オートロックマンションとは、エントランスに自動の施錠システムを設置したマンションです。マンションの住人以外は開錠できないようになっているため、不審者やセールスといった外部からの侵入を防ぎます。
しかし、オートロックマンションだからといって、防犯性や安全性を過信してはいけません。共連れや入れ違えによる侵入や、暗証番号の漏洩、集合キーを同じ型の鍵で開錠されるなど、さまざまな危険性があります。
本記事では、オートロックマンションの仕組みや安全性そしてメリット・デメリットを解説します。ぜひ、参考にしてみてください。
マンション購入はデメリットだらけ?メリットやデメリットを解説!
オートロックマンションとは?
オートロックマンションとは、マンションの共用部分であるエントランスに自動施錠システムが設置されているマンションのことです。オートロックシステムのドアは、マンション内部にいつ住民が開錠するか、専用の鍵やカードキー、暗証番号、指紋認証や顔認証を使って開錠します。
外部の人間がマンション内に立ち入ることができないため、不審者やセールスの侵入を防ぎ、空き巣に狙われにくいというメリットがあります。
そのため、マンションの購入や賃貸契約の際、防犯意識からセキュリティ面がしっかりしたオートロックマンションを条件に挙げる人は珍しくありません。
とくに1人暮らしの女性の場合、マンションの防犯設備がどれだけ充実しているかは重要なポイントです。
しかしすべての防犯に「万全」がないように、オートロックマンションであっても、100%安全というわけではありません。
そのため、オートロックマンションの購入を検討する際は、セキュリティが強いマンションを選ぶことが大切です。オートロックの種類と特徴は以下のとおりです。
■オートロックマンションの種類と特徴
オートロックの種類 | メリット | デメリット |
---|---|---|
集合キータイプ | 鍵を複数持たなくていい | 鍵を複製される |
鍵を家に忘れて入れない | ||
カードキータイプ | 鍵を複製されるリスクが小さい | 折り曲げて破損するリスクがある |
財布に入れて持ち運びができる | 再発行は手続きや費用が掛かる | |
暗証番号タイプ | 鍵を持たなくていい | 第三者に暗証番号を盗み見られるリスクがある |
鍵を複数されない | 暗証番号を忘れると一時的に入れない | |
生体認証 | 鍵を複数されるリスクが小さい | 指紋が読み取られないことがある |
鍵を持たなくていい | 一般的なマンションでは普及されてない |
集合キータイプはセキュリティが高くはない
集合キーは部屋の鍵と同じ鍵を使用してエントランスのロックを開錠するシステムです。オートロックの中でも最も多いタイプとなっています。部屋の鍵とエントランスを解錠する鍵が同じなので、鍵を複数もつ必要がないといったメリットがあります。しかし、鍵を複製されるリストもあるためセキュリティが高いとはいえません。
カードキータイプは複数されにくい
カードキーは磁気カード、または非接触ICカードで開錠するタイプで複製がされにくいのがメリットです。集合キーよりもセキュリティは高くなっています。しかし、磁気カード式はキャッシュカードやクレジットカードとの混在によって、エラーを起こしやすくなるのがデメリットです。
暗証番号タイプは広く普及している
暗証番号タイプは0〜9までの数字を組み合わせた暗証番号を入力して開錠するタイプで、家に鍵を忘れることや複数されることがないのがメリットです。その反面、不審者に暗証番号を見られる可能性があるなどのデメリットもあります。
生体認証が主流になってくる
生体認証はセンサーに指紋、または顔をかざして認証して開錠するタイプのオートロックです。鍵やカードを持ち歩いたり、暗証番号を覚える必要がないのがメリットといえます。生体認証のデメリットとしては、指紋を読み取られずマンション内に入れない可能性があることです。また、導入費用が高額なため高級マンションを中心に導入されています。
オートロックマンションのメリット
オートロックマンションのメリットは外部の人間の侵入を防ぐことができるなどセキュリティの高さです。オートロックマンションの主なメリットは以下のとおりです。●不審者の侵入を防ぐ
●訪問営業を回避しやすい
●安心感がある
不審者の侵入を防ぐ
オートロックマンションは前述したとおり、マンションの共用部分であるエントランスに自動施錠システムが設置されています。そのため、鍵を持っていない者は基本的にはエントランス内部に侵入することはできません。
また、二重ロックが完備されているマンションであればよりセキュリティは強いです。オートロックマンションはストーカーや不審者の侵入を防ぐことができるのです。
訪問営業を回避しやすい
オートロックマンションでは、訪問営業をエントランスのインターホンで対応できるといったメリットがあります。オートロックマンションでない場合は、玄関先かインターホンで対応できますが、心理的不安が大きいといえます。
また、訪問営業する人はオートロックマンションを避ける傾向があるので、セールスなどの勧誘に悩まされることが減るでしょう。
安心感がある
オートロックマンションは基本的に外部の人をエントランスで遮断し、玄関先まで外部の人が来ることがないので、安心感があるといってもよいでしょう。オートロックマンションでないと無関係の人が玄関先まで来ることが多くあるので安心感を重要視するのであればオートロックマンションがおすすめです。
他にも、詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
ペントハウスとはどういう意味?間取りや購入のメリットとデメリットを徹底解説!
