価額を計算し求めます。そして、土地が貸家建付け地となっている場合は、土地評価額が20%減になります。
貸家建付け地とすることで、土地にかかる相続税を20%分節税することができるのです。
貸家建付け地とは、アパートなど賃貸目的として建物が建っている土地のことをいいます。もちろん、アパートも対象です。
まとめると、更地のまま土地を相続するとその評価額は100%であるが、アパート建築によって土地が貸家建付け地に変わり、土地評価額が20%減るため相続税の節税ができる、と理解しておくと考えやすいかと思います。
貸家建付け地である土地にかかる相続税を求める計算式は以下の通りです。
- (更地の評価額 × 0.8)×(1 – 借地権割合 × 貸家割合 × 賃貸割合)
更地の評価額は、国税庁から出ている路線価図にて確認できます。
固定資産税
アパート建築によって、土地にかかる固定資産税を節税できる仕組みについて簡単に表すと以下の通りです。
- 土地にアパートを建築する
- 土地が住宅用地の特例を受ける
- 標準評価額が変わり固定資産税が節税できる
土地にかかる固定資産税は、標準評価額をもとに計算されます。そして、土地が住宅用地の特例を受けることで標準評価額は1/6になります。
固定資産税が1/6になることから、かなりの節税になります。
住宅用地の特例は、アパートなど居住用の建物が建っている土地のことをいいます。いわば、貸家建付け地の固定資産税バージョンといえるでしょう。
更地の土地と、住宅用地の特例を受けた土地の固定資産税を求める計算式は以下の通りです。
- 更地の土地 = 標準評価額 × 1.4%
- 住宅用地の特例を受けた土地 = (標準評価額×1/6) × 1.4%
1.4%とは固定資産税における税率のことで、全国一律です。
都市計画税
都市計画税も固定資産税と同じく、住宅用地の特例を受けることでアパート建築による節税が可能です。
節税できる仕組みは固定資産税と変わりませんが、引き下げ率が1/3となり固定資産税に比べ低くなっています。
更地の土地と、住宅用地の特例を受けた土地の都市計画税を求める計算式は以下の通りです。
- 更地の土地 = 標準評価額 × 0.3%
- 住宅用地の特例を受けた土地 = (標準評価額×1/3) × 0.3%
0.3%とは都市計画税における税率のことで、全国一律です。
\建築費は?初期費用は?/
活用事例:ビーバーテラス小畑町Ⅱ
アパート建築で節税を行うときの注意点
満室経営を維持できるようにする
アパート建築によって相続税対策を行うのであれば、その相続税の節税効果を最大限に発揮させるために空室率を0にしておきたいところです。
建物の相続税評価額を算出するためには、賃貸割合を考慮するため満室(100%)となればその分相続税を節税することができます。
例えば、土地が3000万円、アパート建築費が4000万円で賃貸割合が80%の節税効果は1480万円ですが、賃貸割合が100%の場合は1600万円になります。その差額は120万円と大きな差です。
このように、満室経営を行うことにより相続税対策の効果がさらに期待できます。
収支計画を十分に練る
アパート建築を行う際には、十分な収支計画を行うことも重要です。
特に相続税を節税できることが大きなメリットとなるアパート建築ですが、その建築や維持管理には様々なコストがかかります。
相続税対策としてアパートを建築したのに、その初期費用や維持管理費で赤字となってしまっては本末転倒です。
アパートを建てる前には、建築費や維持管理にかかる費用について見積もりをとり、自己資金やローンとの兼ね合いを考える必要があります。収支計画に関してはパートナー会社が行ってくれますので、疑問点などがあれば都度担当者に確認をしましょう。
必ず複数の建築プランを比較検討する
アパート建築を行う際には必ずいくつかの会社に相談をし、複数のプランを比較検討するようにしましょう。
会社によって得意なアパート構造や作成する収支計画などが異なります。そのため、複数のプランを手元に用意しておくことによってより良いプランを選ぶことができます。
相続税対策を目的とする場合、その旨を担当者に伝えておくことにより相続税対策を考慮したプランを作成してくれる可能性がありますので、忘れずに伝えておきましょう。
複数のプランを請求するには、いくつかの会社に足を運ぶ必要があります。しかし、時間の無い方など複数の会社に相談するのが難しい方にとってはハードルが高いです。
そこで検討したい方法は、土地活用比較サイトを使うことです。
数ある土地活用比較サイトのなかでもおすすめなのは、日本でも最大級のイエウール土地活用です。全て無料で使うことができ、最短5分の情報入力で一度に複数の会社から資料請求を行うことができます。
相続税対策としてアパート建築をお考えの方は、ぜひ使ってみてください。
アパート建築後に節税できる税金はコレ!
ここでは、アパート建築後のアパート経営で節税できる税金についてご紹介します。
所得税
アパート経営をすると、所得税を節税することができます。これは、損益通算を利用することができるためです。
損益通算とは、発生した赤字を他の所得にぶつけることで総所得を減らすことができる制度であり、サラリーマン大家など所得が複数ある方にとって大きなメリットとなります。
所得税は複数の収入源がある場合、それらを合算した総所得に対してかかります。アパート経営においては、年間の家賃収入から経費を引いたものが所得です。
そのため、アパートを建築した年や修繕費が多くかかった年は収支がマイナスになるケースもあります。
つまり、アパート経営によって発生したマイナスの不動産所得を給与所得にぶつけることで、給与所得のみの場合に比べ所得が少なくなることから所得税を節税できるということです。
住民税
住民税も所得税と同じく所得をもとに計算するため、損益通算を行うことで節税することができます。
住民税は、市区町村税が6%に加え都道府県税が4%と合わせて全国一律10%かかります。
損益通算によって所得を減らすことができるよう、経費計上や減価償却などを行い不動産所得をマイナスにすることがカギとなります。
アパート建築で節税するときは経営収支もカギになる
大幅な相続税対策と同時に収益を得ることができるアパート経営は非常に魅力的です。しかし、アパート建築やその経営にはコストやリスクがあります。
特に、建築費や維持管理費と自己資金およびローンのバランスに関しては綿密な収支計画を作成し安定したアパート経営を行うようにしましょう。
記事のおさらい