アパートの建て替えを始める前に知っておくべき基礎知識を解説!

アパートの建て替えを始める前に知っておくべき基礎知識を解説!

老朽化したアパートを所有している方のなかには、建て替えを検討している方もいるのではないでしょうか。中には、家賃収入は減っているのに所得税の負担が大きくなっていたり、ボロアパートを子供に引き継がせるのはどうかと思っている人もいるでしょう。

特に築30年以上のアパートでは、空室率が上がり、修繕費だけがかさんでしまうことも少なくありません。さらには、空室が増えてしまうと、相続税対策にもならない可能性があることから、老朽化したアパートを放置することはとても危険です。

したがって、老朽化により空室がどうしようもない場合、アパートを建て替えることが必要になってきます。

そこでこの記事では、アパートの建て替えの基礎知識を網羅的に解説します。建て替えが必要な目安や建て替えることで得られるメリット、建て替えでは必須となる立ち退き交渉のポイントまで紹介していきます。

\建築費は?初期費用は?/

大手10社の収益プランを比較する
STEP1右矢印
土地の有無
STEP2右矢印
都道府県
STEP3右矢印
市区町村
STEP4右矢印
町名
STEP5右矢印
字・丁目

アパート経営の初期費用や維持費用については、以下の記事をご覧ください。

アパート経営にかかる費用とは?費用の種類や回収にかかる期間についても解説します

アパートを建て替える目安

まずアパートの建て替えと聞いて「自分のアパートは建て替えが必要なのだろうか」と考えた人もいらっしゃるでしょう。そこでここでは、アパートを建て替える目安を紹介します。

築年数が30年以上

所有しているアパートの築年数が30年以上であれば建て替えの目安といえます。なぜなら、税制上のメリットが薄まることが多いからです。

アパート経営では、アパートの建築費を減価償却費として毎年、経費計上できるメリットがあり、経費として計上できる費用が増えると、所得税を節税することができます。この減価償却費は、法的耐用年数をもとに金額と回数(年数)が決まっています

構造耐用年数
木造22年
鉄骨造 骨格材の厚み3mm以下19年
鉄骨造 骨格材の厚み3mmを超え4mm以下27年
鉄骨造 骨格材の厚み4mm以上34年
鉄筋コンクリート造47年

木造では22年、鉄骨造では材料の厚みで前後しますが19~34年と定められているため、築年数が30年を超えていると減価償却が終わっているはずです。この減価償却が終わってしまうと、経費にできる費用も減ってしまい節税効果が薄くなります

したがって、築年数が30年以上のアパートであれば建て替えを検討する方がよいでしょう。

空室率が50%以上

所有しているアパートの空室率が50%以上であれば、建て替えの目安です。

空室率が上がる要因として、間取りや設備がニーズに合っていなかったり、見た目が悪く内見の印象が悪いなどが考えられます。また、築年数が古いと入居希望者の目に留まりづらくなります。

これらのような空室率を上げる要因を、全て解決できる方法が建て替えになります。アパートの建て替えを行うことで、新築になり、設備や間取りを最新のものに変更することができます

逆に空室が多ければ、立ち退き交渉をする回数も減り、負担する金額も減らせるため、空室率が50%以上であれば、思い切って建て替えに踏み切ってよいでしょう。

デザインや間取りが古い

築30年のアパートとなると、現在の入居者のニーズに合っていないデザインや間取りをしていることがほとんどでしょう。

所有しているアパートが入居者のニーズに合っていないければ、新しい入居者は集まらないため、建て替えをする目安となります。ファミリー向けの間取りのアパートを経営している場合、単身者向けのワンルームや2人暮らし用の間取りに変更するだけで、入居者が増えるかもしれません。

また、今の流行りのデザインと30年前の流行りのデザインは異なるでしょう。特に水回りや浴室・洗面設備は、今と30年前ではデザインが異なるため、建て替えをするのであれば、注目したいポイントです。

小さな設備の取り換えであれば、定期的なメンテナンスで対応できますが、どこかのタイミングで建て替えを行うことで、効率よく入居者を集めることができます。

活用事例:プリエシェノン

メゾネットタイプの2LDKアパートです。メゾネットタイプとすることで、多くの木造賃貸アパートで起こりうる生活音の問題が起きにくい作りとなっています。お子様がいらっしゃるファミリー層から高いご支持を頂いています。
(川木建設株式会社の土地活用事例)

