金融機関・郵便局の窓口やコンビニに、固定資産税の納税通知書を持参して支払う場合、クレジットカードでの決済はできません。決済に使えるのは現金のみですので事前にATM等で現金をおろしておくことが必要です。
ただし、パソコンやスマホを使ってオンラインで手続きをすれば、固定資産税をクレジットカードで支払うこともできます。そこでこの記事では、固定資産税をクレジットカードで支払う具体的な方法や注意点、対応している市区町村について解説します。
また記事の後半では、ポイント還元を受けてお得に支払えるおすすめのクレジットカードもご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
固定資産税をコンビニで支払う時にクレジットカードは使えない
記事冒頭でも申し上げた通り、コンビニに納税通知書を持っていき固定資産税を支払う場合、クレジットカードを使って決済することはできません。基本的に振込用紙の支払い方法は現金のみですので注意しましょう。
ただし、現金以外の支払い方法としてセブンイレブンではnanaco、ファミリーマートではFamiPayがそれぞれ利用可能です。
固定資産税は自治体によってクレジットカード支払いが可能
固定資産税とは、土地や家屋など償却資産と呼ばれるものに対して課される税金のことです。国に納める国税ではなく、地方自治体に納める「地方税」に分類されます。
納税というと現金で支払うイメージを持っている人もいるかもしれませんが、実は平成28年に税法が改正され、固定資産税はクレジットカードで支払うことが可能となりました。対応している自治体は限られていますが、今後さらにクレジットカードで支払いができる自治体は増えていくことが予想されます。
また、固定資産税以外にもクレジットカードで支払える税金はいくつか存在しています。以下、クレジットカード払いができる税金を掲載します。[注1]
クレジットカードで支払い可能な国税
- 所得税
- 消費税
- 法人税
- 登録免許税
- 相続税
- 印紙税
クレジットカードで支払い可能な地方税
- 固定資産税
- 都市計画税
- 自動車重量税
- 個人事業税
- 不動産所得税
ただし、地方税の場合は自治体によってクレジットカードで支払える税金の種類が異なります。あらかじめ確認のうえ、支払い方法を選んでいきましょう。
固定資産税をクレジットカードで支払いできる市区町村
固定資産税をクレジットカードで支払える自治体は、数多く存在しています。ここでは、2022年3月時点でクレジットカードを使って固定資産税を支払える市区町村の一例を紹介します。
北海道・東北地方
関東地方
中部地方
近畿地方
中国地方
四国地方
九州地方・沖縄
ほかにも、クレジットカード払いに対応している自治体は複数存在しています。お住いの地域がクレジットカード払いに対応しているかどうかは、各自治体の公式Webサイトから確認しておきましょう。
固定資産税をクレジットカードで支払う方法
固定資産税をクレジットカードで支払うときは、店頭での支払いではなくWeb上で手続きをする必要がある点に注意しましょう。
なお、自治体によってクレジットカード納付専用のページを用意しているところもあれば、「Yahoo!公共料金払い」などといった外部企業のシステムを通して手続きをするところもあります。どちらも手続方法に大きな違いはないので、ここでは一般的な支払い方法について解説します。
クレジットカード払いの専用ページへアクセス
決済手数料の確認
利用規約の確認
納税通知書を確認し、「納付番号」「確認番号」「納付区分」などを入力
クレジットカード番号の入力
入力内容の確認
支払手続き完了
口座振替を利用しているときは納税書が届かないため、クレジットカード支払いができません。一度口座振替を停止してから、クレジットカード支払いに切り替える必要がある点に注意しましょう。
固定資産税をクレジットカードで支払うメリット
固定資産税をクレジットカードで支払うことには、多くのメリットが存在しています。ここでは、4つのメリットについて詳しく紹介します。
自宅からいつでも納付できる
クレジットカード払いの最大のメリットは、いつでもどこでも納税できるところです。デバイスとネット環境さえあれば手続きができるため、納税のために銀行や郵便局に行く時間が取れない人、期限が迫っていて今すぐ納付したい人なども、その場で手続が完了します。
また現金を持ち歩かなくていいため、防犯面のメリットもあります。固定資産税は4分割で支払えるとはいえ、納税のときはまとまったお金を持ち歩かなくてはいけません。クレジットカード払いであれば、現金を持ち歩いているときの盗難や紛失リスクに備えられるため、安心して納税ができます。
クレジットカードのポイントが貯まる
必ず支払わなくてはいけない税金。できることなら、少しでもお得に納付したいと考えるのは当然のことです。クレジットカードであればポイント還元が受けられてお得感が高い点も、非常に嬉しいポイントです。
還元率が1%のクレジットカードであれば、10万円の納税で1,000円分のポイントが還元されます。年間で見ると金額的には大きくありませんが、固定資産税は毎年払う税金なので、結果的には多額の還元が受けられます。
ただし、クレジットカード払いの際は手数料がかかる点に注意しましょう。東京都内の場合、税額1万円ごとに80円の手数料がかかるため、10万円の納税で800円の手数料が必要になることになります。[注2]手数料とポイント還元率を比較し、損しない支払い方を選ぶことが大切です。
支払いのタイミングをずらせる
クレジットカードを利用すれば、支払のタイミングをずらせる点も大きなメリットです。
クレジットカード利用料金の支払日はカードによって異なりますが、多くの会社では月末締めの翌月末支払いが一般的でしょう。たとえば固定資産税の納税期限が8月31日納付であった場合、この日までに手続きをしておけば9月末に支払いを遅らせることが可能なのです。
クレジットカード払いであれば支払いを1か月ずらせるため、今手持ちのお金がなくて納税できないというときも安心して支払いができます。
