自宅兼アパートは、持て余した土地を有効活用できる方法の一つです。
自宅と賃貸部屋がある建物を建てることで家賃収入を得ながら暮らすことができます。
しかし、自宅兼アパートにはいくつかの建て方や間取りがあり、それぞれの特徴は大きく違います。
そこで本記事では、自宅兼アパートを検討している方に向け、以下のようなテーマについて詳しく解説しています。
- 自宅兼アパートにある3つの建て方とそのメリット・デメリット
- 自宅兼アパートの建築費
- 失敗しないハウスメーカーの選び方
この記事を参考に、ご自身の状況と照らし合わせながら自宅兼アパートの建て方や間取りを決めていきましょう。
賃貸併用住宅についてより詳しく知りたい方はこちらの記事がおすすめです。
自宅面積が50%以上の自宅兼アパートの特徴
自宅兼アパートには、以下のような3つの建て方があります。
- 自宅面積を50%以上にする
- 賃貸面積を50%以上にする
- 自宅と賃貸を別で建てる
自宅兼アパートを建てるのであれば、まずはどの建て方で建てるのかを決める必要があります。
それぞれの建て方のメリットデメリットを順番に解説していきますので、建て方を決める際の参考になると幸いです。
まずは、自宅面積が50%以上の自宅兼アパートのメリットとデメリットについて詳しく解説していきます。
メリット
自宅面積が50%以上の自宅兼アパートには、以下のようなメリットがあります。
- 住宅ローンが使える
- 住宅ローン控除を適用できる
- プライベート空間を確保しやすい
特に大きなメリットは、金利の低い住宅ローンを活用できることです。
それぞれ詳しく解説します。
住宅ローンが使える
建物全体の床面積に対して自宅部分の床面積を50%以上にすると、住宅ローンを適用させることができます。
アパートを建てる際はアパートローンを組みますが、住宅ローンに比べて金利が高いです。
固定金利でみると、アパートローンは、2022年現在3%前後が相場です。一方の住宅ローンは、1%前後と2%程の金利差があります。
自宅兼アパートの建築では何千万円も借りることになるかと思いますので、たとえ0.5%の金利差でも返済額はかなりの差となってしまうでしょう。
住宅ローンを使えるように自宅部分を賃貸部分よりも広くとれば、建築費用を大幅に節約することができます。
住宅ローン控除を適用できる
住宅ローンを適用できることは、金利が低いだけではありません。住宅ローン控除を使えることも大きなメリットです。
住宅ローン控除は、年末時点のローン残高の1%が所得税から控除されることを言います。控除期間は入居時から10年間の間です。
ただし、住宅ローン控除を適用できるのは自宅部分のみなので注意してください。自宅と賃貸部分の面積から按分計算し、自宅部分のみにかかっている借入額=控除対象額となります。
例えば、4000万円の借り入れをして自宅部分60%の自宅兼アパートを建てた場合、控除対象額は2400万円となります。
家族構成の変化に対応できる
自宅部分を広くとると、将来的に家族構成が変わったときに柔軟な対応できます。
広い部屋の方が、間取りや設備など設計の変更がしやすいからです。
自宅部分が狭いと、限られたスペースのなかで考えなければならず思ったように設計変更できない可能性があります。
また、賃貸部分の一部を自宅部分とつなげようとしても、入居者がいる場合は立ち退き交渉が必要です。大家都合の立ち退き交渉の場合、高額な立ち退き料の支払いが必要になり交渉が難航するなどトラブルの元になってしまうでしょう。
そのため、将来的に二世帯住宅にするといったことを検討している方は、自宅部分の方を広くとることがおすすめです。
デメリット
続いて、自宅部分を50%以上にすることのデメリットについてご紹介します。
主なデメリットは以下の通りです。
- 収益性が低くなる
- 自宅部分の配置が決まってしまう
当たり前ですが、自宅部分を広くとればとるほど賃貸部分の面積は少なくなります。そのため、収益性に劣ってしまうというデメリットがあります。
それぞれ詳しく解説します。
収益性が低くなる
自宅部分を広くとると、その分賃貸部分の面積が犠牲となり結果として家賃収入が得られなくなってしまいます。
