ここ数年、「マンションバブル」といわれるほどにマンションの価格が高騰しています。マンションの購入・売却を検討している方からすると、こんな疑問が浮かぶのではないでしょうか?
- マンション価格はこれからどうなるのか?
- なぜこんなに高いのか?
- マンションを売るのはいつがベストなのか?
この記事ではそもそもマンション価格が最近高すぎる理由や、これからのマンション価格はどうなるのかについて解説していきます。
マンションの価格が高いのはなぜ?
近年、首都圏を中心にマンション価格の高騰が続いていることはみなさん耳にしたことがあるのではないでしょうか。
2008年のリーマンショックをきっかけに不動産価格は一度暴落しましたが、2013年からは再び上昇。なかでもマンションの価格は右肩上がりの成長を続けています。
(不動産価格指数|国土交通省 より引用)
なぜマンションの価格がここまで上がり続けているのでしょうか? 原因としては、次の4つが挙げられます。
1. 公示地価の上昇
2. 東京オリンピック開催による建築費の高騰
3. 金融緩和政策の影響
4. 富裕層による高級マンションの需要増
また、マンションで新築か中古か迷っているという方はこちらの記事もご覧ください。
マンション買うなら新築と中古どっちがお得?価格差やメリットとデメリットを比較!
公示地価の上昇
価格高騰の原因は幾つかありますが、その中でも地価の上昇・建築費の高騰があげられます。
地価は毎年3月に国土交通省から発表される公示地価が基準となっており、2020年までは首都圏を中心に上昇が続いていました。外国人観光客の増加による商業施設の発展や、都市開発が進んでいるエリアの地価が上がり、そうした利便性の高いエリアに建設されるマンションの価格も連動して上がっていったというわけです。
2021年は新型コロナウイルスの影響もあり、8年ぶりに首都圏の地価が下落したものの、2022年3月に発表された最新の公示地価を参照すると、すべての用途地域において全国的に地価が上昇に転じました。
参考:地価公示|国土交通省
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
家を買うタイミングはいつ?今が買い時か判断しよう【2022年版】
東京オリンピック開催による建築費の高騰
2021年開催予定の東京オリンピックで使用される各施設の建設やインフラ整備などで、建築業界は数年前から人材不足が続いていました。あわせて建築材料が高騰してるため、建築費にかかる費用が従来よりも高騰していたと言われています。
駅近や都心部の土地が売りに出れば、入札により価格はすぐさま上昇していきます。
そのため、マンションに合う利便性の高い土地はなかなか手に入らず、手に入ったとしても高額になるため、新築マンションの値上がり続けています。
金融緩和政策の影響
2013年1月に日本銀行が金融緩和政策を発表し、住宅ローンの金利は低下。
住宅ローンの審査基準も以前と比べて緩くなり、この結果、これまで厳しいローンの審査がおりずに購入を諦めていた人もマンションを購入することができるようになったり、マンションの売主も買主が増えてきたので価格を下げる必要がなくなりました。
富裕層による高級マンションの需要増
近年、都市部のマンションは大手デベロッパーが中心となっており、特に富裕層向けブランドマンションの開発に注力しています。
豪華なエントランスや共有スペース、来客も宿泊することができるゲストルーム、コンシェルジュやルームサービスなど、購入する間取り以外の付加価値やステイタスを求める富裕層からの需要が伸びているためです。
なかでも都心へのアクセスや景観が良いマンションは人気があり、中古でも新築と変わらない価格で売買されることもしばしば。
価格が高くとも高級感や住み心地の良さを求めて一定の需要があるため、新築も値下がりせずに高級マンションの建設が続いているのです。
他にも、詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
築30年の中古マンションはあと何年住める?メリットから選び方のポイントまで解説
マンションの適正価格を見極める方法
全体的にマンションの価格が高騰していると、購入を検討しているマンションに対して「高い」と感じても相場通りなのか、相場よりも割高なのかの判断が難しいですよね。
そのマンションが適正価格かどうか見極めるにはどうすればいいのでしょうか?
周辺相場と比較する
マンション購入の適正相場を知りたいのであれば、周辺相場を調べてみましょう。
周辺相場とは、「そのエリアで、過去にどの程度の価格で売買がされているのか」ということです。マンションの価格は立地による影響が大きいため、同じエリアの物件価格と比較することで適正価格が分かります。
もしも周辺相場と比べて割高(もしくは割安)だと感じる場合は、不動産会社に価格の理由を聞いてみると良いでしょう。
他にも、詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
中古マンションの見学で確認すべきポイントや回数の目安を紹介
自分で相場を調べる方法
周辺相場はインターネットを使って自分で調べることが可能です。
おすすめは国土交通省が運営する「不動産情報ライブラリ」の不動産取引価格情報検索です。
※令和6年3月末まで「土地総合情報システム」というサービスが提供されていましたが、現在は「不動産情報ライブラリ」で取引価格情報を掲載しております。ご利用の際はご注意ください。
地図や住所から詳細情報を調べることができます。
「不動産取引価格情報」を選び「詳細を表示」すると、希望するエリアの坪単価や取引総額が確認できます。
また、不動産流通機構が運営する「レインズ・マーケット・インフォメーション」でも同様の情報を得ることができます。
ただし、こちらは直近1年間のデータしか表示されないため過去の1年以上前の価格も知りたい場合は「土地総合情報システム」を利用しましょう。
不動産相場の調べ方について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
家の売却相場はいくら?相場の調べ方や一戸建て相場に影響するポイント
マンション価格の今後の見通し
右肩上がりのマンション価格ですが、今後も上がり続けるのでしょうか?
2021年の東京オリンピック開催後はどうなる?
