田園住居地域とはどのような区分?おすすめの土地活用法まで解説

田園住居地域とはどのような区分?おすすめの土地活用法まで解説

土地を所有している場合、何かに活用しようと考える人も多いでしょう。土地があるから自分が建てたいものを建ててよいかというとそうではありません。実は土地には利用できる範囲が決まっているのです。これを用途地域と呼ぶことがあります。

用途地域によって建てることができる建築物が制限されるのが一般的です。ここでは用途地域のなかでも理解が難しい田園住居地域について詳しく解説します。自分が所有している土地が田園住居地域に指定されている場合にはどのような土地活用が可能なのでしょうか。

田園住居地域について解説するとともに利用可能な土地活用の方法について解説しますので参考にしてください。

最適な土地活用のプランって?
STEP1
土地の有無
STEP2
都道府県
STEP3
市区町村

都市計画調整区域での土地活用に興味がある場合にはこちらの記事もおすすめです。

田園住居地域の基本

まずは田園住居地域がどのようなエリアになるのかについて解説します。田園住居地域にかけられている建築規制や開発規制、税制措置について理解しておきましょう。

生産緑地の問題対策で生まれた区分

2018年まで用途地域は12種類でした。田園住居地域は2018年4月に新く追加された13番目のエリアです。なぜ新しい用途地域が追加されたのでしょう。これには生産緑地の2022年問題が大きく関係しているといわれています。

生産緑地の2022年問題は、簡単に説明すると都市農地の売却問題です。1992年に生産緑地法が制定され、都市農地は30年の期限付きで固定資産税や相続税の優遇を受けることができていました。この期限が切れるのが2022年になります。

優遇が受けられなくなった農地の所有者が2022年に一斉に農地を売却するのではないかと懸念されているのが現状ということになります。生産緑地法はバブル時代に地価が高騰したことで都市部での農地の固定資産税負担が大きくなったことで制定されました。

宅地にすることで最大で6分の1の軽減措置を受けられるため、緑地を宅地に転用するケースが増加したのです。これを食い止めるために制定されたのが生産緑地法です。

一時的に都市部に緑地は戻りましたが、2022年にはこの期限が切れるため売却を食い止めようとための施策として2018年に新しく田園住居地域が追加されたという背景があります。

田園住居地域での建築の規制

田園住居地域に建てられる建物は次のとおりです。

  • 店舗
  • 文教施設
  • 医療施設
  • 高齢者向け施設
  • 倉庫
  • 工場

住宅は2階建てまでの制限がかけられています。店舗についても高さ10メートルの制限があるため基本的には2階建てまでの建物となるでしょう。さらに業態については日用品販売、喫茶店、理髪店など建てられるものに限定されているため注意が必要です。

床面積によっては農産物直売所、農家レストランの建設は可能となっています。さらに文教施設としては幼稚園、小中高までは建築できますが専門学校や大学は建築不可です。医療施設については病院は建築不可となっています。

倉庫は農作物や農薬を保管するためのなら建築可能です。車庫であれば600平方メートル以内なら問題ありません。さらに工場は農産物に関連したものに限られています。

田園住居地域での開発の規制

田園住居地域にある土地は開発する場合も規制がかかります。たとえば土地活用でよくあるアパートやマンションの経営を行いたい場合も規制の対象となるのです。いわゆる農地以外のものに用途を変更しようとしている場合には市町村長の許可が必要になります。

さらに周辺の環境をいちじるしく変化させる可能性がある300平方メートル以上の開発をしたいというケースは原則不許可のため諦めなくてはならないこともあるでしょう。

田園住居地域の税制措置

田園住居地域では規制がかかるばかりではなく、税に関する優遇措置を受けることが可能です。300平方メートルを超える市街化区域農地であれば固定資産税が2分の1に減税されます。

さらに相続税、贈与税、不動産取得税に関しても納税の猶予がある点も理解しておきましょう。

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田園住居地域での開発許可の申請方法

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田園住居地域の土地を活用して何かをスタートしたい場合にはケースによっては開発許可をもらう必要があります。ここからは田園住居地域で開発許可をもらうための申請方法について解説します。

