遊休農地とは? 荒廃農地や耕作放棄地との違いや活用方法

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遊休農地とは、将来的に耕作の予定がない農地のことです。

昨今、この遊休農地が増え続けていると問題視されていることはご存じでしょうか。
農地を相続して管理方法がわからずに放置していると、環境に悪影響なことはもちろん、運用できる資産を無駄にしていることになります。

ここでは、遊休農地とは何か基礎的な知識に加えて耕作放棄地や荒廃農地とは何かどう違うのか、遊休農地の活用方法や注意点をご紹介します。

最適な土地活用のプランって?
STEP1
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STEP3
市区町村

農地の活用方法については、以下の記事もおすすめです。

遊休農地とは

遊休農地とは

遊休農地とは、将来的に耕作の予定がなく放置されている農地のことです。
郊外や田舎に行けば広がっている豊かな農地。農地は上手く活用すれば将来の貴重な財源となりますが、放棄されてしまうとただ固定資産税がかかるだけの農地となります。

この遊休農地とは何か、基礎知識をご紹介します。

農地法に定められた遊休農地とは

遊休農地とは、「遊休農地」とは、農地法、いわゆる農地の保護や権利に関する法律によって定められた、現在そして将来的に耕作の見込みがない農地のことです。

農業委員会が年1回、農地の利用状況を調査し決定しており、今後も耕作される予定のない1号遊休農地周辺の農地に比べて著しく利用の程度が劣っている2号遊休農地と定めています。

それでは、他にもある「荒廃農地」や「耕作放棄地」との違いは何か、疑問が浮かぶのではないでしょうか。

耕作放棄地や荒廃農地とは何か違い

耕作放棄地とは、土地の所有者が1年以上肥培管理や作付けなどをせず、今後も作付けをする予定のない土地を指します。
遊休農地が農業委員会によって認定されるのに対し、耕作放棄地は土地の所有者が耕作する意思があるかどうかで判断する点が大きな違いです。なお、少しでもその農地で耕作を行なっていると、遊休農地として定義されます。

一方の荒廃農地とは、農林水産省により現在耕作されておらず、耕作放棄により荒廃してしまい、通常の農作業では耕作が客観的に不可能な農地のことです。
荒廃農地は、市町村や農業委員会にによる農地の荒廃状況を現地調査した上で判断されます。

遊休農地の現状と対策

遊休農地は、高齢化や後継者不足によって年々増え続けていることが現実です。2013年には農地改正法が制定され、遊休農地対策が下記のように強化されています。

  • 1. 既に遊休農地と定義されている農地の他、耕作従事者の死亡等により所有者が不在となった農地も対策の対象とする
  • 2. 農業委員会は、遊休農地所有者に対し、農地中間管理機構に貸す意思があるかどうかを確認し、さまざまな手続きの簡素化や改善を試みて、遊休農地の発生防止を図る
  • 3. 遊休農地の相続人の所在が不明の場合、農業委員会によって、農地中間管理機構が借り入れることを可能とする

しかし、2018年のデータによれば、全国の遊休農地は約10万ヘクタールあり、国が遊休農地の解消に向けた措置を定めていても、ほぼ横ばいで減少に至っていないともされています。

農地改正法が施行されたにもかかわらず、数字がほぼ横ばいという結果から、農地の固定資産税額は増額されました。

遊休農地の評価額と固定資産税

通常、農地の固定資産税の評価額は以下の通りです。


固定資産税 = 固定資産税評価額×1.4%×限界収益修正率(0.55)

農地は収益性の低さから、土地の売買価格と収益性が一致しないため、固定資産税の計算においては限界収益修正率で税額が補正されます。同じく、売買価格も限界収益修正率で補正されていました。