特に、30坪程度のやや狭い土地で建てるとなると、1戸しか賃貸部屋を確保できなくなることも考えられるでしょう。
1戸しか賃貸部屋がなければ、入居者がいない間は家賃収入がゼロになります。そのため、自宅部分を広くとるとしても賃貸部屋は2戸以上確保することが望ましいです。
自宅部分の配置が決まってしまう
自宅部分が建物の半分以上となると、自宅をどのように配置するかがある程度決まってしまいます。
2階建ての自宅兼アパートで自宅部分を広くとる場合、自宅と賃貸をそれぞれ2階建てにする間取りか(縦割り)、それぞれを1フロアで使う間取り(横割り)のどちらかになります。
そのため、例えば、「自宅の空間をL字型のようにしたい」といった希望を叶えることはかなり難しいです。
理想の間取りや設計で建てたい方は、後ほどご紹介する自宅とアパートを別々で建てるということも検討した方がよいでしょう。
賃貸面積が50%以上の自宅兼アパートの特徴
賃貸併用住宅が50%以上であるアパートのメリットとデメリットについて詳しく解説します。
メリット
賃貸面積を50%以上にするメリットは以下の通りです。
- 収益性が高い
- 売却しやすい
賃貸部分を多くとると、収益物件としての性格が強くなるため収益性に期待できます。
それぞれ詳しく解説します。
収益性が高い
賃貸面積を広く取ればとるほど。収益性は高くなります。
また、賃貸戸数は多いほど空室リスクを減らすことができるため、賃貸面積を広くとるのであればできるだけ戸数を多く確保できるようにしましょう。
ワンルームであれば、1戸あたりで必要となるスペースは少なくなります。
ただし、想定する入居者層によって適した部屋の広さは異なります。そのため、部屋の広さや間取りはあくまでも入居者ベースで考えることが大切です。
売却しやすい
賃貸部分を広くとれば、収益物件としての性格が強まります。これは、不動産の中古市場としては有利です。
自宅と賃貸が半々であると中途半端であると考えられてしまい、売るに売れなくなってしまいます。
また、投資物件であれば入居者が入っている場合、高値で売りやすいです。
特に、アパートの1室を自宅とする場合は外観も間取りも通常のアパートと変わりありません。そのため、アパートとして売却することができ買い手も見つかりやすいというメリットがあります。
デメリット
続いて、賃貸部分を50%以上にすることのデメリットについてご紹介します。
主なデメリットは以下の通りです。
- 金利の高いアパートローンを借りることになる
- 理想のライフスタイルが叶いづらい
- 入居者とのやり取りが発生しやすい
賃貸面積の方が広いと、住宅ローンではなくアパートローンとなる、自宅部分で理想の設計が難しくなるといったデメリットがあります。
それぞれ詳しく解説します。
金利の高いアパートローンを借りることになる
賃貸部分の面積を広くとると、住宅ローンの適用要件から外れるためアパートローンを借りなければなりません。
2022年現在、住宅ローンとアパートローンの金利には2%以上の差があり、金利分だけでも返済負担が大きく変わります。
返済総額が大きくなれば収益性は落ちますが、賃貸戸数が多ければ金利差を埋めることは可能です。
賃貸面積を広くとるのであれば、まずはどのくらいの戸数を確保できるのかを考えることが大切になります。
理想のライフスタイルが叶いずらい
賃貸部分よりも自宅部分の方が狭いと、理想のライフスタイルが叶えにくくなります。
例えば、ウォークインクローゼットやバルコニー、ガレージは人気な設備です。
しかし、賃貸部分を広くとるとこうした設備や間取りを反映するスペースがとれなくなる可能性が高くなります。後から設置することは、建物増改築を行わない限り厳しいでしょう。
自宅部分をどれだけ柔軟に考えられるのかは、土地の広さや賃貸戸数によっても変わります。そのため、理想の間取りや希望する設備があればどのくらいの広さを必要とするかをざっくりとでも良いのでイメージしておくことがおすすめです。
自宅兼アパートの失敗例や後悔例では、後にご紹介する入居者とのやり取りなど、生活する上で様々なトラブルがよくあげられます。
入居者とのやり取りが発生しやすい
賃貸部分を広くとるということは、それだけ入居者は増えるということです。そうなると、他の入居者と顔を合わせる機会も増えます。