開発のため用意するべき書類

開発の申請を行うためにはいくつかの書類を用意する必要があります。具体的には次のとおりです。

  • 開発許可申請書

  • 委任状

  • 提出書類一覧

  • 公共施設の管理者の同意、協議書

  • 土地・建物・工作物の権利者の同意書

  • 土地・建物・工作物の権利者で開発行為に同意した者の印鑑登録証明

  • 予定建築物概要書

  • 設計説明書

  • 資金計画書

  • 残高証明書

  • 融資証明書

  • 申請者の業務経歴書

  • 申請書の前年度の納税証明書

  • 工事施工者の建設機械目録

  • 技術者名簿および工事経歴書

  • 建設業許可証明書

  • 設計者の資格に関する書類

基本的にはこのようなたくさんの書類が必要となります。書類によっては写しでも問題ないものと原本が必要になるものがあるため注意が必要です。

申請は開発したい土地がある自治体

では申請を行う場合にはどこに書類を提出すればよいのでしょうか。開発申請の窓口は市町村によって異なります。名称も各自治体で異なるため注意が必要です。

確認方法としては各自治体の公式ホームページなどを調べる方法が確実といえます。そこに必要書類が記載されていることもあるためしっかりおさえておきましょう。

開発許可が下りる期間の目安

開発申請を行なってから許可が下りるまではスムーズに行けば2、3週間ほどとされています。ただしこれも自治体によって異なるため事前におおよその目安を確認しておくとよいでしょう。広い土地の場合には期間が長くなる可能性があることも理解しておくことが必要です。

スムーズな申請のため専門家に依頼

開発申請をスムーズに行うためには申請書類を不備なく提出することも大切です。多くの書類を提出する必要があるため書類を用意するだけでもかなりの時間が必要となります。初心者が自分だけで申請手続きを行う場合にはトータルするとかなりの時間と労力を要することを理解しておきましょう。

ここであまり時間をかけたくないという人には専門家の力を借りることをおすすめします。司法書士や申請代行サービスなどを利用すれば申請書類の準備などがスムーズに進むでしょう。知識を持っている人であれば書類の書き方や申請がとおりやすくなる方法などもアドバイスしてもらえます。

土地活用をサポートしている業者でも開発申請の全般的なサポートをしてくれるところがありますので利用してみるのもひとつです。いずれにしても自分だけでなく専門的な知識のある人にサポートしてもらうことで申請をスムーズに進めていきましょう。

土地が田園住居地域かを確認する方法

不動産査定について

自分が所有している土地がどのような用途地域であるのかはしっかり確認しておく必要があります。たとえば相続した土地であれば状況がよくわからないままで引き継いだという人もいるでしょう。ここでは所有してる土地が田園住居地域かを確認する方法について解説します。

土地がある自治体で用途地域を閲覧

所有している土地の用途地域を確認するには役所に出向いて用途地域が記載されたファイルを閲覧する方法があります。閲覧は無料です。役所の窓口は各自治体で異なるため土地がある自治体の窓口がどこになるのかを事前に調べておきましょう。または役所の案内所で確認する方法もあります。

地域によっては閲覧コーナーや閲覧機を用意していることもあるでしょう。電話で確認することが可能な自治体もあります。さらには用途地域が指定された都市計画図を販売しているところもあるでしょう。必要であれば購入して自宅でしっかり確認することもできます。

自治体の公式HPで確認

自治体の窓口で直接確認する以外に自治体の公式ホームページで確認するという方法もひとつです。自治体によっては用途地域が簡単に確認できる専用のサイトを構築しているところもあります。こうしたサイトがあれば役所に出向くことなく自宅で用途地域の確認が可能です。

たとえば大阪では大阪市のエリア別に用途地域が簡単に検索できる「マップナビ大阪」を公開しています。これにより調べたいときに簡単に自分が所有している土地の用途地域を知ることが可能です。さらに遠方に住んでいて大阪に土地を所有している場合も簡単に調べることができる点もメリットといえます。

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田園住居地域のおすすめ土地活用3選

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田園住居地域に指定されている土地を所有している場合、土地活用をするとなるとどのような方法を考えることができるのでしょうか。開発や建築に制限があるため、これらをしっかり理解してから活用方法を検討することが必要です。ここでは田園地域でおすすめの土地活用を3パターン紹介します。