アパートを建て替えないと発生するリスク

前章では、アパートを建て替える目安を紹介しましたが、実際アパートを建て替えようとすると多くの費用と手間がかかります

しかし、建て替えが面倒だからと言って、老朽化したアパートを放置してしまうことは、多くのリスクにさらされてしまうため、おすすめできません。

そこでここでは、老朽化したアパートを放置すると発生するリスクを紹介します。

入居者が集まらない

アパートが老朽化して、外観や内装の見栄えが悪くなると、入居者が集まらなくなります。

日本人は、新しいものを好む傾向があるため、老朽化した築古のアパートよりも新築のアパートを好みます

たとえば、同じ家賃の価格で新築のアパートと築30年のアパートがあるとしたら、新築の方を選ぶ人の方が多くなるでしょう。

加えて最近では、建物の外観や内装がおしゃれな物件が増えていることから、老朽化したアパートでは、こういった物件に競争力で劣ってしまいます

こうなると、空室増加にもつながるため、入居者を集める工夫が必要になります。

修繕費が増加する

アパートが老朽化すると、修繕を行う必要があり、年数が経過すればするほど、修繕費の負担が大きくなります

老朽化したアパートでは、空室も多く、十分に家賃収入を得られていないことも多いため、修繕に充てる費用も確保できないことが多いです。

しかし、その場つなぎの修繕でアパート経営を続けていくと、結果として老朽が早まることもあり、さらに修繕費の負担が大きくなるという悪循環に陥る可能性もあります。

耐久性・耐震性が低下する

老朽化したアパートでは、耐震性・耐久性が低下してしまっていることが多いです。

耐震性や耐久性が低いと、大規模な耐震補強工事が必要になることもあり、さらに費用が発生します。

また、耐震性において、旧耐震基準(1981年5月31日)以前に建てられたアパートを所有している場合は、一度、耐震診断を実施することをおすすめします

耐震診断を行わず、仮に地震が発生してしまい、大きな被害が出てしまうと、法的責任を追わなければならないことがあります。

老朽化したアパートの建て替えの場合、旧耐震基準のアパートでない限り「建物の老朽化による強度不足」という理由だけで立ち退き料なしに立ち退きを要求することは難しいでしょう。そんなときは、施工会社に立ち退きの進め方など相談してみましょう。

いずれにしても、建て替えを検討し始めた段階で施工会社から新しいアパートの建築費用の見積もりをもらう必要があるでしょう。建築費用の見積もりをもらうときは複数の施工会社に問い合わせて建築プランを比較するのがポイントです。

イエウール土地活用ならアパートやマンションの建築実績豊富な大手ハウスメーカーに一括で問い合わせをすることができます。

\建築費は?初期費用は?/

大手10社の収益プランを比較する
STEP1右矢印
土地の有無
STEP2右矢印
都道府県
STEP3右矢印
市区町村
STEP4右矢印
町名
STEP5右矢印
字・丁目

アパートを建て替えるメリット

前章では、老朽化したアパートを放置してしまうと発生するリスクを紹介しました。しかし、このリスクを対策するためのアパートを建て替えるとさまざまなメリットを得ることができます

そこでここでは、アパートを建て替えると得られるメリットを紹介します。

入居率が上がる

アパートを建て替えると、新築や近さ物件に住みたいと考えている人を対象に入居募集を行うことができるため、入居率が上げることができます。

入居率が高くなることで、家賃収入を増やすことができ、収益物件として安定した利益を上げてくれるでしょう。また、新築では高めに家賃設定をすることができることからも、家賃収入の増加を見込めます。

