納戸とは|定義やサービスルームとの違い・活用方法

納戸とは|定義やサービスルームとの違い・活用方法

マンションの間取り図を確認すると、部屋やクローゼットなどのほかに納戸が設けられているのを見かけることがあるでしょう。

一口に「納戸」といっても、その仕様はさまざまです。広さは6畳ほどある場合もあり、間取り図だけを見るとほかの居室との違いがわからないかもしれません。

今回は、納戸と一般的に使用される居室の違いのほか、その活用方法についてもご紹介します。上手く利用するために必要な工夫のポイントも解説するので、納戸のある物件に住まれている方や、これから納戸のある物件の購入を検討されている方はぜひ参考にしてみてください。

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納戸とは

「納戸」というとなんとなくイメージはつくかもしれませんが、間取り図だけを見てみると、一般的な居室と納戸の違いがわからないかもしれません。

ここでは、そもそも納戸がどのようなものであるのかについて詳しく解説します。

居室とは認められないスペースのこと

納戸とは、条件を満たしていないために居室とは認められないスペースのことをいいます。居室の定義については、建築基準法によって定められています。[注1]

[注1]e-Gov法令検索|建築基準法
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=325AC0000000201

居室の定義

部屋が「居室」として認められるためには、大きな条件が2つ挙げられます。建築基準法の28条で定められている以下の2項目について、指定の条件を満たしている必要があるのです。

  • 採光
  • 換気

採光

1つ目の条件が、採光についてです。その部屋の面積に対して、住宅の場合は7分の1以上、学校や病院などほかの建築物の場合は5分の1~10分の1以上の大きさの窓などの開口部がある必要があります

窓の大きさが基準に満たなかったり、そもそも採光できる開口部がなかったりするスペースは、居室ではありません。

換気

また、2つ目の条件として、換気が挙げられます。

その部屋の面積に対して、20分の1以上の大きさのある窓や開口部が必要です。一方で、法令で定められた技術的基準に従って取り付けられた換気扇があるのであれば、この限りではありません。

納戸とサービスルームの違い

居室や収納スペースのほかにサービスルームが設けられている場合もあります。見取り図では、リビングがL、ダイニングキッチンはDK、納戸はN、サービスルームはNと記載されることもあります。納戸とサービスルームに、明確な違いはありません。居室としての条件を満たせなかった空間を、納戸あるいはサービスルームとして扱います。間取り図にサービスルームと記載されているときは、納戸と同様の場所と捉えましょう。
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納戸のメリット

納戸の最大のメリットは、居室として認められていない分、同じ広さの物件よりも割安で利用できる点でしょう。

納戸は収納目的での使用はもちろん、書斎や作業スペース、趣味の空間として活用するなどさまざまな用途で利用できます

つまり、納戸を上手く利用することができれば、通常の広さの部屋を借りるよりもお得に同じ広さのスペースを使うことができるのです。

納戸のある部屋での注意点

納戸やサービスルームは、居室としての条件を満たしていない場合があります。採光や換気のための窓が設けられていないなど、生活をするための設備が整っていない可能性があるのです。
スペースとして有効活用することはできるものの、居室と同じような捉え方をしていると後悔するかもしれません。
ここでは、納戸のある部屋の4つの注意点について確認しましょう

コンセントや電話回線などがない場合がある

納戸は、居室ではありません。人が日常を過ごすことを想定していないため、本来なら居室にあるような設備が存在しない場合があるのです。代表的なものとして、コンセントや電話回線が挙げられます。

十分スペースのある納戸であれば、居室と同様に扱いたいと思われるかもしれません。しかし、必ずしもコンセントや電話回線があるわけではないので、注意しましょう

スリーブが通っていない場合がある

納戸は居室としては認められていないため、本来なら居室にあるスリーブが通っていない場合があります。スリーブとは、エアコンを設置するための配管を通すために、マンションの床や壁などに設けられている管のことをいいます。スリーブがない場合、配管が通せません。そのため、エアコンを設置できないのです。成功や換気を行うための窓も存在しない場合があるため、居室と同様に扱いたくても空調などに関する問題が大きく感じられるかもしれません。

採光や換気が難しい

建物の価値を決める1つの要素として、採光や換気が挙げられます。年間を通して湿度が高い日本では、湿気対策がとても重要です。納戸には、採光や換気を行うための窓がなかったり、あったとしても居室としての基準を満たさない程度の大きさであったりする場合があります

また、湿気が多いことで、収納物にカビが繁殖してしまうかもしれません。暗くてじめじめした部屋をわざわざ選ぶ人は少ないでしょう。居室のように扱いたいのであれば、十分な湿気対策を検討してください。

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おすすめの納戸の使い方

納戸には、コンセントや電話回線、テレビ端子などがない場合が多く、採光や換気もうまく行えない環境である場合があります。
そのままの状態で居室として使用することは難しいかもしれませんが、工夫次第でさまざまな応用が可能です。

書斎


納戸の活用例として、書斎が挙げられます。実際に、納戸を書斎として活用している例は多く見られます。
家のなかで個人的な作業や在宅業務など、集中して取り組みたいことがある方には、おすすめの活用方法です。2~3畳程度の狭いスペースだとしても、机と椅子さえ設置できれば十分書斎として活用できます。

ただし、まったく窓やコンセントなどがない場合には注意が必要です。このようなスペースに長時間篭り切ってしまうと、体調を悪くしてしまうかもしれません。
収納スペースではなく、書斎など部屋として活用したいのであれば、思い切ってリフォームを検討してみてもよいでしょう