東京オリンピック開催によって受けていた影響は、施設建設やインフラ整備による建築費の高騰と地価の上昇です。新型コロナの影響もあり開催が危ぶまれている状況ではありますが(2021年4月現在)、オリンピックが終われば、建築費高騰の原因だった人材不足や建築材料の高騰もおさまるでしょう。
またオリンピックのような大型イベントが開催されるわけでもないので、地価の上昇もある程度落ち着くと予想されています。
実際、2021年3月に発表された不動産市場動向調査によると、首都圏の新築マンションの分譲平均㎡単価は3か月連続で前年を下回っています。
(不動産市場動向調査|全宅連 より引用)
大手デベロッパーの戦略上、高級マンションの開発・販売は今後も続くため、すぐに暴落することはないと考えられます。ですが、2013年頃から続いた価格の高騰は止まり、横ばいになっていくかもしれません。
「2022年問題」で不動産価格が下落する可能性も
市街化区域内で、「農林漁業の継続が可能である」などのいくつかの条件を満たす農地・山林を生産緑地と言います。
2022年にこの生産緑地のうち約8割が指定が解除されるのですが、「2022年問題」とは、指定解除された農地が宅地として不動産市場に大量に売りに出されるのではないかという懸念のことを指します。
供給が急増することで不動産の価値が下がり、これまで続いてきたマンション価格の高騰も終わるのではないかと予想されているのです。
生産緑地は東京をはじめとする首都圏に多いため、2022年以降の首都圏の不動産価格の推移を注目しておきましょう。
マンションを安く買う方法
相場が高いのは仕方ないとしても、できれば安く購入したいと考える方は多いでしょう。
いくつか知っておくと得するコツがあるので、ご紹介します。
事前審査を済ませておく
住宅ローンを利用して購入する場合は、値引き交渉前に事前審査を済ませておきましょう。売主としては、事前審査に受かっている人とそうでない人であれば、前者の買主のほうが安心できます。
やはり審査に受かり、買ってくれる可能性が高いということは、強い購入意欲を感じられます。
売る側である販売会社としても、買ってくれるのであればという感じで値引きをしやすくなるでしょう。
販売業者に購入の意思をしっかりと伝える
値引き交渉をする場合は、販売業者と良好な関係を築くのは大切なことです。そのためには、購入の意思がしっかりあると思ってもらいましょう。
やはり買うかどうか曖昧な人のために業者は売主と値引き交渉はしづらいです。例えば「予算が少し足りないので、~円以下なら購入するつもりでいる」などと具体的に購入の意思を名言してしまった方が値引きはしてもらいやすくなります。
販売業者と良好な関係ができると、一般に公開していない情報を提供してくれることもあります。公開してしまうとすぐに売約済みになってしまう物件を、公開せずにもっている販売業者もありますし、販売前の新しい情報を教えてくれる場合もあります。
販売業者との意思連絡をとり、いい関係を築きましょう。
他にも、詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
中古マンションの値引き交渉で失敗しない方法を紹介!金額の相場も解説!
購入時期を見極める
お得に購入したいのであれば、ぜひ売り出しから時間が経っている物件を探してみて下さい。
業者の心理としては、そういった物件は早く売ってしまいたいと考えているので、安く購入するチャンスでもあります。
マンション販売の場合、「1期」「2期」と売出し期間を分けて販売していることがあります。もちろん「1期」よりも「2期」の方が売出し開始から時間が経っていることにはなりますが、はじめから販売戸数を分けて売り出している場合もあります。その場合は、期分けごとの終盤が狙い目です。
また業者がなるべく売上を上げたいと考えている決算期前を狙ってみるのもおすすめです。決算期については多くの場合、ホームぺージに掲載されています。
マンション購入時の注意点
マンション購入に失敗したくないなら、価格の高騰が落ち着くまで待つといったことも大切ですが、なによりもまず自分自身の収入や今後の支出なども踏まえて、資金計画を立てることが失敗しないために重要です。
マンションを購入するのであれば住宅ローンを組んだり、初期費用や仲介手数料の支払いなども発生するでしょう。その他にもさまざまな諸費用がかかりますので、それに併せてどれぐらいの資金的な余裕があり、どのようにローンやその他費用の支払いをしていくのかなども考えなくてはいけません。
諸費用をあわせると、物件価格の115%程度を予算として考えておくと良いでしょう。
また、マンションの購入を検討している方はこちらの記事もご覧ください。
「マンションの間取りの理想は?基礎知識から間取りの選び方まで解説」
マンションを購入するタイミングが重要
しばらくはこのままマンション価格の高騰は続くと予想されますが、今後は徐々に落ち着いてくることが考えられます。そのため、マンションはライフステージだけではなく市況などの観点で買い時を見極めることが重要です。
一方で、マンション購入をするなら買い時などの購入時のことだけではなく、子供の成長や独立などのタイミングで売れる家、言い換えれば売る時を見越して買うことも重要なポイントです。
というのも、資産価値の低いマンションには十分な価格がつかないため、ライフステージの変化などいざというときに住み替えができないこともあるものです。
資産価値と言えば駅からの距離や築年数などが思い浮かびますが、実際には再開発の予定や法律で定められた用途区域など様々な要因で資産価値は決まります。そのため、資産価値の高い家を買うなら、自分で選ぶのではなく実績ある不動産会社からの提案やアドバイスが必須です。
とはいえ、時間が無かったり、一人で不動産会社にいくのはまだ早いと思ってしまうこともよくあることです。そこで、資産価値の高いマンションを選ぶならHousii(ハウシー)がおすすめです。
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また、マンションの購入後にリフォームを検討している方はこちらの記事もご覧ください。
マンションリフォームの費用相場から事例まで徹底解説
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