土地信託の仕組みとは?|相続対策のために流れや特徴を確認しよう

土地信託の仕組みとは?|相続対策のために流れや特徴を確認しよう

土地を活用するには、多額の資金が必要であったり、手間や時間がかかったりする場合があります。会社員の方などは、土地活用に時間や手間をかけられないこともあると思います。

そんな方には、土地活用として土地信託を始めることをおすすめします。土地信託では、初期費用がかからないため、自身で借り入れをおこなう必要がありません。そのため、リスクを最小限に減らして土地活用を始めることができます。

ここでは、土地信託の特徴や流れ、土地信託が相続対策に有効な理由も解説していきます。土地信託をおこなうときに知っておきたい基礎知識を解説しているので、土地活用を検討しているのなら土地信託も検討してみてはいかがでしょうか。

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その他、土地活用方法について詳しくは以下の記事もご覧ください。

土地活用のアイデア32選!活用方法の特徴や選び方を解説

土地信託とは


土地信託とは、所有する土地を信託会社や信託銀行に預け、活用してもらうことで、収益の一部を配当金として受け取るというものです。

自分で土地活用を始めようとすると、多くの場合で高額な建築費が求められたり、ローンを組む必要があったりします。そして、実際に土地活用を始めると、管理業務に多くの時間や手間がかかってしまいます。

しかし、土地信託は自己資金を用意する必要もなく、管理の手間も必要ありません。また、運用のプロに委託することができるため、素人が土地活用を行うよりも、効率よく収益を上げられる可能性が高まります。

土地信託の特徴


ここでは、土地信託の特徴について解説します。

方式は「賃貸型」と「処分型」の2種類

土地信託では、賃貸型処分型の2つの方式が選ぶことができます。ここでは2つの方式にどのような違いがあるかを解説します。

土地が戻ってくる賃貸型

土地信託では、契約の際に契約期間を定めます。そして、その契約期間終了後に土地が委託者(地主)に返還される信託契約を「賃貸型」といいます。

土地信託は一般的に、アパートマンションを建てて運用されることが多いため、10年や30年といった長期間の契約となります。

土地を手放す処分型

もう1つの契約方法は、「処分型」と呼ばれるものです。

この場合、信託会社は土地の造成工事をおこなったり、分譲開発をおこなったりして土地に付加価値をつけて、通常の土地売却よりも高く売却することで収益を上げます。土地を売却してしまうため、処分型では委託者に土地は返却されないことに注意が必要です。

信託受益権とは

信託会社に土地を信託した場合、その土地の運用で得た収益は、税金や借入金の返済、管理費用、信託会社への報酬などが引かれて残りが配当金として委託者(地主)に支払われます。この配当金を受け取る権利を信託受益権といいます。

信託契約を結ぶときには、配当金を受け取る人を設定します。一般的には、委託者(地主)が信託受益権を持つことが一般的です。

また、この信託受益権は売買することができるため、借地のように契約期間中にまとまったお金が必要になった際、売却してしまうこともできます。

自己資金が必要ない

自分で土地に建物を建てて運用する場合、建設のための資金が必要となります。建物の建設には、高額の資金が必要になる場合が多く、その資金の借り入れに不安を感じたり、躊躇したりすることが多いです。

しかし、土地信託の場合、委託者は建物の所有権を信託会社に移して、信託受益権を得るだけとなっています。つまり、実際に土地に建物を建築するのは信託会社です。

そのため、金融機関と交渉して借り入れをおこなったり、建設会社と契約して建物の建設を発注したりすることすべてを信託会社に任せられます。

委託者(地主)が建設費用を借り入れする必要がないので、自己資金を投入することなく、土地活用を始めることができます。

土地が建物付きで返還される

土地信託では、信託会社名義でローンを組み、アパートやマンションを建築します。そして、信託期間中は信託会社が運用をおこない、契約が満了すると建造された建物も一緒に委託者に返還されます

そのため、契約終了後、自分で賃貸経営を始めるたり、現金が必要であれば土地ごと売却してしまうこともできます。

ただし、建物のローンが残っている場合には、委託者が建物の受け取りとともにローンの残債も引き継ぐことに注意が必要です。

土地信託の契約期間

土地信託は、アパートやマンションを建築することが一般的であるため、10~30年の契約期間に設定されることが多いです。

契約終了後は、その土地や建物を自由に活用することも可能ですが、信託会社と土地オーナーの双方に契約延長の意思があれば、契約を延長することもできます。

土地信託は、自己資金を用意する必要がなく、手間のかからないことから、始めてみたいと思う土地オーナー様も多いと思います。しかし、土地活用には、土地信託だけではなく、アパート経営や駐車場経営などさまざまなな土地活用種別が存在します。

もし、所有する土地でどのような土地活用種別が良いのか迷ったときは複数の土地活用プランを一括請求・比較できるサービスを使うことをお勧めです。イエウール土地活用なら、複数のプランを比較して収益性の高い土地活用方法を見つけることができます。

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土地活用としてアパート経営を選ぶ理由やリスクを解説!

