サ高住で補助金を申請するための要件とは|手続きの流れも解説します

サ高住で補助金を申請するための要件とは|手続きの流れも解説します

サ高住では、建築費や改修費について補助金を適用させることができます。しかし、申請を行うためには条件があるため、サ高住経営について検討されているなら事前の情報収集が大切です。

本記事では、「サ高住経営をしたいけど、どうすれば補助金を受けられるのか分からない」と不安に思われている方に向け、補助金適用を受けられる要件や流れなどについて詳しくご紹介しています。

サ高住経営について詳しくは、以下の記事をご覧ください。

サ高住経営とは?老人ホームとの違いや経営方式について解説します

  1. ざっくり知りたい方は動画をご覧ください

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サ高住で補助金を適用させるための要件

サ高住で補助金を適用させるための条件

サ高住経営で補助金を適用させるためには、サ高住としての登録要件と、補助金申請の要件の2つを満たす必要があります。

ここでは、これら2つの要件について詳しくご紹介します。

サ高住の登録基準

サ高住経営で補助金を適用させるためには、当たり前ですがサ高住として認められる建物を建てる必要があります。

以下の表は、サ高住として認められるための登録基準についてまとめたものです。

条件
建物原則各戸が25㎡以上であること
トイレ・洗面の設置等一定の基準を満たすこと
建物がバリアフリー構造となっていること
サービス内容安否確認サービスと生活相談サービスを提供すること
契約内容事業者側からの一方的な契約解除ができないなど居住の長期安定が約束されている契約であること
前払家賃等の返還ルール及び保全措置が講じられていること

<参考>[国土交通省]:[サービス付き高齢者向け住宅]

建物設計や建設については建築業者など外部に委託する場合は、こちらの登録基準については問題なく満たせるかと思います。

続いて補助金申請の要件ですが、こちらは経営側で把握しておくべき重要な点があるのでしっかりと把握しておきましょう。

老人ホームの建築要件について詳しくは、以下の記事をご覧ください。

老人ホーム経営は儲からない!?収支の内訳や収支例を徹底解説!

補助金申請の要件

サ高住の補助金は、登録基準を満たすだけでは申請することができません。

補助金を申請するための要件が別であるため、こちらについてもしっかりと確認し準備しておくことが大切です。
以下で、補助金申請を行うための条件をまとめました。

  • サ高住として登録された住宅であること
  • サ高住として10年以上登録・運営するものであること
  • 入居者が支払う家賃が近隣同業種の相場を逸していないこと
  • 事業に要する資金の調達が確実であること
  • 家賃を前払いに限定していない
  • 地元市区町村のまちづくりに支障を及ぼさないと認められこと
  • 改修を行う場合は、3つの要件を全て満たすものであること※
  • サ高住の入居者が任意の事業者による介護サービスを選択して利用できること
  • 介護サービス等の内容を公開し情報の更新を行うこと
  • サ高住の運営事業者が守るべき事項である3点を遵守する旨を宣誓すること
  • サブリース契約の場合は、契約内容の重要事項の説明を受け書面の交付を行い、重要事項説明書と特定賃貸借契約書の写しを提出すること
  • サ高住の立地は、土砂災害特別警戒区域に該当しないこと
  • 地方公共団体から応急仮設住宅又は福祉避難所としての利用について要請があった場合に協議に応運営上支障がある等の特別な理由がある場合を除き要配慮者を受け入れること
  • 家賃の限度額が所在市区町村に応じて設定した額であること
  • 入居者の要介護状態区分に応じて家賃等が設定されていないこと
<参考>[サービス付き高齢者向け住宅整備事業]:[交付申請要領(令和3年12月)]

※について、3つの要件とは以下のようなものです。

1. 改修工事の実施について入居者の同意を得ていること。
2. 改修を行う住宅等が、1981年6月1日以降に着工した建築物であること。
3. 改修を行う既存の住宅等は、築1年以上の建築物であること。

サ高住で補助金を受けるには、これら要件を全て満たすことが必要です。そのため、サ高住の建築前後や補助金申請前に。一度確認しておくことをおすすめします。

補助金の対象外となるケース

サ高住の登録基準、補助金申請要件を満たしていても、補助金を受けられないケースがあります。
補助金の保証対象外となるケースは、以下に当てはまるときです。

  • ひと月あたり30万円以上/戸のサ高住
  • 事業目的達成に必要ない、または関係のない設備投資

事業目的と関係のない設備投資とは、例えば外観の装飾などが上げられるでしょう。

ただし、事業目的かどうかは地方自治体の判断によりますので、特に改修工事などを行う場合は工事範囲や追加設備などに注意して下さい。


サ高住経営を土地活用として検討されているなら、実際に建築プランや収支プランを確認することをおすすめします。
イエウール土地活用なら、複数企業から土地活用プランを取り寄せ、比較することが可能です。