オートロックマンションのデメリット
オートロックマンションはメリットがある反面、デメリットもあります。オートロックマンションのデメリットは主に以下のことが挙げられます。●管理費や共益費が高い
●配達員が玄関先まで配達できない
●防犯意識の低下につながりやすい
管理費や共益費が高い
オートロックマンションはメンテナンスなど継続的に費用が掛かるため、オートロック付きでないマンションと比べ管理費や共益費が高くなる傾向があります。宅配便をエントランスまで取りに行く
オートロック付きでないマンションと比べ、オートロックマンションは新聞などを玄関先まで配達してもらうことができません。そのため、宅配便がある場合は、エントランスまで自身で取りに行かなければなりません。
防犯意識の低下につながりやすい
オートロック付きで安全だと思い込み防犯意識が緩む可能性があります。確かにオートロックマンションはオートロックがないマンションと比べると不審者などの侵入を防ぐことが可能です。しかし、前述したとおり、オートロックマンションだからといって不審者の侵入を100%防げる訳ではありません。
オートロックマンションでも侵入される?
オートロックマンションでも不審者に侵入される可能性はあります。オートロックマンションはセキュリティ面で安全ではありますが、オートロックに対する過信は禁物です。共連れや入れ違えによる侵入
「共連れ」や「入れ違え」は、オートロックマンションへの侵入で最も多い手口とされています。共連れとは、住人や来客、配達人などがオートロックを開錠した際、住人を装って後ろからスッと中に入っていく手口です。
入れ違えは、住人が外に出ていくタイミングに合わせて、すれ違いざまに中へ入っていく手口のことを意味します。
【対策方法】
●少しでも不審に思った場合は、エントランスに一緒に入らない、一旦外に出て様子を見るといった対策を取りましょう。
●エントランス付近や駐車場などで見たことない人物を見かけたときは、「こんにちは」などと、積極的に挨拶をしましょう。
●空き巣などの犯罪者は、住民から声をかけられるのを嫌がり、侵入を諦めるケースもあります。
非常口や駐車場入口から侵入される
オートロックによってマンションのエントランスが守られていても、住人用の裏口ドアや非常口、駐車場入り口などの管理がずさんであれば、そこから侵入されてしまう場合があります。たとえば、ドアが開きっぱなしで施錠されていない、または簡単にピッキングされてしまうような鍵を使用しているなどです。
【対策方法】
●簡単に入れそうな侵入経路がある場合は、マンションの管理組合に相談しましょう。
●駐車場入り口のドアなどの施錠を住民同士で徹底する
ほかの鍵が一致して開錠されてしまう
集合キータイプのオートロックマンションで使用されている鍵は、マンション内での汎用性を考えて、比較的簡易的な作りのものが多い傾向です。オートロックに合う鍵を作るのが容易なため、代用鍵によって簡単にオートロックを開錠されてしまう可能性があります。
【対策方法】
●集合キータイプのオートロックマンションを契約する際は、鍵の種類やそのほかの防犯対策について、不動産会社の担当者に確認しておくことが大切です。
暗証番号の漏洩
代用鍵を作られてしまう可能性がある集合キーよりもリスクが低いと思われがちな暗証番号ですが、外部の人に暗証番号が漏れてしまえば、簡単に開錠されてしまいます。たとえば、暗証番号を入力しているところも背後から盗み見られる、住人の子供から暗証番号を聞き出すといった可能性はゼロではありません。
親や友人、恋人など、親しい人に暗証番号を教えてしまう人もいるため、そこから暗証番号が漏洩し、犯罪につながる可能性もあります。
【対策方法】
●暗証番号は同じ番号の羅列や、自分や家族の誕生日などにしないようにすることです。
●定期的に暗証番号を変更することをおすすめします。
オートロックに安心して自宅の防犯対策を怠る
オートロックマンションを過信してしまうと、短時間の外出時にドアを施錠しない、窓や鍵を閉めずに就寝や外出をするなど、自分の部屋の防犯対策を疎かにしてしまうケースがあります。防犯対策を怠ると、オートロックをかいくぐられて空き巣被害にあったり、ほかの犯罪に巻き込まれたりする可能性があります。
【対策方法】
●オートロックであっても、ドアや窓の施錠をしっかり行うのはもちろん、開錠しにくい鍵に取り替えたり、窓にウインドロックを設置するといった防犯対策をしっかり行っておきましょう。
●自宅のドアの鍵が1つの場合は、もうひとつ鍵を設置して2ロックにしましょう。賃貸マンションであっても、自己負担なら許可が降りるころがほとんどです。
オートロックマンションの内見時の注意点
オートロックマンションの購入を検討するのであれば、セキュリティが高いマンションを選びたいものです。そのためにはオートロックマンションの内見時に以下5つのポイントをしっかり確認しましょう。
●オートロックの種類や構造を確認
●エントランス以外の共用部に侵入経路がないか確認
●防犯カメラの設置箇所を確認
●セキュリティ対策や管理体制を確認