このように、建て替えを行うことで、空室が減り、家賃収入が増えるというメリットがあるのです。

メンテナンスの回数が減る

アパートを新築に建て替えることで、メンテンナンスの回数を減らすことができます。

老朽化したアパートでは、修繕が完了したと思ったら次の部分が故障して修繕が必要になるようなことが多々あります。

しかし、新築のアパートでは、新しい設備を取り付けることになるため、よほどのことがない限り、当分の間、メンテナンスは不要になります。

支出が減る

アパートの建て替えを行うことで、これまで老朽アパートにかかっていたさまざまな支出が減ります。

  • 修繕費
  • リフォーム費用
  • 入居者募集のための広告費
老朽化したアパートでは、設備が寿命を迎えてしまい、取り換えや修理が必要になることが多くなります。また、退去者が増え、空室も増えてしまうため、退去した部屋のリフォームや入居者募集のための広告費がかかります。

しかし、新築に建て替えることで、これらの費用を一気に減らすことができます。

老朽化したアパートを放置していても、これらの費用は増えていくだけなので、上記で解説した建て替えの目安をもとに一度、建て替えを検討してみましょう。

アパートを建て替えると得られる節税効果

アパートを建て替えると上記のメリットに加えて、相続税と所得税の節税になります。ここでは、相続税と所得税にどんな節税効果があるのか解説します。

空室が減ることによる相続税の節税

まず、不動産を相続するときは土地と建物部分に分けて相続税を考えていきます。

土地と建物はそれぞれに評価額が決められており、土地については、国税庁が決める路線価を元に算出され、建物については、市町村が決定する固定資産税評価額をもとに相続税が算出されます。

また、相続税には、貸家建付地と借家権割合という減額措置があり、これを適用させることで、相続税の評価額を軽減させることができます

  • 貸家建付地・・・アパートのなどの賃貸住宅に使用されている土地
  • 借地権割合・・・その土地の権利のうち借地として利用できる割合

相続税評価額が下がることで、表面上の資産の額が下がるため、相続税は節税されます。
そして、土地と建物の相続税は以下の計算式で求めることができます。

土地
  • 土地の評価額=路線価評価額 ×(1-借地権割合(※)×借家権割合(0.3)×賃貸割合 )
(※)借地権割合 : 地域ごとに30%~90%に決まっていて、路線価図に記載
建物
  • 賃貸物件建物の評価額=固定資産税評価額×( 1-借家権割合(0.3)×賃貸割合 )

ここにおける賃貸割合とは、課税時期においてどれくらいの床面積が賃貸されているのかを表した割合です。

賃貸割合は以下の計算式で求めることができます。

  • 賃貸割合・・・Aのうち課税時期において賃貸されている各独立部分の床面積合計÷当該家屋の各独立部分の床面積の合計(A)

たとえば、満室経営をしているのであれば賃貸割合は100%となります。これらの計算式を用いることで相続税がいくらか計算することができます。

借り入れ金による相続税の節税

相続において、借り入れ金は相続する資産を減らしてくれます

築30年のアパートであれば、ほとんどの方がアパートローンを完済しているため、借り入れ金による恩恵を受けられません。

しかし、アパートを建て替えることで、わざと借り入れ金を残し、相続税を減らすようなことも可能です。

先ほどの例に借り入れ金(9,000万円)を含めて相続税評価額を再計算すると、以下のようになります。

  • 相続税評価額-借り入れ金=5,790万円-9,000万円=△3,210万円

この例では、相続税評価額は△3,210万円となり、評価額をマイナスまで下げることができます

このようにもう一度、アパートローンを利用して、借り入れ金を作り、建て替えを行うことで、相続税評価額大幅に下げることが可能になります。

アパートローンを完済し、減価償却も完了してしまったのであれば、相続税対策のために、新たに建て替えてしまう選択肢もあります

減価償却による所得税に節税

アパートを建て替えることで、新しく建てたアパートの建築費用を減価償却費として経費計上できるため、所得税の節税になります。

減価償却費は、初めてアパートを建てたときと同様に、建築費を耐用年数で均等に割り、毎年同じ金額を経費として計上します。

アパート経営では、経費の大部分を減価償却費が占めているため、減価償却費があるのとないのでは、所得税にの負担が大きく異なります

そのため、毎年減価償却費を計上できるようにすることが所得税を減らすために必要になってきます。そこで、建て替えは所得税を大幅に節税する効果があります。

アパートの建て替えで必要な立ち退き

アパートを建て替えると多くのメリットや節税効果を得られるため、建て替えを始めたいと思う方もいらっしゃるでしょう。

しかし、所有しているアパートの入居者がいると、入居者に対して立ち退きを要求しなくてはなりません。

この立ち退きこそが、アパートを建て替えるうえで難しいポイントでもあります。そこでここでは、アパートの立ち退きについて解説します。

立ち退き料が必要な理由

アパートの立ち退きには、入居者によほどの落ち度がない限り、オーナー都合の立ち退きの強制は認められません

これは、借地借家法にオーナー(借家権設定者)と入居者(借地権者)の関係が明記されており、正当事由がない限り入居者には立ち退きの要求を断る権利があるとされています。