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サ高住で補助金を申請する流れ

ここでは、補助金を申請する際の流れについてご紹介します。

① : 自治体へ登録申請を行う

サ高住で補助金を申請するにあたり、まずは各都道府県や政令市などにサ高住の登録を申請する必要があります。

登録申請は窓口で行うため、事前に必要書類などについて確認し必要事項を記入しておきます。
ただし、都道府県によって独自の登録基準や必要書類が違う可能性もありますので、注意してください。登録基準や必要書類については、窓口での確認が確実です。

登録申請を行うと審査がなされ、問題なければ登録通知が発出されます。

② : サ高住事務局に交付申請書を提出する

登録通知が発出されたら、サ高住の事務局へ交付申請を行います。

交付申請は書類で行いますが、添付書類の一つに登録通知書が必要になるので忘れないように注意しましょう。
登録通知書は、登録通知が発出された段階で受け取ることができるものです。

交付申請後は審査が行われ、事業についての審査が行われます。審査が完了し問題がなければ交付決定通知が発出され、事業着手となります。

交付決定通知が発出されるまで事業に着手することができませんで注意してください。

③ : 事業に着手する

交付決定通知書が出されたら、事業着手となります。

サ高住の建設や改修工事を行う間にも、サ高住事務局との間で事業スケジュールの報告や完了実績報告の事前相談といった連絡が発生します。

④ : 完了実績報告書の提出を行う

サ高住の建設や改修工事が終ったら、サ高住事務局に完了実績報告書を提出します。

報告について審査され、問題なければ補助金支払いの準備が行われます。

⑤ : 補助金額確定通知書の発出・補助金の支払い

完了実績報告書の提出から1~2週間後に補助金額確定通知書が発出されます。

補助金が支払われるのは、補助金額確定通知書の発出からおよそ2か月後となります。登録した口座に振り込まれますので、金額に間違いがないか確認しておきましょう。

申請に必要な書類

上でご紹介した各申請では、必要な書類や別途添付する必要があるものがあります。

まず、必須書類については次の通りです。

  • サービス付き高齢者向け住宅整備事業交付申請書
  • 交付申請書
  • サービス付き高齢者向け住宅の登録内容
  • 事業概要事業費および補助要望額
  • 要件への適合等
  • 近傍同種家賃との均衡
  • 補助金交付に係る確認書
  • 印鑑証明書
  • 委任状(申請者が本人の場合は不要)

次に、添付書類は次の通りです。

  • サービス付き高齢者向け住宅登録通知の写し
  • サービス付き高齢者向け住宅事業登録申請書の写し
  • 申請建物の配置図・案内図
  • 土砂災害特別警戒区域と建設地の関係がわかる資料
  • 申請建物の平面図
  • 住戸タイプごとの平面詳細図
  • 用途別求積図・面積表
  • 按分面積表
  • 工事費内訳書
  • 建設工事発注先の妥当性説明書
  • 事業費総括表
  • 需要予測表
  • 地域との連携計画書
  • 融資の内諾を証する書面の写し
  • 意見聴取に対する回答書の写しと意見聴取申請書の写し
  • 賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律に関する報告書
  • その他に事務局が求める書類

このように、申請には多様な書類が必要となります。必要書類は一度提出すると返却されないものが大半であるため、コピーを取っておくとよいでしょう。

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活用事例:活用法を明確化し、 地域貢献と 長期安定経営を両立。

エリア千葉県
土地面積(㎡)2569
延べ床面積(㎡)2292
工法重量鉄骨造
以前の相続で苦労されたことがあったオーナー様。相続対策として、色々な業者から提案があったものの、どのように敷地を活用すれば良いか不明瞭なままでした。

そこで、ミサワホームでは「10の資産活用」をご説明し、土地の色分けからスタート。さらにミサワホームグループの介護実績を評価いただき、地域貢献できるサービス付き高齢者向け住宅を建築することに決定しました。

オーナー様のご希望で、落ち着いた雰囲気にこだわり、残した園芸用地は入居者の借景になるように配慮。敷地内にはポケットパークや、バーベキューテラスを設けるなど、入居者が楽しく過ごせる住宅が完成しました。(ミサワホーム株式会社の土地活用事例)

サ高住の補助金額

サ高住の補助金額

ここでは、サ高住経営における補助金の限度額についてご説明します。

新築における補助金の限度額

サ高住の建築に適用される補助金は、建築費の1/10が上限です。

  • 夫婦型サ高住・・・135万円/戸
  • 一般型サ高住(床面積が30㎡以上)・・・135万円/戸
  • 一般型サ高住(床面積が25㎡以上)・・・120万円/戸
  • 一般型サ高住(床面積が25㎡未満)・・・70万円/戸

注意点としては、一般型サ高住で床面積が30㎡以上の場合は135万円/戸の補助金が出ますが、この場合135万円が適用されるのは全戸数の2割が上限となります。2割越えの部分には120万円/戸が適用されることになるため注意しましょう。
なお、夫婦型サ高住の場合は全戸数について135万円/戸が適用されます。