しかし、平成29年以降、遊休農地については0.55を乗じないこととなりました。つまり、農地の固定資産税評価額はこれまでの額よりも約1.8倍にもなります。

農地を手放すために売却する、もしくは活用して固定資産税分くらいを払える農地にするなどの対策が必要でしょう。農地の売却や活用を考えたら、まずは土地活用のプラン比較サイトで相談してみることをおすすめします。
複数の企業からプランを取り寄せて、土地活用のプロに農地だけれども活用できるか、転用できるかなど相談していくことで安心して農地活用を始められるでしょう。

土地活用比較サイトの利用手順
土地活用比較サイトの利用手順

遊休農地を活用する方法

遊休農地の活用方法

遊休農地の活用方法は大きく分けて3つあります。それぞれ、申請許可が必要であったり、農地法が定める基準を満たしている必要がありますので、よく確認しておきましょう。

農家に貸し出す

農地をそのまま農家に貸し出すというのは、最も健全で農業委員会の許可も下りやすい、スムーズな遊休農地の活用方法です。多少農地の手入れが行き届いていなくても、農家として続行可能であれば、「耕作放棄地再生利用緊急対策交付金制度」を利用して、有利に売却もできるでしょう。

なかなか個人的に、農地の買い手を探し出すことは難しいものです。しかし、農林水産省や農業会議所、または企業の提供しているサービスを利用すると、費用と手間をかけずに活用できるでしょう。

農地バンクを利用する

また、「農地バンク」や「全国農地ナビ」に掲載することも可能です。
農林水産省が設けている「農地バンク」は、農地中間管理機構として、農地を貸したい人と借りたい人の仲介を務めます。農地中間管理機構が仲介しているため、貸し出す側は貸出期間の10年間は、必ず賃料を得ることができるというのがメリットです。また、借りる側も農地中間管理機構を仲介することで、借り受けた場合にさまざまな支援を得ることが可能です。

一般社団法人全国農業会議所が設けている「全国農地ナビ」では、インターネット上で農地の状況を調べることができます。
農地を売りたい人や借りたい人は、各市町村の農業委員会に連絡して登録する必要があり、これを行うことで農地法に従い、農業委員会の許可を得たうえで農地の売買ができるため安全です。

このようにネットを介して手続きを行うことで、効率的に新しく農業を始めたい人を探し出すことができるでしょう。

市民農園にする

遊休農園を、市民農園として再生させる動きが近年は急増しています。「市民農園」とは、自家用の野菜や果物、花などを栽培するために、非農家の市民に貸し出される農地を指しますが、農業体験イベントなどを開催することも可能です。
市民農園の開設形態は下記のとおり、3つの方法があります。

  • 1. 市民農園整備促進法:休憩所、トイレ、駐車場などの付帯施設を作り、市民に農地を貸付たり、農業体験の開催が可能
  • 2. 特定農地貸付法:市民への農地の貸し出しにより、賃料を受け取ることが可能
  • 3. 農園利用方式:市民向けの農業体験を開催し、入場料を受け取ることが可能

特に今注目されており、テレビなどでも特集されているのが、都市市民が手軽に野菜作りを楽しめる畑です。週末に日帰りで、手ぶらで気軽に農園に足を運べるものから、宿泊してじっくりと農作業を体験できる農園まで、市民農園の取り組みはさまざまです。
農林水産省の調査では、2017年時点で4,223カ所の市民農園が設置されており、これは20年前と比べると2.5倍の数まで上がっています。30代から70代くらいまでの広い世代が農園に興味を持ち、趣味や休暇のレジャーとして野菜作りを楽しんでいるのです。

