マンション宅配ボックスがあれば、荷物の受け取りがスムーズに。便利な生活を実現するための宅配ボックスの魅力や設置時のポイント、選び方のコツを解説します。時間に縛られない快適な暮らしを手に入れましょう。
マンションの宅配ボックスとは
はじめに、マンションの宅配ボックスとはそもそもどんなものであるのかについて解説します。
- 不在時でも荷物の受け取りができる設備のこと
- 宅配ボックスのサイズ
それぞれ見ていきましょう。
不在時でも荷物の受け取りができる設備のこと
マンションの宅配ボックスとは、不在時でも荷物の受け取りができる設備のことです。昨今では気軽にネットで買い物ができる影響もあって、マンションなどの集合住宅で設置されることも多くなりました。
宅配ボックスがあれば自宅に居ずとも荷物を宅配ボックスに入れてもらえるので、外出の時間が縛られてしまうことがなく非常に便利です。中には、宅配ボックスの設置を条件のひとつに挙げて物件を検討する方も少なくありません。
宅配ボックスのサイズ
宅配ボックスのサイズの大きさは以前に比べて増えてきており、現在では3つのサイズに分けられることが多いです。一般社団法人リビングアメニティ協会宅配ボックス委員会にの調査によると宅配ボックスのサイズと利用状況は以下のとおりです。
ボックスサイズ (W×D×H)㎜ | 割合 | |
---|---|---|
S | 411×546×246 | 79.90% |
M | 411×546×524 | 13.70% |
L | 411×546×1,359 | 6.40% |
引用元:一般社団法人リビングアメニティ協会宅配ボックス委員会
また、マンションに設置される宅配ボックスは一般的に以下の二種類に分けられています。
種類 | 特徴 |
---|---|
電子式の宅配ボックス | 防犯性が高い |
パネル操作のため使いやすい | |
機械式の宅配ボックス | 電子式の宅配ボックスより安い |
電気配線工事が不要 |
マンションの宅配ボックスの種類
マンションの宅配ボックスには「電子式の宅配ボックス」「機械式の宅配ボックス」と、大きく分けて種類が2つあります。それぞれで特徴や使い方が違うので、マンションの購入を検討している場合は事前に調べておくとよいでしょう。
- 電子式の宅配ボックス
- 機械式の宅配ボックス
電子式の宅配ボックス
電子式の宅配ボックスはパネル操作や非接触のカギ、カードキーなどを使用して解錠するタイプです。セキュリティ面の強さから、昨今では主流となりつつあるタイプでもあります。
ここでは、電気式の宅配ボックスの特徴と使い方について解説します。
特徴
電子式の宅配ボックスは、パネル操作は非接触のカギなどを使用して解除を行うため、24時間オンライン体制で使用できるところが大きな特徴です。荷物が宅配ボックスに届いた際は、携帯に通知メールが届くなどサービスが充実しているところもあります。
使い方
電子式宅配ボックスの配達の基本的な使用方法は以下の通りです。
- 宅配業者がサイズにあった宅配ボックスに荷物を入れて施錠
- メールや配達通知書で入居者に配達完了通知が届く
- 宅配ボックスの液晶パネルを操作して荷物を受け取る
宅配業者がサイズにあった宅配ボックスに荷物を入れて施錠し、メールや配達通知書で入居者に配達完了通知を送ります。入居者が荷物を受け取る場合は配達完了通知を確認して、宅配ボックスの液晶パネルを操作して荷物を受け取ります。
宅配ボックスの解除方法としては、配布されているカードキー、部屋ごとで割り振られている暗証番号、非接触型の鍵など宅配ボックスの種類によって異なるので入居時に確認しておくようにしましょう。
機械式の宅配ボックス
機械式の宅配ボックスは宅配業者が任意に設定した暗証番号を使って解錠するタイプです。
ここでは、機械式の宅配ボックスの特徴と使い方について解説します。
特徴
機械式の宅配ボックスは「ダイヤル式」や「メカ式」とも呼ばれ、シンプルな構造と操作が特徴です。暗証番号は、宅配業者がその場で設定する一度きりのもので、受取人は不在連絡票で暗証番号を確認します。
近年、宅配ボックス付きの物件は高くなる傾向がありますが、機械式は電気を使わないシンプルな作りなので、比較的低コストで導入が可能なため、入居者にとっては家賃を低く抑えることができます。
宅配ボックス付きのマンション購入でセキュリティ面を重視するのであれば電子式で、費用を抑えたい場合は機械式の宅配ボックスを選ぶなど自身の目的別に選ぶとよいでしょう。
使い方
電子式宅配ボックスの配達の基本的な使用方法は以下の通りです。
- 宅配業者がサイズにあった宅配ボックスに荷物を入れて不在連絡票を投函
- 受け取り側は不在連絡票に記載してある暗証番号を確認する
- どの宅配ボックスか確認し、暗証番号を入力して解錠
機械式宅配ボックスの配達の基本的な流れは、宅配業者がサイズに合った宅配ボックスに荷物を入れて不在連絡票を投函して知らせてくれます。その時、任意の暗証番号を設定して施錠するので、不在連絡票で暗証番号も知らせてくれるシステムです。
入居者が荷物を受け取る時は、不在票でどの宅配ボックスか確認し暗証番号を入力して解錠します。
マンションの宅配ボックスを利用するメリット
マンションの宅配ボックスを利用するメリットは以下3点です。- 不在時でも荷物の受け取りができる
- 高い防犯性で安心できる
- 宅配業者も再配達しなくていい
不在時でも荷物の受け取りができる