また、補助率と補助金はそれぞれ計算しより少ない金額が補助額として決定されます。

改修工事における補助金の限度額

サ高住の改修工事に適用される補助金は、工事費の1/3が上限です。

  • 既存ストック型サ高住・・・195万円/戸
  • 夫婦型サ高住・・・135万円/戸
  • 一般型サ高住(床面積が30㎡以上)・・・135万円/戸
  • 一般型サ高住(床面積が25㎡以上)・・・120万円/戸
  • 一般型サ高住(床面積が25㎡未満)・・・70万円/戸

また、サ高住経営では、併設施設を新たに設ける場合でも補助金があり、その額は1施設あたり1000万円です。

改修工事における補助金も新築と同じく、補助率と補助金はそれぞれ計算してより少ない金額が補助額となります。


サ高住をはじめとして土地活用を検討されている方は、活用するイメージがうまく湧いていない方もいらっしゃるかと思います。
イエウール土地活用なら、複数企業から土地活用プランを取り寄せ、比較することが可能です。そのため、現実的な見立てを立てられ土地活用の成功にグッと近づくことができるでしょう

\建築費は?初期費用は?/

大手10社の収益プランを比較する
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サ高住経営における3つのリスクと対策

ここでは、サ高住経営でよくあるリスクとその対策について詳しくご紹介します。

収支バランスが崩れやすい

サ高住経営では、需要の増加や介護報酬によって高い利回りに期待することができます。しかし、一方で人件費や設備費なども多くかかります。
また、提供するサービス内容によっても支出は大きく違うため無理のない経営を行うことが大切です。

高利回りのために支出を減らすという選択肢もありますが、サ高住としてのサービスを満足に提供できなくなると入居者が離れていてしまう可能性があり危険です。

サ高住経営では、施設としての魅力と支出のバランスを見極めることが大切です。

入居者の取り合いになりやすい

サ高住をはじめとする介護・福祉施設の需要は伸びています。そのため、サ高住は全国的にその棟数も増加傾向です。

棟数が増えるほど競合するサ高住が増え、利用者の取り合いが利回りの低下につながってしまいます。

競合に負けないためには、経営するサ高住ならでは強みは何かを考える必要があります。
例えば、立地や設備、ケアの手厚さなど独自のアピールポイントを打ち出すことで入居者を維持しやすくなるでしょう。

<参考>[サービス付き高齢者向け住宅情報システム]:[サービス付き高齢者向け住宅登録状況(令和2年2月末時点)]

介護報酬の改定

サ高住を始める介護・福祉施設の特徴として、自治体からの介護報酬が収益となる点が上げられます。
介護報酬の財源は税金ですので、サ高住経営では収益がとても安定しやすいです。

しかし、介護報酬は常に一定ではなく今後改定される可能性があり、これによって収益性が低下する恐れがあるため注意が必要です。

サ高住経営では、介護・福祉業界を取り巻く環境を常に注視し、必要に応じて経営計画を変更することも大切です。

サ高住経営を成功させる3つのポイント

サ高住経営を成功させる3つのポイント

ここでは、サ高住経営を成功させるために知っておきたい3つのポイントについて詳しくご紹介します。

サ高住に求められるニーズを把握する

介護・福祉施設に求められるのは、福祉関連サービスだけではありません。施設内設備やレクリエーションなど、生活環境の質も入居を決める際の大切なポイントになります。

そのため、どのような設備やサービスを提供すれば人気なサ高住となるかを考えておくと良いでしょう。
近くのサ高住にはないユニークな施設などがあれば、競合と差別化もでき収益性に期待することができます。

事前に人材を確保しておく

介護・福祉施設の増加に伴い、介護人員が不足しています。そのため、スタッフ不足で撤退となってしまう施設は珍しくありません。
また、待遇や業務過多から辞めていくスタッフが多いこともこれに拍車をかけています。

そのため、サ高住経営を検討する段階ではスタッフ募集や待遇、業務範囲などについても考える必要があります。

人材について不安がなければ、サ高住経営ではそれだけで大きなアドバンテージとなります。

複数の建設会社に相談する

サ高住を建設できる建設会社はいくつかありますが、1社のみではより最適な条件で建設してくれるのか見分けることができません。そのため、必ず複数社に相談し見積もりを比較検討することがおすすめです。

サ高住では建物規模が大きくなることから、建設費は数億円にもなります。こうした初期費用は収支にも影響しますので、納得のいく見積もりで事業に着手できるようにしましょう。

  1. 動画の解説も合わせて参考にしてください

サ高住で補助金を申請できるよう準備しよう

サ高住では、補助金を適用させることによってかなりの金額を節約することができます。

しかし、補助金適用にはいくつかの要件や手続きが必要となりますので、事前に補助金申請のための準備をしておくと安心です。

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