あいさつや建物に関する質問や意見がなされることもあるでしょう。また、設備トラブル発生したときに苦情を伝えられることもゼロではありません。
コミュニケーションが苦でないのであれば良いですが、「できるだけ入居者と距離を置きたい」と考えている方は自宅部分を広くとるか、後でご紹介する別々で建てるといった方法がおすすめです。
このように、自宅兼アパートにはいくつかのパターンがあるため、どの建て方が良いのか判断がつかない方も多くいらっしゃるかと思います。
建て方や間取りなど、自宅兼アパートに少しでも不安や疑問があるのであれば一度プロに相談することもおすすめです。
日本最大級の土地活用プラン比較サイトであるイエウール土地活用なら、お持ちの土地に合わせて最適な自宅兼アパートの建築プランを取り寄せることができます。
一度に複数のハウスメーカーが作成したプランを取り寄せることができますので、ご自身にとってベストなハウスメーカーはどこか比較検討することも可能です。
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自宅部分と賃貸部分を別で建てる自宅兼アパートの特徴
続いて、自宅と賃貸を別で建てる自宅兼アパートのメリットとデメリットについて詳しく解説します。
メリット
自宅と賃貸を別で建てるメリットは以下の通りです。
- 入居率が高い
- 設計の自由度が高い
- 入居者との動線を完全に分けられる
自宅兼アパートでは、自宅と賃貸を同じ敷地内で別々で建てることもあります。
それぞれの建物が完全に独立しているため、自宅と賃貸両方のいいとこどりのような建て方です。
各メリットについて詳しく解説します。
入居率が高い
自宅部分と賃貸部分が一体となっている場合に比べて、入居率が高いことがメリットです。
入居者側からみても、大家が同じ建物に住んでいるという環境に対してマイナスなイメージを抱く方も多くいます。
自宅と賃貸部分を別で建てることで、マイナスイメージを取り除き入居率に期待することができるでしょう。そのため、収益性にも期待することができます。
設計の自由度が高い
建物それぞれが独立していれば、自宅と賃貸の兼ね合いによる制約がなくなります。そのため、圧倒的に自由な設計が可能です。
特に、賃貸部分では入居率を高めるために他のアパートとの差別化がポイントになります。
設計に自由が利くのであれば、競合アパートにはない魅力的な設計や設備を取り入れて建てることができるでしょう。
入居者との動線を完全に分けられる
建物を別で建てることで、他の入居者との生活動線を完全に分けることができます。
敷地内であっても、それぞれの建物の間に塀を作る、建物の入口を南北で分けるといった設計で入居者と顔を合わせる機会をかなり少なくすることが可能です。
自宅兼アパートでは、入居者と同じ建物で暮らすため物理的な距離も近く生活動線も被ることが多いですが、建物が別であればその心配もいりません。
デメリット
自宅と賃貸を別で建てるデメリットは以下の通りです。
- 建築費が高くなる
- 比較的広い土地が必要
自宅と賃貸を別で建てることはメリットも多いですが、デメリットももちろんあります。
それぞれ詳しく解説します。
建築費が高くなる
自宅と賃貸を別で建てると、2つの建物を建てることになります。そのため、自宅兼アパートの建築費としてはかなり高くなってしまうでしょう。
建築費がどれくらいになるのかは、土地の広さや建物規模などにより異なるので一概にいくらと表すことはできません。
しかし、その状況によっては一つの自宅兼アパートを建てる場合に比べて1.5倍~2倍以上の建築費がかかる可能性もあります。
そのため、建築費が高くなる分家賃収入がどれくらい入ってきそうかについても忘れずに考えておくことが大切です。
比較的広い土地が必要
自宅と賃貸を別々で建てる場合、最低でも100坪以上の土地が必要になります。
広さによってはそもそも別で建てることができないケースもあるので、お持ちの土地に2棟の建物が建つスぺースがありそうか確認してみるのがおすすめです。
もちろん、100坪というのはあくまでも目安です。100坪以下でも不可能ではありませんので、ハウスメーカーの担当者などに相談しておくと良いでしょう。
自宅兼アパートの間取り