敷地内で直売所や農家レストランの経営

田園住宅地域では店舗を建てる場合の制限として面積150平方メートル以下にすることが定められています。ただし、農産物直売所や農業レストランを開業する場合に限り500平方メートルまで建築可能となっている点に注目しましょう。

500平方メートルまでという制限はあるものの、通常よりも広めの店舗を建築することが可能であるため事業計画も立てやすくなるでしょう。農作物を生産するだけではなく生産した農作物を多角的に活用する事業展開にも期待が持てます。

直売所であれば自分が生産した農作物を新鮮な状態で販売することが可能です。自分が農業をしていない場合でも近隣の農家と提携すれば事業展開はできるでしょう。さらに地元の農作物を利用した地産地消のレストランを経営すれば地域貢献にもなると考えられます。

余裕があるならの農業を継続

自分の時間や仕事に余裕があるのであれば農業をするのもひとつです。そもそも田園居住地域は農業を促進するためのエリアであるため、特定生産緑地に認定されれば税の優遇を受けることが可能となります。

生産緑地法では2020年に税の優遇が期限を迎えるとされていますが、2022年以降も農業を継続する場合に限っては税制優遇を引き続き受けることが可能となっています。固定資産税や相続税の優遇を10年間延長することが可能であるため農業を継続することも検討材料のひとつに加えてみましょう。

ただしこれにはデメリットもあるためこの点もよく理解してから決断することをおすすめします。デメリットとは、税の優遇を受けるためには農業を継続していなければならないという点です。たとえばなにかしらの問題で農業の継続が難しくなると優遇を受けられなくなります。

優遇が受けられなくなるだけでなく、途中で営農を放棄したとなると固定資産税や相続税がさかのぼって課税されることになる点には注意が必要です。農業を長く続けることができるという場合には節税という点でもおすすめの土地活用方法ですが、デメリットには留意する必要があります。

周囲の環境に合わせた駐車場経営

田園住居地域でも駐車場経営は可能です。ただし周囲の環境に配慮する必要はあります。田園住居地域の土地に建物を建てる場合には制限がかかりますが駐車場の場合は建物を建てる必要がないため建築制限については気にする必要がない点はメリットといえるでしょう。

ただし開発に関しては制限があるため開発申請が必要になるかどうかについては事前にしっかり確認する必要があります。

駐車場経営を検討する場合は周辺のニーズにあわせて用途を変えることが成功の秘訣です。たとえば住宅街であるなら月極駐車場のほうがニーズが高いでしょう。月極駐車場の経営方法には3パターンがあるため自分の状況にあわせた経営方法を選択することも大切です。

1つが完全自己経営です。駐車場の利用者の募集から賃料の回収までをすべて自分で行うのがこのパターンになります。この場合は維持管理費以外の報酬は自分の手元に残るため収益が高い点がメリットです。

2つ目は管理委託方式になります。利用者の募集や賃料の回収などを業者に委託する方法です。手数料を支払う必要があるため報酬は減りますが、トラブル対応も委託できることが多いためこの点はメリットといえるでしょう。

3つ目は一括借上方式です。これも業者との契約になります。ただし、業者に一括で借り上げてもらうことで、駐車場が満車でも空車でも毎月一定額の報酬を得ることが可能です。月の報酬が変動しないため安定収入を求める人にはメリットが大きい方法といえるでしょう。ただし管理費は高額になる点に注意が必要です。

商業施設が近くにある土地の場合はコインパーキング経営がおすすめになります。コインパーキングの場合は、精算機などの機器類の管理が必要になるため個人で経営をすべて行うことが難しいパターンがほとんどです。

業者と委託契約を交わして経営を任せる方法が無難になります。設備投資から業者に委託する場合を土地賃貸方式と呼び、月極駐車場と同様に業者にすべての管理を委託する代わりに毎月一定の報酬を支払います。安定収入が得られる代わりにリターンが少ないという点を理解して利用することが必要となる方法です。

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活用しない田園住居地域を売却するコツ

マンションから住み替える

田園住居地域に土地を所有しているけれどとくに活用する気持ちもないという人もいるでしょう。この場合には土地を売却して利益を得るということも検討してみるとよいでしょう。ここからは活用しない田園住居地域を売却するためのコツについて解説します。