●マンション住人の防犯意識を確認
オートロックの種類や構造を確認
オートロックマンションの内見時ではオートロックの種類を確認しておきましょう。集合キータイプなら鍵はどんなものを使用しているか、暗証番号タイプなら、住人それぞれが自由に設定できるものかどうかなど、細かいところまでチェックすることが大切です。
また、オートロックの構造についても、誤作動対策は行われているかなどをしっかり確認しておきましょう。
オートロックによっては、自動ドアの間に薄い紙を差し込むだけで、センサーが誤作動を起こしてしまうケースもあるからです。
エントランス以外の共用部に侵入経路がないか確認
マンション内部への侵入経路はエントランスだけではなく、以下の経路からも侵入されるケースがあります。● マンションの敷地を囲む塀やフェンスが乗り越えられる高さである
● 住人専用の裏口ドアがある
● 駐車場や駐輪場からマンション内部へ入れるドアがある
上記の特徴がある場合は、簡単にマンションへの侵入を許してしまう可能性があるため、共用部の防犯対策について不動産会社に確認しましょう。
また、実際に物件を見学し自分の目でチェックすることも大切です。
裏口ドアや駐車場や駐輪場の出入り口、非常口などが開きっぱなしになっている場合は、住人の防犯意識が低く、マンションのセキュリティレベルに問題がある可能性があります。
さらにマンションの雨樋を伝って侵入する可能性もあるので、忍び返しをつけているかなど、雨樋の防犯対策についても忘れずに確認しておきましょう。
防犯カメラの設置箇所を確認
防犯カメラの設置は、空き巣などの侵入を防ぐために有効な手段のひとつです。マンション内のどこに、何箇所防犯カメラが設置されているかによって、マンションのセキュリテレベルにも差が出てきます。
エントランスはもちろん、エレベーターや各階の通路、集合ポストの防犯カメラは、外部の侵入者だけでなく、マンションの住人による犯罪を防止する効果があります。
このほか、ゴミ置き場や駐車場、駐輪場、住人用の裏口などに防犯カメラが設置されていれば、セキュリティ対策のしっかりしたマンションだと判断してよいでしょう。
セキュリティ対策や管理体制を確認
防犯設備の充実度のほかに、管理人がどれだけ目を光らせているかも大事なポイントです。エントランスに管理人が常駐しているマンションは、住人の顔を覚えてるため不審者のマンション何の侵入を防ぐことができ、防犯性の面で安心できます。
また、提携している警備会社があるかどうかも大切なチェックポイントです。
オートロックマンションのセキュリティを確認する場合は、共用部だけでなく専用部分、マンションの部屋の鍵の種類にも注目しましょう。
玄関の鍵の多くは、シリンダー錠という種類の鍵が使用されています。シリンダー錠にはさまざまな種類があり、防犯性の高さが異なります。
鍵の側面がギザギザになっているディスクシリンダー錠やピンタンブラー錠は、昔からあるスタンダードな鍵です。安価なため広く普及していますが、ピックングが容易で、防犯性が低いというデメリットがあります。
鍵の面の丸いくぼみがたくさんあるのが特徴のディンプルシリンダー錠は、近年普及が広まっているシリンダー錠です。構造が複雑なためピッキングに強く、従来のシリンダー錠よちも防犯性が高いところがメリットです。
入居を考えているマンションの候補がいくつかある場合は、鍵の種類のひとつであるディンプルキーであることをおすすめします。ディンプルキーは構造が非常に複雑で合鍵を作るのに大変な労力を要するので、防犯性の高い鍵です。
鍵の種類がディンプルキーかどうかをひとつの判断基準とするのもよいかもしれません。マンション住人の防犯意識が高いか確認
マンション内での積極的な声かけは、非常に有効な防犯対策です。マンション見学時に住人からの挨拶や声かけが多いマンションは、全体的に防犯意識が高い傾向にあります。住人の防犯意識を確認するもう1つの手段として、集合ポストのチェックがあります。
施錠していないポストが多い、封筒やチラシがはみ出ている状態のポストがある場合は、防犯意識の低い住人が多いという証拠になります。
住人の防犯意識はマンションの防犯性に大きく関わってくるので、そういったところもしっかりチェックしておきましょう。オートロックマンションでも自身での防犯対策が必要
オートロックマンションだからといって、100%侵入者を防げるわけではありません。共連れや入れ違えによる侵入、暗証番号の漏洩による侵入、裏口など共用部からの侵入など、さまざまな危険性があります。オートロックマンション=安全と過信せずに、1ドア2ロック、鍵はディスクシリンダー錠の場合はディンプルシリンダー錠へ変更するなど、自分自身でもしっかり防犯対策を行いましょう。
また、マンション選びにおいて重視すべきポイントはセキュリティ面だけではありません。
周辺環境や室内設備、間取りなど他の条件についても、しっかりと考えておかないと後悔の残るマンション購入となってしまうかもしれません。
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