自宅兼アパートでは、建て方以外にも間取りが重要になります。ここでは、自宅兼アパートでよくある4種類の間取りについて解説します。
横割りの間取り
横割りの間取りは、自宅部分と賃貸部分をフロアごとに分けた間取りのことです。
2階建ての賃貸併用住宅を建てる場合、自宅部分を2階にするのか、1階にするかで暮らしやすさが異なります。
ここでは、自宅兼アパートを横割りの間取りにするメリットとデメリットを解説します。
メリット
横割りの間取りでは、ワンフロアを自宅にすることができるため、居住空間を広く取れることがメリットです。
また、自宅部分を1階にすることで、庭を利用することができたり、賃料の高い2階を賃貸にして収益性を高められたりもします。
一方で、自宅部分を2階にすると、上階の足音が気にならないことや屋上を利用できるといったメリットがあります。
デメリット
自宅兼アパートを横割りの間取りにして、自宅部分を1階にすると上階の生活音が気になることがデメリットです。
上の階から足音や生活音などがすると、その音がストレスに感じてしまい、マイホームなのに快適な生活を送ることができない可能性があります。
また、自宅部分を2階にすると階段の昇降があることがデメリットになります。特に高齢者と一緒に暮らす場合、階段の昇降が難しい場合があるため、しっかりと検討する必要があります。
縦割りの間取り
縦割りの間取りは、建物を左右に区切り、自宅部分と賃貸部分が左右に並んでいる間取りのことです。ここでは、自宅兼アパートを縦割りの間取りにするメリットとデメリットを解説します。
メリット
縦割りの間取りでは、建物を左右に区切ることから、1階から最上階まで、それぞれ縦の空間を利用することができます。
そのため、横割りの間取りで発生する可能性がある生活音の問題が発生しないことが大きなメリットでしょう。
また、縦割りの間取りにすることで、住宅ローンの利用条件である自宅部分の面積が50%以上を達成しやすくなります。
デメリット
縦割りの間取りでは、建物の中に階段を作らなければならないため、その分の部屋面積が小さくなってしまうことがデメリットです。また、高齢者がいる場合、階段の昇降も考えなければなりません。
二世帯住宅タイプの間取り
二世帯住宅タイプの間取りは、実家を建て替えて二世帯化するときによく用いられる間取りのパターンです。ここでは、自宅兼アパートを二世帯住宅タイプの間取りにするメリットとデメリットを解説します。
メリット
二世帯住宅タイプの間取りでは、住宅ローンを利用しても賃貸部分の面積をある程度確保することができます。
また、ライフスタイルに合わせて間取りを変更することも可能となっています。例えば結婚や出産、親の介護などで一緒に暮らす人数が増えた場合は、賃貸部分を居住スペースにして、自宅部分を広く取ることができます。
一方で、子供の独り立ちなどで広い部屋が不要になった場合は、自宅部分の一部を賃貸部分に回して収益性を高めることも可能です。
デメリット
二世帯住宅タイプの間取りでは、建築費用が他の間取りタイプに比べて高額になることがデメリットです。
二世帯住宅タイプにすると設備数や部屋数が多くなってしまうことから、建築費用が高額になってしまいます。
そのため、賃貸部分の仕様を落としたり、部屋数を減らして1部屋当たりの面積を広くすることがおすすめです。
アパートの1室を自宅にする間取り
アパートやマンションのような建物を建て、その1室を自宅にするという間取りもあります。ここでは、自宅兼アパートで賃貸の1室を自宅にする間取りのメリットとデメリットを解説します。
メリット
賃貸の1室を自宅にする間取りでは、賃貸物件を増やすことができることから、自宅兼アパートの収益性が高くなります。
そのため、マイホームと一緒に最大限の家賃収入がほしいと考えている人はこの間取りタイプがおすすめです。
デメリット
賃貸の1室を自宅にする間取りでは、横割りや縦割りの間取りに比べて、自宅部分の面積が狭くなることから、住宅ローンは利用できません。
また、賃貸物件の1室に住むことになるため、マイホーム感がないのもデメリットに感じるかもしれません、
自宅兼アパートの建て方を選ぶ基準
ここまで、自宅兼アパートにある3つの建て方や間取りについて詳しく解説してきました。