(借地契約の更新拒絶の要件)
第六条 前条の異議は、借地権設定者及び借地権者(転借地権者を含む。以下この条において同じ。)が土地の使用を必要とする事情のほか、借地に関する従前の経過及び土地の利用状況並びに借地権設定者が土地の明渡しの条件として又は土地の明渡しと引換えに借地権者に対して財産上の給付をする旨の申出をした場合におけるその申出を考慮して、正当の事由があると認められる場合でなければ、述べることができない。
引用:借地借家法
老朽化したアパートの建て替えの場合、例えば、旧耐震基準のアパートで、耐震性に大きな問題があると指摘された等の理由でない限り、単なる「建物の老朽化による強度不足」という理由だけで立ち退き料なしに立ち退きを要求することは難しいでしょう。

そこで、借地借家法にもあるように、立ち退き料を支払うことで、正当事由のひとつとなり、立ち退きを要求することができます。

立ち退き料の相場

立ち退き料は法律で決められた金額はなく、基本的にはオーナーと入居者の話し合いで決まることが多いです。

話し合いで決まるとはいえ、一般的な相場は存在し、その金額が家賃6か月分程度が目安とされています。この金額は、今住んでいるアパートを退去し、新居に住むための費用となっており、引っ越し費用や電話・インターネット費用などが含まれています。

しかし、あくまでこの金額は目安であり、それ以上に立ち退き料を要求されることもあるため、慎重に話し合いをしていく必要があります。

また、立ち退き料を支払うタイミングは、基本的にアパートの明け渡し日が一般的です。

しかし、入居者が新しい転居先と契約をするために、早めに渡してほしいと交渉されることもありますが、早めに立ち退き料を渡してしまうのはオーナーにとってリスクとなります。

そのため、立ち退き交渉のときに支払日を取り決めておくことが大切となってきます。

立ち退きのポイント

立ち退き交渉のポイントは、以下の2点となります。

  • 立ち退き料は値上げ交渉前提で低めに設定する
  • 交渉が決裂したときのことも想定しておく
立ち退き交渉をしていると「もう少し高くしてくれないか」と交渉されることもあります。

そのため、初めから値上げすることを考慮して、立ち退き料を少し低めに設定しておくことがポイントになります。加えて、妥協できるポイントも事前に決めておくことで、立ち退き交渉を簡単にすることができます。

また、立ち退き交渉が決裂したときのことも想定して、定期借家に切り替えることも視野に入れておきましょう。上手くいかなかったときのことまで考えておけば、冷静な状態で立ち退き交渉に臨むことができます。

アパートの建て替え費用

アパートの建て替えには、立ち退き料だけでなく、いま建っているアパートの解体費用とこれから建てるアパートの建築費用がかかります。

この2つの費用は高額になるため、建て替えを始める前にしっかりと資金計画を立てておく必要があります。そこでここでは、アパートの建て替えにかかる費用がいくらになるのかを解説します。

アパートの解体費用

アパートを建て替えるには、いま建っているアパートを解体して、更地にして新たにアパートを建てる必要があります。

アパートの解体費用には、決められた基準がないことから、アパートの構造やエリアによって解体費用が異なります。また、アパートを解体したときの廃棄物の量やアスベストの有無によっても解体費用が異なります。そのため、見積もりをとってみるまでは、詳しい金額を確認することができません。

しかし、アパートの解体費用は以下の計算式で概算することができます。

  • アパートの解体費用=アパートの延べ床面積×解体費用の坪単価
解体費用の坪単価は、アパートの構造によって異なり、より硬い素材で建てられたアパートほど高くなります。
  • 木造:4~6万円
  • 鉄骨造:7~8万円
  • 鉄筋コンクリート造:8~9万円
上記にもあるように、木造アパートよりも鉄骨造や鉄筋コンクリート造で建てられたアパートの方が解体費用も高くなります。