書庫


書斎のように、納戸を集中して書物と向き合える快適空間として活用してみましょう。収納スペースを多く設けることで、書物を効率よく片付けられます。
椅子や机などを設置して読書できるようにしてもよいでしょう

ただし、採光や換気がうまく行えない環境の場合は、注意してください。
書物は湿気に弱く、長期間放置してしまうと、カビてしまうかもしれません。直接日光が当たることが少なければ、表紙や背表紙が日焼けする心配はないかもしれませんが、カビには要注意です。
乾燥剤を使用する、定期的に換気を行うなどの工夫を施しましょう

子どもの遊びスペース


納戸は、日々の生活の中心スペースとして使用するには不便かもしれません。しかし、収納スペースとして割り切ってしまうのはもったいないこともあるでしょう。
ある程度の広さがある場合は、思い切って子どもの遊びスペースとして活用してみましょう

遊びや勉強ができるように、子どもに最適な机や椅子、そのほか必要な設備を整えます。子どものために収納棚を設けてもよいでしょう。書斎と同様に、思い切って大胆なリフォームを検討してみるのもおすすめです。

SOHO


納戸は、SOHOとして活用するのもおすすめです。SOHOとは、Small Office Home Officeの頭文字をとったものです。自営業など、個人事業主として働かれている方にとっては、業務の中心となる事務所が重要となります。ある程度、業務が行うのに十分なスペースがあるのであれば、SOHOとして活用してみてもよいでしょう

ただし、事務所として扱うためには、最低限の設備が欠かせません。細かな照明や換気設備、業務で用いる設備などを利用するため、まずはコンセントを設置しましょう。

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納戸を収納スペースとして利用する際のコツ

納める戸と書くように、納戸は収納スペースとして利用されるのが一般的です。
原点は平安時代にまで遡ります。当時も出入り口以外の開口部はほとんどなかったとされています。貴重な品物を保管しておく収納スペースであったり、また寝室としても使われていたりしたようです。

納戸は収納スペースとして利用するほか、コツを押さえることでより効率よく活用することができます。
ここでは、納戸を収納スペースとして利用する際のコツを4つご紹介します。

動線を必ず確保する

ある程度広さのある納戸であれば、多くのものを収納しておけます。しかし、むやみに荷物を積み重ねると、奥のものが取り出せなくなってしまいます。最低限、人が通れるスペースを確保して、収納棚などを用いて綺麗に整理整頓しましょう。

納戸は、採光や換気のための窓や生活に欠かせないコンセントなどがないだけで、広さ自体は十分居室と同じくらいある場合があります。収納棚や突っ張り棒などを活用して、効率よく収納しましょう

収納棚や箱のサイズや形状を意識する

収納したものを箱やケースごと持ち出すのであれば、持ち運びに優れた収納アイテムを選びましょう。持ちやすいように設計された箱やケース、キャスター付きの収納アイテムなどがおすすめです。
棚を活用して、細かく分類しておくとさらに便利になるでしょう

突っ張り棒を上手に活用する

便利な収納グッズとしても活用していただけるのが、突っ張り棒です。突っ張り棒は、ある程度スペースが制限された納戸で大活躍してくれます。
突っ張り棒を上手に活用することで、簡単な棚を作成できます。

軽いものを置いてみたり、洋服などをかけたりするのであれば突っ張り棒で十分でしょう。
そのほか、S字フックを合わせて活用することで、さまざまなものを吊り下げて収納できます。
洋服を多く収納しておくのであれば、ハンガーラックや鏡などを設置してもよいでしょう。

頻繁に使用するものは取り出しやすい場所におく

棚などがない居室と同じような納戸なのであれば、自分が扱いやすい収納スペースを作りましょう。収納スペースといっても、すべてのものが常に保管してあるわけではありません。なかには1年に数回しか使わないものもあれば、アルバムのようなずっと保管しておきたいものもあるでしょう

そのほかに、季節ごとに使用するものや比較的頻繁に使いたいものもあるはずです。
長く保管しておきたいものや年に数回しか使わないものに関しては、収納スペースの奥のほうや高いところなど手が届きにくい場所に収納してしまっても問題ないでしょう。

一方で、比較的頻繁に使うものなのであれば、すぐに見つけられてまた簡単に片付けられるような場所に収納しておくべきです。もっとも簡単に見つけやすいのは、人の視線と同じ高さです。自分の目線の高さと同じ場所によく使用するものは収納しておきましょう。

おすすめは、それなりに高さのある収納ラックの採用です。スチールのラックであれば、高さが調節できるので、より便利に活用できます

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納戸は収納スペース以外にもさまざまな用途に活用可能

納戸は、居室としての条件を満たしていないスペースですが、その仕様はさまざまです。

納戸は通常の広さの部屋よりも割安で利用できるメリットがあるだけでなく、工夫次第でフレキシブルな活用ができるところが魅力です。ラックや突っ張り棒、収納ボックス、棚などを用いることで、納戸を便利な収納スペースとして使用することができるので参考にしてみてください。

また、ある程度の大きさの窓やコンセントなどがあるのなら、書斎や子ども部屋として使用してみてもよいでしょう。収納スペースとして使用するのも1つの方法です。

一方で、納戸は居室ではないためにコンセントや電話回線、スリーブなどがない場合もあります。また、採光や換気に最適な大きさの窓がないために、居室として使用するには環境が悪い場合もあります。自宅や購入を検討している物件の納戸を細かくチェックして、最適な活用方法を模索してください

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