色々な建て方がある分、どの方法で建てるのが良いのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
そこで、本章では3つの建て方ごとにおすすめなケースをご紹介します。
自宅面積を50%以上で建てた方が良いケース
自宅面積50%以上で建てた方が良いケースは、以下の3つです。
- マイホームを持ちたいけど費用が気になる場合
- 2世帯住宅にすることも検討している場合
金利の低い住宅ローンを借りることができれば、月々の返済を抑えつつ家賃収入から完全にまかなうこともできます。
また、2世帯住宅としても自宅兼アパートを活用する場合、自宅部分の面積を広くとった方が間取りの変更などがスムーズです。
将来的に間取りの変更などを行う予定であれば、自宅部分を広くとることに越したことはありません。
賃貸面積を50%以上で建てた方が良いケース
賃貸面積50%以上で建てた方が良いケースは、以下の3つです。
- 自己資金を3割以上用意できる場合
- 自宅の広さよりも収益性を重視したい場合
- 将来的に売却を検討している場合
賃貸面積が50%以上の場合、建物規模も大きくなりやすいため建築費用も高額になる傾向にあります。構造や階数により異なりますが、建築費だけで1億円ほどかかることも珍しくありません。
そのため、自己資金を多く用意できればそれだけ収益性が高まります。目安としては、建築費用の3割以上を用意することができるのであれば、賃貸面積を広く取り収益物件の性格を強めるのもおすすめです。
売却においても、投資用の性格を強めたほうが需要もあり高値で売りやすいという特徴があります。
また、自宅の広さや間取りなどにこだわりがない場合も賃貸面積を広くとると良いでしょう。ご自身のライフスタイルや将来のことも見据え、自宅兼アパートのの建て方を考えることが大切です。
自宅と賃貸を別で建てると良いケース
自宅と賃貸を別で建てた方が良いケースは、以下の3つです。
- 100坪以上の広さがある場合
- 入居者と動線を完全に分けたい場合
- スムーズに相続を行いたい場合
自宅と賃貸を別にする場合、2つの建物を同じ敷地内に建てるため最低でも100坪程度の広さがあるとベストです。100坪以上の広さがあれば、自宅とアパートを別で建ててもそれぞれ十分な広さを確保できます。
また、自宅とアパートが一体化していると、どうしてもお互いに気を遣うこともあるでしょう。建物が別だと動線を分けられプライベート空間がしっかりと保てます、他の入居者との交流が発生しないか不安な方は、別で建てることを検討する方が良いかもしれません。
相続においては、自宅とアパートを別で建てることがメリットにもなります。自宅とアパート、2つの不動産を相続させることが可能になり相続人に納得してもらいやすくなるでしょう。
自宅兼アパートにかかる建築費用
実際に自宅兼アパートを建築するにあたって、どれくらいの費用がかかるのかを知っておくことは大切です。費用を把握しておくことで、資金計画が練りやすくなり、無理なく賃貸経営を開始できます。
建築費は自宅兼アパートの規模や構造などで変わるため、自身の希望する条件だとどれくらいの費用が発生するのかを知っておきましょう。
建物の建築費用(本体工事費)
自宅兼アパートの建築費用は、どの構造で建てるかによって大きく異なります。
構造・階数ごとの建築費用の相場は以下の通りです。総額は、50坪の土地に建てた場合を想定しています。
構造 | 1坪あたりの単価 | 適した建物の階数 | 総額 |
木造 | 75万~110万円 | 2階建て | 3750万円~5500万円 |
軽量鉄骨造 | 80万~120万円 | 2~3階建て | 4000万円~6000万円 |
重量鉄骨造 | 90万~130万円 | 3~5階建て | 4500万円~65000万円 |
鉄筋コンクリート造 | 100万~140万円 | 3~5階建て |
最も坪単価が低いのは木造ですが、2~3階建てが適当です。2階建ては初期費用を低くできるものの、自宅部分とアパート部分のそれぞれを広く取ることができず、収益性に劣ります。