アパートの解体費用の相場を解説!構造ごとの費用も紹介

新しいアパートの建築費用

アパートを解体して更地になったら、新しいアパートを建築するための費用がかかります。建築費用も解体費用と同様に、構造やエリアによって異なるため、見積もりをとってみるまでは詳細な金額がわかりません

しかし、アパートの建築費も下記のような計算式を使うことで概算することができます。

  • アパートの建築費用=坪単価×延べ床面積
また、アパートの建築費用に用いられる坪単価も構造によって値段が異なります。
  • 木造 : 坪単価 73万円
  • 軽量鉄骨造 : 坪単価 125万円
  • 重量鉄骨造 : 坪単価 108万円
  • 鉄筋コンクリート造 : 坪単価 108万円
参考:[総務省]:[建築着工統計調査]

建築費用も解体費用と同じように、丈夫な材料を用いてアパートを建築すると坪単価が高額になります


アパートを建て替える可能性が出てきたら、早い段階で施工会社から建築プランと建築費用の見積もりを取得しましょう。

施工会社に提案される建築プランには建築費用の見積もりだけでなく設計図面や収支計画が含まれています。複数の施工会社の建築プランを比較することで、客観的に利回りを算出することもできますし、自分の土地でどのようなアパートを建てられるかイメージが湧くようになります。

イエウール土地活用なら一度の簡単な情報入力で複数の大手ハウスメーカーから提案を受けることができます。

\建築費は?初期費用は?/

大手10社の収益プランを比較する
STEP1右矢印
土地の有無
STEP2右矢印
都道府県
STEP3右矢印
市区町村
STEP4右矢印
町名
STEP5右矢印
字・丁目

アパートの建て替えでも融資を受けられる

老朽化したアパートを所有している場合、修繕費などの費用に予算を割かなければならないため、新しいアパートに建て替えるための費用を捻出することは難しいかもしれません。

しかし、アパートの建て替えでは、アパートローンを利用することができ、初期費用さえ用意できれば、アパートの建て替えを始めることができます。

そこでここでは、建て替え時におさえておきたいアパートローンの基礎知識を紹介します。

ローンに年齢制限はない

アパートを建て替えるためには、建築時と同じアパートローンを利用します。このアパートローンには、融資を受けるための年齢制限がないことが特徴でしょう。

アパートローンに年齢制限がないことには理由があり、このアパートローンは不動産投資を行うための融資を目的としたローンであることが大きな理由です。

アパートローンの返済には、家賃収入を中心とした不動産投資で得た利益を充てることが一般的となっています。もしアパートローンの借主である大家がなくなってしまったとしても、アパートからは家賃収入が発生するため、ローンの返済が止まることはありません。

したがって、アパートローンを組むときには、借主の属性や返済能力よりも、アパートの立地や事業性、収益性を中心に見られることになります。

そのため、相続前にアパートを建て替えておきたいと考えている方でも、「アパートローンが利用できないから建て替えができないかも」と心配する必要はありません。

保証人が不要なことも

これまでのアパートローンでは、連帯保証人が必要とされていましたが、2020年4月の民法改正により、連帯保証人が不要になるだろうと予測されています。

今回の民法改正では、借主が返済を拒否したり、自己破産することで、事情の知らない保証人が多額の借金を背負うという自体を避けるために民法が手直しされました。

民法 第四百六十五条の六(公正証書の作成と保証の効力)
事業のために負担した貸金等債務を主たる債務とする保証契約又は主たる債務の範囲に事業のために負担する貸金等債務が含まれる根保証契約は、その契約の締結に先立ち、その締結の日前一箇月以内に作成された公正証書で保証人になろうとする者が保証債務を履行する意思を表示していなければ、その効力を生じない。
引用:民法

アパートローンを組むうえで特に関係のある変更点は、新設された第465条の6(公正証書の作成と保証の効力)です。

今回の民法改正により、アパートローンなどの事業性融資の保証人になるときには、1か月以内に作成された公正証書で保証人になる意思を確認しなければならなくなりました。この手続きを行わず、保証契約を行ってもその契約は無効になります。