マンションの宅配ボックスのメリットは、不在時でも荷物を受け取れることです。宅配ボックスがあればスムーズな荷物の受け取りができるので、再配達を頼む必要がありません。また、配送時間に合わせて家にいる必要もないので、時間に縛られたくない人にもおすすめです。最近では、あらかじめ配達を宅配ボックスに指定できるサービスもあります。
留守がちだと荷物の受け取りがネックとなりがちですが、宅配ボックスがあれば荷物を気にせず外出することができるので便利です。
高い防犯性で安心できる
近年、宅配業者を装ったセールスマンや不審者によるトラブルもあることから、防犯面を考慮して宅配ボックスを設置するマンションが人気です。また、配送業者から荷物を直接受け取ることに抵抗があるという人も多くいます。宅配ボックスを設置しているマンションであればオートロックを解除する必要がなく、不審者の侵入を防ぐことが可能です。そのため、1人暮らしの女性や幼い子供がいる家庭、高齢者にとっては、宅配ボックスが設置されているマンションのほうが防犯面でも安心といえます。
宅配業者も再配達しなくていい
宅配ボックスが設置してあるマンションは入居者だけでなく、宅配業者も再配達をする必要がなく宅配業者側にもメリットがあるのです。入居者が不在で再配達となる宅配業者も多くいる中で宅配ボックスを設置しているマンションは今後も増えていくとされています。
マンションの宅配ボックスを利用する際の7つの注意点
便利で使い勝手のよい宅配ボックスですが、メリットばかりではありません。メリットとデメリットの両方を知って、上手に活用してみてください。マンションの宅配ボックスの注意点は以下のとおりです。- 受け取れる荷物の大きさが決まっている
- 受け取りができない荷物もある
- 荷物の受け取りは基本的に印鑑が必要である
- 宅配ボックスが空いてない場合もある
- 宅配ボックスに荷物を放置してしまう
- 子どもが宅配ボックスの中に閉じ込められる
- 受け取りトラブルが発生する場合もある
受け取れる荷物の大きさが決まっている
宅配ボックスは高さ20cm程度の小さいものから、1m以上ある大型タイプまでさまざまです。一般的にマンションのような集合住宅では、大きめの宅配ボックスのサイズが少なく大きい荷物を受け取らない可能性があります。そのため、大きい荷物の場合は事前に宅配ボックスに入るのか確認しておくようにしましょう。受け取りができない荷物もある
荷物には冷凍、冷蔵、着払いなど様々な種類があるので、ものによっては宅配ボックスが利用できないケースがあります。宅配ボックスで荷物の受け取りができない主なものを以下のとおりです。- 要冷凍・要冷蔵の荷物
- 着払いや代金引換
- 貴重品が入った荷物
- 大きすぎるサイズの荷物
- 宅配ボックスの重量制限を超える荷物
最近では生鮮食品を受け取れる宅配ボックスも登場していますが、まだ設置数は少ないです。マンションの宅配ボックスの種類については、事前に確認しておくようにしましょう。
荷物の受け取りは基本的に印鑑が必要である
宅配ボックスで荷物を受け取る場合でも基本的には印鑑が必要です。そのため、宅配業者が押印できるように、あらかじめ印鑑をしまっておけるタイプにしておくとよいでしょう。また、電子式宅配ボックスでは捺印機能が付いているケースが多いですが、機械式宅配ボックスには捺印機能が付いていないので注意してください。
宅配ボックスが空いてない場合もある
マンションなどの集合住宅では、宅配ボックスの数に限りがあるので、空いていないというケースも考えられます。そのため、宅配ボックスの空き状況によっては利用できない可能性があります。宅配ボックスを利用できない場合は、宅配会社がそのまま荷物を持ち帰るので再配達の手配が必要になるので注意しましょう。
宅配ボックスに荷物を放置してしまう
宅配業者が入居者に荷物の配達完了通知を送っていて、既に荷物が届いているのに何日も放置してしまうケースもあります。宅配ボックスを利用した荷物の放置は入居者同士のトラブルに発展する可能性があります。そのため、近年、マンションの管理組合は宅配ボックスの利用状況を確認しているとこが多いです。
マンションの宅配ボックスを利用したい方が増えているので、入居者同士のトラブルを避けるためにも荷物が届いたら何日も放置せずに早く受け取るようにしましょう。
子どもが宅配ボックスの中に閉じ込められる
平成28年6月に東京都内において、子どもが友人とかくれんぼをしていて、マンションのエントランスに設置された宅配ボックスに閉じ込められるといった事故がありました。東京消防庁によると、平成24年以降の東京消防庁管内で子どもが宅配ボックスに閉じ込められる事故が他に3件も発生しているとのことです。
宅配ボックスに「まさか子どもは入らないだろう」と思っていても、大きな宅配ボックスの場合は十分に入れるスペースはあります。
マンションに宅配ボックスがある場合やこれから宅配ボックス付きのマンションを購入する方は、日頃から事故に対する危険性を伝え、宅配ボックスでは遊ばないように注意しておくことが大切です。
参考元:東京消防庁
受け取りトラブルが発生する場合もある
宅配ボックスは配達員が不在連絡票の暗証番号を書き間違えたり、荷物を取り出せないといったトラブルが発生するケースも少なくありません。また、配達員が宅配ボックスの使い方に慣れていないため、操作ができずに荷物を持ち帰ってしまうケースもあるようです。配達員によるミスの場合は、宅配業者に問い合わせしてみてください。
また、自身が暗証番号を忘れて荷物を受け取れない番号は宅配ボックスを管理している会社に相談してみるとよいでしょう。
マンションの宅配ボックスは個人で後片付けできる?