重量鉄筋造や鉄筋コンクリート造なら階数を増やせるため、収益性を高めたり、自宅を広く取ったりすることも可能です。しかしその分建築費用が高くなることは理解しておきましょう。かかる費用と得られる収益を考え、どれくらいの規模で自宅兼アパートを建築するのかを考えておくことが大切です。
諸費用
自宅兼アパートの建築費用は、本体工事費以外にもいくつかの諸費用がかります。
主な諸費用とその相場は以下の通りです。
項目 | 相場 |
土地調査費 | 10万円~50万円 |
設計料 | 建築費の10% |
水道分担金 | 100万円前後 |
各種税金 | 100万円前後 |
保険料 | 15万円~40万円(5年一括契約) |
ローン手数料 | 5万円~10万円 |
税金は、自宅兼アパートを建てたときにかかる不動産取得税と登録免許税、抵当権設定登録免許税の3つです。このうち、不動産取得税は建築費の50%~60%×3%となるため、建築費によっては100万円以上かかります。
これら諸費用を合計すると、建築費の10%が目安です。
税金や保険料などはアパートローンでまかなうことができません。そのため、諸費用分の現金は用意しておくと安心です。
自宅兼アパートでは、自宅部分を建物全体の50%以上で設計すると初期費用を住宅ローンで借りることができるのが魅力です。
しかし、建築費用が実際にいくらかかるのかはお持ちの土地やご自身の希望などによって大きく変わります。そのため、自宅兼アパートをお考えの方は一度詳細な建築費の見積もりや設計について、複数の建築会社に相談してみることをおすすめします。
日本最大級の比較サイトイエウール土地活用では、お持ちの土地の情報をもとに複数のハウスメーカーから自宅兼アパートのプランを取り寄せることができます。
プランには建築費用はもちろん収益性などのシミュレーションも確認することができるので、自宅兼アパートを建てるイメージが湧きやすくなるでしょう。
\建築費は?初期費用は?/
失敗しないハウスメーカーの選び方
自宅兼アパートを建てるには、どのこハウスメーカーに相談すればよいか迷われる方も多くいらっしゃいます。
そこで、本書では自宅兼アパートの建築に強く信頼して任せられるハウスメーカーの選び方について3つご紹介します。
賃貸併用住宅を売っているハウスメーカーから選ぶ
賃貸併用住宅を商品としてラインナップしているハウスメーカーは、設計や建築のノウハウが豊富です。そのため、始めて賃貸経営を行う方でも安心して相談できる環境が整っています。
大手ハウスメーカーでは、時代にあった設備や間取りなどを積極的に採用していますので、競争力のある自宅兼アパートを建てることができるでしょう。
ただし、設計はあらかじめ規格化されていることが多いので、どの程度希望を反映できるのかを担当者に確認しておくことが大切です。
サポート体制もチェックする
今日、多くのハウスメーカーではアフターサポートも充実しています。
自宅兼アパートは建てて終わりでありません。修繕や入居者対応などを行う必要がありますが、サポートがあればトラブルが起こったときなどに心強い味方となってくれます。
サポート内容は様々あり、24時間のコールセンターや各種保証制度などはよく見られるものです。
ただし、サポート内容は各ハウスメーカーで大きな違いがありますので、各社のアフターサポートをチェックしご自身にとってベストなものは何か検討すると良いでしょう。
複数のハウスメーカーに相談する
自宅兼アパートについて相談できるハウスメーカーは多くありますが、1社のみの相談ではその会社が自分にとってベストかどうか判断することはできません。
例えば、相談した際に作成される建築プランは、各社で建築費用や収益性などが全く異なります。
自宅兼アパートについて相談する際は、必ず複数のハウスメーカーに相談し建築プランを比較検討することが大切です。あらゆる建築プランを比較することによって、自分にとってベストなかたちでスタートさせることができます。
自宅兼アパートの建築で安定収入を獲得しよう
自宅兼アパートは、住宅ローンが使える、家賃収入でローンをまかなうことができるなど魅力的です。
しかし、その建て方には3つのパターンがあり、どのパターンが最適かは状況によって異なります。
本記事を参考に、ご自身の状況にあったベストな建て方で自宅兼アパートを建てることができるようにしましょう。
記事のおさらい