こうして融資までの手続きが複雑化したことにより、みずほ銀行や三井住友銀行といった大手都市銀行はアパートローンの保証人を原則なくす方針であることを発表しています。

また、他の銀行もこの傾向に合わせることが予測されるため、アパートローンは保証人が不要になることが一般的になることが考えられます。

返済比率を50%にすることで審査に通りやすくする

アパートローンは保証人が不要になっている流れの中で、金融機関が資金の回収が困難になる可能性があるため、融資のための審査が厳しくなると予測されます。

しかし、審査が厳しくなったとしても、この審査に通りやすくなる方法はいくつかあります。その方法のひとつが、ローンの返済比率を家賃収入の50%前後に設定するという方法です。

アパートローンは毎月の家賃収入から返済されることを想定しているため、しっかりと家賃収入を得られる見込みがないとローンの審査には通りません。そのため、健全なアパート経営ができる収支計画を立てておく必要があります。

そこで返済比率を家賃収入の50%前後にしておくと、ある程度の空室が発生したとしても、滞りなくローンを返済することができるでしょう。したがって、金融機関に納得してもらえるような返済比率を考えておくことが大切です。

老朽アパートを建て替えなくてもよい可能性も

アパートが老朽化したからと言って、すぐに建て替えを決断することはとても危険です。

そのため、まずは老朽化したアパートを活用する方法はないかを考えることが大切になります。そこでここでは、建て替え以外の老朽化したアパートを活用する方法を紹介します。

空室対策をして入居率を上げる

所有しているアパートに空室対策を行い、現在の入居者を維持したまま、アパート経営を継続していくこともできます。

状況次第では、建て替えやリノベーションをせずとも入居者を増やすことが可能になります。

空室対策を始めるのであれば、まずは所有しているアパートの状況を確認してみることが大切です。たとえば「入居者を絞りすぎていないか」「家賃設定は高すぎないか」「内見数は多いのか」など確認するべきことはたくさんあります。

買い替える

老朽化したアパートには、そのアパートを売却し、その資金をもとに新しくアパートを建てるという方法もあります。

アパートを売却してしまうことで、新しい立地や規模でアパート経営を再スタートすることができます。

この方法は、すぐに買い手が見つかる場合や周辺エリアの人口が減っていたり、競合物件が多いときに有効になります。

一方で、空室が多すぎると買い手が見つからないことも多いため、まずは空室対策を行って、入居率を上げることを目指しましょう。

リノベーション

建て替えまではいかなくても、リノベーションをして間取りや設備を一新させ、建物の価値を高める方法もあります。

リノベーションをすることで、間取りを変更できたり、リフォームでは変更できなかった部分を改装することができます。いまの需要に合った間取りや設備を取り入れることができることから、競合物件と差をつけられ、家賃設定も少し上げることも可能になります。

しかし、リノベーションも建て替えほどはいきませんが、かなりの費用がかかるため、事前に資金を用意しておく必要があります。

アパート建て替えのパートナーは一括プラン請求サイトで見つける

管理会社や建築会社など、アパート経営を行うにあたって様々な業者と連携する必要があります。既に付き合いのある会社が最適なプランを提示してくれるとは限りません。よりよい土地活用方法やアパート経営プランを見つけるには、複数の会社のプランを比較して調べる必要があります

もし、いまのアパートを解体して建て替えをしたいと考えたら、イエウール土地活用の利用をおすすめします。

イエウール土地活用では、全国の優良不動産会社や大手ハウスメーカーと提携しており、簡単に複数社から建築プランを取り寄せることができます。

建築プランを比較することで、アパートを建て替えてたら本当に収益物件になるのかを判断することができるため、是非一度イエウール土地活用してみましょう。

土地活用比較サイトの利用手順
土地活用比較サイトの利用手順

\建築費は?初期費用は?/

大手10社の収益プランを比較する
STEP1右矢印
土地の有無
STEP2右矢印
都道府県
STEP3右矢印
市区町村
STEP4右矢印
町名
STEP5右矢印
字・丁目
【完全無料】アパートの建築費、いくらかかる?