マンションのような集合住宅では、廊下やエントランスが共用部分にあたるため、個人が勝手に宅配ボックスの設置をすることはできません。ただ、管理会社を通して提案などを行い、一定数の所有者の同意を得られれば、住民全員が使える宅配ボックスが設置できるケースもあります。また、消防法第八条には以下の記載があります。
学校、病院、工場、事業場、興行場、百貨店(これに準ずるものとして政令で定める大規模な小売店舗を含む。以下同じ。)、複合用途防火対象物(防火対象物で政令で定める二以上の用途に供されるものをいう。以下同じ。)その他多数の者が出入し、勤務し、又は居住する防火対象物で政令で定めるものの管理について権原を有する者は、政令で定める資格を有する者のうちから防火管理者を定め、政令で定めるところにより、当該防火対象物について消防計画の作成、当該消防計画に基づく消火、通報及び避難の訓練の実施、消防の用に供する設備、消防用水又は消火活動上必要な施設の点検及び整備、火気の使用又は取扱いに関する監督、避難又は防火上必要な構造及び設備の維持管理並びに収容人員の管理その他防火管理上必要な業務を行わせなければならない。
引用元:消防法
個人が勝手に宅配ボックスを設置すると消防法第八条に該当する可能性も考えられるため、無断で宅配ボックスは設置しないようにしてください。
これから宅配ボックスが設置されているマンションを購入しようとしている方は事前に宅配ボックスの有無を確認しておきましょう。また、現在住んでいるマンションに新たに宅配ボックスを設置したい方は、一度管理組合に相談してみるのもよいでしょう。
新しいマンションの宅配ボックスの機能
ネットショッピングの需要が増え続けている影響で、宅配ボックスの機能もどんどん進化しています。最新の宅配ボックスの種類としては以下のものがあります。- 冷蔵機能が付いた宅配ボックス
- クリーニングを届ける宅配ボックス
- 発送ができる宅配ボックス
- 各階・各戸専用の宅配ボックス
冷蔵機能が付いた宅配ボックス
最近では冷蔵機能がついた宅配ボックスが登場しています。通常版より大きなサイズになりますが、ネットスーパーで購入した生鮮食品を不在中でも自宅まで届けてもらえるので、仕事と家庭の両立で忙しい女性たちに大好評です。発送ができる宅配ボックス
宅配ボックスは荷物の受け取りだけでなく、荷物の発送もできるものも登場しています。オンラインで連携することで、発送者が宅配ボックスに荷物を入れ、配送業者に連絡すると集荷してくれるサービスです。クリーニングを届ける宅配ボックス
クリーニング会社によっては、マンションの宅配ボックスから集荷してくれるサービスもあります。すべての人が利用できる訳ではありませんが、お住まいのマンションがクリーニングの取り扱いが可能であれば入居者は利用可能です。頻繁にクリーニングを利用するや忙しい人にとっては宅配クリーニングが利用できるマンションはおすすめです。
各階・各戸専用の宅配ボックスの設置
集合住宅だと宅配ボックスが空いてないため配送業者が荷物を持ち帰ることもありましたが、最近では各階・各戸専用の宅配ボックスが設置されているマンションもあります。各部屋用の宅配ボックスの場合、荷物がすでに入っていても、追加で入れることもできるので、配送日を調節する必要がなく便利です。
また、エントランスではなく部屋の前に宅配ボックスが設置されるので、重い荷物を運ぶ手間が省ける点もメリットといえます。
マンションは宅配ボックス付きが便利
今回は、マンションの宅配ボックスについてその特徴やメリットを解説しました。マンションの宅配ボックスは、不在時でも荷物を受け取れるとても便利な設備です。機械式と電気式の2つのタイプがありますが、セキュリティ面や費用面で違いがあるためマンション購入を検討する際はどのようなタイプのものか事前に確認することをおすすめします。
また、宅配ボックスの後付けが難しいマンションの場合は、物件選びの段階からチェックポイントのひとつに含めてみても良いかもしれません。