農地転用して農地以外の活用

農地活用を考えたら、農地転用できるかを確認して、転用した際の活用方法について考えておきましょう。

  • 1. 農用地区域内農地:生産性の高い優良な農地は、農用地区域内農地と定められ、農地転用はできない
  • 2. 甲種農地:農業公共投資後8年以内の農地、集団農地で高性能農業機械で営業可能な農地は、生産性の高い優良な農地として定められ、農地転用はできない
  • 3. 第1種農地:10ヘクタール以上の集団農地、農業公共年対象農地、生産性の高い農地は農地転用できない
これらに該当しない場合は、第2農地や第3農地として区分され、農地以外への転用が可能です。例として、下記のようなものが遊休農地の転用として挙げられます。
  • アパート・マンション等の賃貸住宅経営
  • 駐車場経営
  • 高齢者向け施設用地
  • 太陽光発電
  • 資材置き場

なお、農地転用を申請する際は、目的が具体化していなければなりません。事業が成功するか否かという問題もありますが、資金調達や事業計画など、実現性があるものでないと転用許可が下りないので注意しましょう。
また、転用前提で売却や賃貸借する方法もあります。この場合、転用許可申請は農地の所有者が行いますが、その後の事業については買主もしくは借主が行なっていきます。

農地を売却する

遊休農地を農地のまま売却する場合、売却相手は以下の条件を満たしている必要があります。理由として、地目が農地の土地は、農地としてしか使用できないからです。

  • 1. 農業委員会の許可が降りた農家、または農業従事者
  • 2. 個人の場合には、当該譲受人が常時農業に従事
  • 3. 農地全体を効率的に利用可能
  • 4. 一定の面積の経営が可能
  • 5. 周辺の農地利用に支障をきたさない

つまり、遊休農地を売却する際は、農地を農地として農家に売却する方法が基本です。農業を続ける前提での売却であり、購入者は既に農業を営んでいる農家に限られます。
知り合いに農家がいたり、所有している遊休農地の近くに農地を持っている農家がいたりして、農業拡大を目指していれば話はとんとん拍子に進むでしょう。
しかし、現実は後継者不足などの理由で、なかなか買い手が見つからないことが多いものです。

なお、農地を転用すると通常の土地活用と同じく、さまざまな選択肢が広がります。

数ある中から自分に合った土地活用を選び、手堅く収益を上げたい方は以下の記事を参考にしてみてください。

遊休農地を農地転用する方法

遊休農地の農地転用

遊休農地は、農地転用することで農地活用の方法が広がるとお伝えしました。

ここでは、遊休農地を農地転用する方法をご紹介します。

農地転用できる土地と転用できない土地を確認

遊休農地を農地転用するためには、農地法第5条で定めるさまざまな基準を満たしている必要があります。

農地は、さまざまな制限をクリアして確実な事業計画が整わないと、管轄の農業委員会から農地転用の申請許可は下りません。
また、許可を得ないで無断で転用した場合は、農地法違反となって転用の効力が生じず、工事の中止や原状回復義務が課されることがあります。

農地転用を考えたら、まずは農地転用できる土地かできない土地か確認が必要です。

農地区分と転用許可

農地転用できる土地かできない土地かは、農地区分における転用許可で確認します。

農地区分 説明 転用の許可・不許可
農用地区域内農地 市町村の定める農業振興地域整備計画で農用地区域とされた区域内の農地 原則不許可
種農地 第1種農地の条件を満たす農地で、市街化調整区域内の土地改良事業等の対象農地(8年以内)など特に良好な営農条件を備えた農地 原則不許可
第1種農地 10ha以上の規模の農地、土地改良事業などの対象となる良好な営農条件を備えた農地 原則不許可
第2種農地 500m以内に鉄道の駅がある市街地化の見込まれる農地また生産性の低い小集団の農地 許可は受けやすい
第3種農地 300m以内に鉄道の駅がある市街地の区域また市街地化の傾向が著しい区域の農地 原則許可

農地転用できる土地

具体的に、農地転用できる農地には、「第2種農地」と「第3種農地」の2つがあります。

以下2種類の農地に当てはまる場合には、農地転用して別の土地活用方法をすることが可能です。

「第2種農地」とは生産力の低い広くない農地や、今後市街を発展させる可能性のある農地、市街化が見込まれる地域にある土地を指します。駅・インターチェンジから大体500m以内の地域にある農地や、第1種農地でも第3種農地でもない農地などが例です。