分割払いが可能
クレジットカード払いの分割払いは、固定資産税の支払いにも利用できます。固定資産税は4期に分割して支払う税金ですが、クレジットカードを使えばさらに細かく分割することが可能なのです。そのため、まとまった金額の出費を防いで少しずつ支払いたいという人にはクレジットカード払いが非常におすすめです。納税者の事情に合わせて柔軟に納税できるところが、大きなメリットでしょう。
固定資産税をクレジットカードで支払う際の注意点・デメリット
固定資産税をクレジットカードで支払うことには多くのメリットが存在していますが、反対に注意点やデメリットも存在していることを理解しておくことが大切です。双方をしっかりと知って、クレジットカード払いを導入すべきかどうかを判断しましょう。
対応している自治体が限られている
先述したように、クレジットカード払いの納税に対応している自治体は限られています。お住いの地域によっては、希望していてもクレジットカードで支払えない可能性があるのです。支払期限の直前になって慌てることがないよう、早めの確認をおすすめします。
また、利用できるクレジットカードのブランドはおもに以下の5つです。
- VISA
- MasterCard
- JCB
- American Express
- Diners Club
このほかのカードには対応していないケースが多いため、十分に注意しましょう。
店頭では支払いができない
納税書とクレジットカードを持って銀行や郵便局に行っても、支払いの手続きはできません。クレジットカード払いの手続きは、オンラインでしか行えない点にも注意しましょう。
手続きの方法は非常に簡単なので、若い人であれば問題なく行えます。しかし、高齢の人やインターネットに疎い人だと戸惑ってしまうこともあるので、周囲の人のサポートが必要です。
カードの利用上限額に注意が必要
納税といえども、クレジットカードで支払いをする以上は利用上限額があることに注意しましょう。上限額を超えてしまう金額の支払いは、当然できません。
また、高額になりやすい固定資産税をクレジットカードで支払ったことにより利用額が大幅に増えてしまい、日常的なカードの使用が制限されてしまう恐れもあります。上限額には十分注意して支払いをしてください。
納税証明書の発行に時間がかかる
クレジットカードで固定資産税を納付した場合、銀行や郵便局などで支払ったときにもらえる領収書が受け取れません。そのため、どうしても領収書が必要なときは、ほかの支払い方法のほうがいいでしょう。
また、納税証明書の発行に時間がかかる点にも注意してください。手続き後、納付先で入金されてから納税証明書が発行されるので、手元に届くまで10日前後かかることがあります。ただし納税証明書の発行が遅くても、期限までに納税が完了していれば延滞料はかからないので、安心してください。
固定資産税の支払いにおすすめのクレジットカード3選
固定資産税をクレジットカードで支払うときの利益を最大化するためには、使用するカードを正しく選ぶことも大切です。そこで、ここからは納税におすすめのクレジットカードを3つお伝えします。
Yahoo!JAPANカード
固定資産税の支払いを「Yahoo!公共料金払い」で行う場合は、Yahoo!JAPANカードがおすすめです。Tポイントカードと一体型のクレジットカードで、納税に使うことでTポイントを貯めたり使用したりすることが可能です。還元率が1%と高いですし、店頭で納税するときに使えるnanacoにチャージするときも還元率0.5%でポイントが貯められます。普段からYahoo!ショッピングをよく利用する人、Tポイントを貯めている人にはおすすめのカードです。
カード名 | ブランド | 還元率 | 年会費 |
---|---|---|---|
Yahoo!JAPANカード | VISA | 1% | 無料 |
リクルートカード
とにかく還元率の高いカードがほしいというときは、リクルートカードがおすすめです。1.2%の還元率を誇り、獲得したポイントはリクルートが運営する各種サービスで利用できます。さらに、リクルートポイントは等価でPontaカードにチャージできるので、コンビニや飲食店でも使用できます。リクルートのサービスをよく使う人、還元率が一番高いカードが欲しい人は、リクルートカード一択です。
カード名 | ブランド | 還元率 | 年会費 |
---|---|---|---|
リクルートカード | JCB | 1.2% | 無料 |
楽天カード
楽天市場や楽天モバイルなど、楽天のサービスをよく利用する人におすすめなのが楽天カードです。納税単体での還元率は高くありませんが、ほかの楽天サービスと併用するとポイント還元がどんどん上がっていき、多くのポイント還元が受けられる点が特徴です。還元されたポイントは楽天の各種サービスの支払いはもちろん、飲食店やコンビニでも使用できます。
頻繁に入会キャンペーンを開催しているので、申し込むだけで数千円分のポイントが獲得できます。総合的な使い勝手がいいので、おすすめのカードです。
カード名 | ブランド | 還元率 | 年会費 |
---|---|---|---|
楽天カード | ・Visa ・Mastercard ・JCB ・American Express | ・通常 200円ごとに1ポイント ・税金・公共料金 500円ごとに1ポイント | 無料 |
クレジットカード支払いでお得に固定資産税を払おう
自治体によりますが、固定資産税はクレジットカードで支払うことが可能です。クレジットカードを使うと、お得にポイント還元を受けたり柔軟な支払いができたりとメリットが多いため、支払方法の選択肢としてぜひ検討してみてください。
ただし、手数料がかかる点やクレジットカードの上限額によっては利用できない点など、デメリットがあることも事実です。メリットとデメリットを両方押さえ、もっとも利益が大きい支払い方法を選ぶことが大切です。
今回紹介したおすすめカードを参考に、ぜひ納税にクレジットカードを役立てていきましょう。
[注2]都税クレジットカードお支払サイト