土地活用を始めたいと思っても、どの方法が良いのかわからず悩んでしまう、ということもあるでしょう。この診断では3つの質問に答えるだけで、あなたの土地に合わせた活用方法をランキング形式で紹介します。

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土地信託は信託会社に委託する

土地信託は、信託銀行とそれ以外の信託会社のどちらかに依頼することになります。

信託銀行に依頼する場合、メガバンクや地方銀行グループの信託銀行が主な依頼先になります。ただ、信託銀行は、大手銀行の後ろ盾があり、信頼性は高くなりますが、信託事業全般を請け負っていることもあり、土地信託に特別優れているというわけではありません。

そのため、土地信託を始めるなら信託銀行以外の信託会社に依頼しましょう。信託会社の方が、土地信託に注力しているため、多くのノウハウを持っています。

土地信託は、一度委託してしまえば、その後は信託会社によって運用されるものです。仮に運用に失敗してしまうと、追加の投資が求められることもあるため、実績やノウハウの多い信託会社に委託する必要があります。

また、信託会社を決めるときには、複数の会社を比較し、どの信託会社がよりよい運用を行ってくれるかを見極めましょう。

土地信託を始めるときの流れ

STEP
  • 信託会社を決める
  • 信託契約を結ぶ
  • 信託会社が土地の運用を開始する
  • 信託会社から収益に応じて配当金が支払われる
  • 契約の終了
ここでは土地信託を始めるときの流れを解説します。

STEP1:信託会社を決める

まず、土地信託を依頼する会社を探します。土地の信託を依頼するときには、複数の会社に相談し、比較して検討することが大切です。

依頼する会社によって土地の運用方法が異なり、運用が成功するかは依頼する会社にかかっています。運用が成功しなければ、配当金が得られないので、会社を選ぶときには同じような運用実績があり、成功しているかを確認して選びましょう。

また、土地を信託する場合は、土地に建物を建てて賃貸して収益を出して、借入金の支払いなどをおこなうので長期の契約になることが多いです。大切な土地の運用を長期にわたって任せるため、信頼できる会社を選ぶことが大切です。

STEP2:信託契約を結ぶ

依頼する信託会社を決めたら、信託会社と信託契約を結びます。このとき、土地の所有権を信託会社に移転し、委託者(地主)は信託受益権を得ます。

その後、土地に建物を建設するための業者を選んだり、建設費用を借り入れたりすることは、信託会社が行います。

STEP3:信託会社が土地の運用を開始する

委託者(地主)から土地の運用を任された信託会社は、土地にアパートやマンションなどを建てて運用を始めます。

運用方法は、土地の立地広さなどから適した方法が選ばれ、駐車場や商業施設などを建設して運用することもあります。アパートやマンションの場合には、入居者を募集して貸し出し、家賃収入を得て利益を出します。

建物や入居者の管理や集金業務などもすべて信託会社が依頼した会社が行うので、委託者(地主)には、管理の手間がかかりません

STEP4:信託会社から収益に応じて配当金が支払われる

運用を初めて、毎月の家賃収入が得られるようになると、諸経費を引いて配当金が委託者に支払われます。

諸経費には、建物建設の際の借入金の返済や信託会社への報酬、建物の管理費用などがあり、これらの諸経費よりも収益が多い場合に配当金が支払われます。

賃貸経営をしているの場合、入居者が集まらず諸経費以上の収益が得られない場合には、配当金は支払われません。

STEP5:契約の終了

土地信託では、土地の信託契約を結んでから、信託会社が土地を開発して運用をするまで、10年~30年といった長期の契約になることが多くなります。この期間、信託会社は、金融機関からの借り入れがあれば、返済を行いながら運用します。

そして、契約が終了すると、建設をした建物とともに土地が委託者(地主)に返還されます。このとき、借入金の返済が終わっていない場合には、委託者(地主)が返済を続けることになります。

そして、賃貸型の土地信託の場合には、建物を建設して運用をおこなっていた場合には、契約終了で建物付きで土地が戻ってきます。また、両者に契約延長の意思があれば、そのまま契約を延長することも可能です。

また、土地活用を検討している方は、イエウール土地活用で複数企業から土地活用プランを取り寄せ、比較することが可能です。イエウール土地活用は、土地信託のための信託会社とのマッチングサービスではありませんので注意してください。