最新の相場で土地を売りに出す

土地を売却する場合に重要となるのが最新の相場です。自分がこの価格で売りたいという希望価格を持っていたとしてもその価格が相場にそぐわない価格であった場合には売れ残る可能性が高くなります。また相場よりも安い価格に設定してしまうと損をすることもあるでしょう。

これは田園住居地域であっても変わりないポイントです。田園住居地域の土地を売却する場合もしっかりと相場を把握しておくことが必要となります。

最新の相場を確認するには土地活用プラン比較サイトの利用がおすすめです。土地活用プラン比較サイトでは自分が所有している土地の価格を一度に複数社が査定してくれます、自宅にいながら時間を気にせずにまとめて査定依頼ができるため時短にもなるでしょう。

複数社から査定額を出してもらったら比較して相場を把握しましょう。これらを参考に売り出し価格を設定すれば失敗なく土地の売却を進めることができます。

売却を依頼する不動産会社を厳選する

土地の売却は個人で行うのが難しいものです。個人間売買はできないことはありません。ただし契約など専門的な知識を必要とする場面でトラブルになると処置が大変になる可能性はゼロではないため売却では専門家に相談することをおすすめします。

土地売却の相談先としては不動産会社が適切です。売却に関しては媒介契約を交わして大半を不動産会社に委託することでスムーズな売却を行うことができるでしょう。媒介契約を結ぶ前には相談する不動産会社を厳選することが大切です。

不動産会社については全国に数多く存在しているためどこを選べばよいか迷ってしまう人も多いでしょう。不動産会社を選ぶ基準としては大手であり知名度が高い点を優先する人もいます。ただし、大手だからといって必ずしも自分が所有している土地の売却がうまくいくとは限りません。

不動産会社には得意不得意な分野があります。そのため、選択基準としては大手、中小という基準ではなく実績を重視することをおすすめします。

地域に密着している中小企業のほうが地元のことを知り尽くしていて売却の実績が多いことは多々あるでしょう。土地は土地感がありどのような広告を打ち出せば買い手が興味を持つかがわかっている不動産会社に任せることでスムーズに売却できる可能性が高くなります。

さらには担当者との相性も重要なポイントです。いくら実績のある不動産会社でも担当してくれる人に知識がなかったりやる気がなければ売却が行き詰まる可能性があります。

実績のある不動産会社で専門性の高い担当者に売却が依頼できるように厳選していくことが土地売却では重要なポイントとなるでしょう。

早く売却したいなら買取も視野に入れる

できるだけ早く土地を手放したいという人もいるでしょう。売却の場合は不動産会社と媒介契約を結んでから売却活動がスタートします。おおよその目安で早くて3カ月で売却できますが、場合によっては半年から1年ほどかかるケースもあるでしょう。

このように売却ではいつ売れるかがわからない点が不安材料になることも多くあります。早く手放したい人にとってはこの点がデメリットになることもあるでしょう。

そこでおすすめなのが買取です。土地の買取は、不動産会社が直接土地を購入してくれるシステムになります。買主を探す手間がなく、早ければ買取が決定してから1週間ほどで契約が成立します。

いつ売れるかわからない不安な期間を過ごすのが嫌だ、できるだけ早く手放したい事情がある、こうした状況の人にとっては買取を利用するメリットは大きいでしょう。

ただし買取の場合は素早く現金化できる一方で売却よりも2、3割価格が安くなるという点は理解しておきましょう。少し安くなってもよいから早く手放したい場合には買取の利用も視野に入れてみることをおすすめします。

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田園住居地域を有効活用して資産を無駄にしない

譲渡所得税を払う流れ

田園住居地域に土地を所有している場合、建築や開発に制限がかかりますが放置しているよりもうまく活用すれば利益を得ることができるでしょう。資産を無駄にしないためにも適切な方法を知って、土地を活用していくことを検討してみましょう。

田園住居地域でも土地を活用することは可能です。周辺環境をよく把握して利益を得られる土地活用を進めましょう。専門家に相談することでより効率的に活用を進めることができます。

活用するつもりのない土地であれば遊休状態にしておくよりは思い切って売却して利益を得るという方法もあります。買取を利用する方法もあるため、さまざまなケースをシミュレーションして有効な方法を選択するようにしましょう。

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