「第3種農地」とは、市街化区域内にある農地を指します。市街化区域とは街の活性化のために活用される区域で、活用方法に制限がありません。駅・インターチェンジから300m以内の農地、宅地化率が40%以上である区域の農地などです。

農地転用できない土地

転用できない土地は、主に「甲種農地」と「第1種農地」の2つです。

これらの農地は、下記の要件から外れるまでそのまま農地として活用し続ける方法しかありません。

「甲種農地」とは市街化調整区域内で、以下の条件に当てはまる農地です。

  • 農業を始めて8年以内である
  • 集団農地で農業機械で営業可能
「第1種農地」とは、以下の条件にあてはまる農地です。

  • 農業を始めて8年以内である
  • 集団農地で農業機械で営業可能
  • 生産力の高い農地

市街化調整区域とは、市街化の拡大を防ぐため農林水産省などが用途を定めている区域を指します。

農地転用する方法

農地転用をする際は、管轄の農業委員会から許可を受ける必要があります。

農地転用の許可を受けるためには、以下が必要です。


  • 測量
  • 土地整備
  • 地目変更、開発許可申請などの手続き業務
  • 土地活用方法を申請するためのプラン作成
  • 農地転用の手続き

具体的な手続きに必要な書類などは、専門家に相談することで作成できます。
また、申請にあたりどのような土地活用方法にするかある程度自分で決めておくと良いでしょう。

遊休農地の活用で失敗しないための方法

遊休農地の活用
遊休農地の活用で失敗しないための方法をご紹介します。
どのように活用するのが望ましいのかを考えた上で、実際にいくらの値打ちが付くかを調査してみるところから、気楽に始めてみましょう。

農地転用できるか確認する

遊休農地の活用を考えたら、まず確認しなければならないことは農地転用できないかです。実は、農地の活用を考えたものの農地以外の転用が原則不許可となっているケースも多くあります。

農地転用できない土地であれば、農地以外の活用方法が見つからず、農地に活用してもらったり市民農園にしたりなどの活用方法しか基本的にはありません。
ただし、農地転用できる土地であれば、農地としての活用以外の活用方法が広がりますし、それによる収益も増やすことができます。

遊休農地の活用を考えたら、まずは農地転用はできないか確認しておきましょう。

周辺環境とのバランスを考える

遊休農地は、農業従事者のための特別な土地であり、適切な転用をして土地の価値を存続させるための土地です。土地をどのように活用するにせよ、利益とニーズに加えて、周辺環境に配慮するなどバランスの取れた農地の活用が望ましいでしょう。
例えば、新しい建物を建てるにせよ、市民農家を設置するにせよ、近隣住民の迷惑にならないように十分配慮することは重要です。

遊休農地を有効活用しよう

遊休農地

農業をやめてしまった人や、相続で遊休農地を持っているなら、そのまま放置せずに有効的に活用しましょう。これまでは、遊休農地に対する制度や利用価値が低かったのですが、国策が農地の活用を後押ししている今が絶好のチャンスです。
もちろん、資産を運用してどれだけの利益を得られるかということも大切ですが、まずは遊休農地の活用の選択肢を知って、確実に土地活用をするという点に重きを置くと、うまくいくのではないでしょうか。

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記事のおさらい
遊休農地とは何?
現在また将来的にも耕作の予定がなく、放置されている農地のことです。詳しくはこちらでご説明しています。
遊休農地を活用する方法は?
農家に貸し出したり市民農園にしたりする方法があります。詳しくはこちらをご一読ください。
遊休農地を農地転用するにはどうしたらいい?
農地転用できる土地かどうか確認して、農地委員会に転用の申請をします。転用の許可が下りてから活用をします。詳しくはこちらでご説明しています。
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