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土地活用のアイデア32選!活用方法の特徴や選び方を解説

土地信託は相続対策に有効

土地信託を始めることで、配偶者や子供に安心して財産を残すことが可能になります。ここでは、土地信託が相続対策に有効な理由を解説します。

認知症等のリスク対策になる

認知症と診断されたのち、相続が発生してしまうと、残された配偶者や子供たちは、相続人が決まるまで、その財産を自由に管理できなくなります。

また、認知症の方は、自分の財産の管理や処分が自分でできなくなると判断されてしまうことから、自分が元気なうちに相続対策が必要になっています。

認知症になる前に、土地信託を始めておくことで、自分が亡くなった後の信託受益権者をあらかじめ設定することができます。

たとえば、「自分が亡くなったら妻に財産を相続する」ということを設定しておくことが可能になっています。

こうすることで、自分が亡くなった後、財産が凍結することなく、スムーズに相続の手続きを行うことができます

争続を未然に防ぐことができる

相続発生時、相続人が決まっていないと、家族の中で争続が発生してしまう可能性があります。

現金であれば、分割して相続することが可能になりますが、土地や建物といった不動産は分割することができず、相続人の間で争いが発生しやすい財産となっています。

そこで、土地信託を始めておけば、契約30年目に存命している人まで信託受益権者を設定することができます

たとえば、あなたが信託契約8年後に亡くなった場合、第二受益者である配偶者が信託受益権を相続します。その7年後に配偶者が亡くなった場合、第三受益者である子供に信託受益権が相続されます。

また、契約30年以内に第三受益者の子供が亡くなった場合、第四受益者の孫が相続し、第四受益者が亡くなったのち、信託契約が終了します。

ただ、第三受益者である子供が、契約から30年以上長生きした場合、契約30年目に存命しているのは子供となるため、孫には相続されないことになります。

このように、あらかじめ信託受益権者を決めておくことで、争続を未然に防ぐことができます。

配偶者の生活費を確保できる

土地信託を始めることで、毎月、一定の配当金を得ることができるため、これらの配当金で配偶者や子供などの生活を助けることができます。

また、あなたが亡くなった後、信託受益権は事前に設定していた人に相続されることから、もしものことがあっても配偶者の生活資金を支えることができます。

先述のように、契約30年目までは信託受益権者を設定することができることから、配偶者の生活を支えた後、子供たちに財産を相続するということも可能です。

土地の活用方法に迷ったときは土地活用プランの一括請求サービスを使うことをお勧めします。日本最大級の比較サイトイエウール土地活用なら、お持ちの土地に適した土地活用方法を探すことができます。

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土地信託のリスク

自己資金がかからない土地信託ではリスクも存在します。土地活用として土地信託を始めるときは、リスクを確認しておきましょう。

配当金がゼロの可能性もある

土地の活用の専門家である信託会社に土地活用を依頼しても、必ず収益が出るとは限りません。思ったように収益が得られないこともあります。

その事業で収益が出なければ、もちろん配当金も受け取れません。そのため、依頼する信託会社は、実績やプランの内容、担当者の対応などを確認して選ぶことが大切です。

また、事業が赤字になると追加投資を求められることもあり、配当金どころか収支がマイナスになってしまうこともあります。事業が成功するかどうかは、不動産市場や景気の影響も受けますが、信託会社の手腕も大きく影響します。信託会社を選ぶときには、慎重に選びましょう。

土地が売却される可能性がある

不動産の相場の変動や環境の変化、災害などが原因で家賃収入が思ったように得られず、支出が収入上回ってしまう場合があります。

このような場合には、賃貸型から処分型へ合意のもと契約を変更し、事業や土地の売却をおこなって精算し、残金のみが返却される場合があります。

土地信託では、やむを得ない場合に、土地が売却されてしまう可能性があることも覚えておきましょう。

土地信託を始められないこともある

信託会社は、信託契約を結ぶ前にその土地の収益性や資産価値を調べます。事前にどれくらいの収益が得られるかなどの調査をおこなった後、運用可能だと判断した場合のみ、契約を結ぶことになります。

そのため、どれだけ広い土地を持っていても、その土地にマンションやアパートを建て、運用できないと判断されると土地信託を始めることすらできません。

仲介手数料がかかる

自分でアパート経営を始めるには、不動産会社や建設会社を探して契約したり、金融機関で借り入れをしなければなりません。しかし、土地信託の場合には、このような手続きや資金調達を信託会社が代行して行います。

そのため、土地信託を始めると信託会社に土地信託で得られた収益の5%~20%の仲介手数料を支払う必要があります。この手数料を考慮しても、利益を得られるのかをしっかりと確認して、土地信託を始めるか決断しましょう。

土地信託を土地活用の一つとして考えよう

土地は所有しているだけで税金や維持費がかかり、放置していると負担ばかりが増えていきます。しかし、最適なパートナーを見つけて活用すると、効率よく収益が上げられ、その収益を税金の支払いなどに充てられて負担を減らすことが可能です。

土地信託は、土地活用の専門家が活用をおこなうので、知識や経験が少なくても土地活用が始められます。土地活用を検討しているのなら、土地信託も活用方法の1つとして検討してみてはいかがでしょうか。

初心者でもわかる!
記事のおさらい

土地信託ってどういう仕組みですか?
土地信託とは、所有する土地を信託会社や信託銀行に預け、活用してもらうことで、収益の一部を配当金として受け取る。詳しくは、こちらをご覧ください。

土地信託にはどういった特徴がありますか?
土地信託は、資金や手間をかけずに始められるという特徴があります。詳しくは、土地信託の特徴をご覧ください。
【完全無料】最適な土地活用って?