貸家建付地の賃貸経営は節税対策になる?|節税シミュレーションと評価額の計算方法

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土地を活用するときに、アパートやマンションを建ててから賃貸する方法があります。このようなアパートやマンションのように賃貸用の建物が建っている土地を貸家建付地と言います。貸家建付地のように第三者が使用する建物が建っている土地は、評価額が下がり相続時の税額が抑えられます。

この記事では、貸家建付地と相続税の関係について解説しています。また、評価の条件や評価額の出し方を解説しているので、相続税対策の参考にしてみてください。

梅澤 康二
監修者:梅澤 康二(うめざわ こうじ)
東京大学卒業後、法律事務所に入所。2014年8月からプラム綜合法律事務所を設立。労務、一般民事、債務整理や相続問題など様々な法律相談に対応している。
URL:弁護士法人プラム綜合法律事務所

相続税対策ができる土地活用方法について詳しく知りたい方は、目的別に土地活用方法がまとまっているこちらの記事がおすすめです。

貸家建付地とは

貸家建付地とは、賃貸用の建物が建っている土地のことを言います。賃貸用の戸建てやアパート、マンション、テナント、オフィスビルなどが建っている土地が該当します。

更地の場合や自身の居住用の建物があるだけの場合、所有者は土地を自分で好きに使えますが、土地に建物を建ててこれを他人に賃貸した場合は、所有者の利用は当然制限されます。

このように土地の活用の方法に制限があるため、貸家建付地の評価額は所有者のみで土地を使用している場合に比べて評価額が下がります。
そのため、土地の相続税対策として貸家建付地を検討しているオーナー様は多くいらっしゃいます

貸家建付地が相続税対策になる仕組み

貸家建付地なぜ相続税の対策になるのでしょうか。ここでは貸家建付地とはどのようなものか、相続税が節税できる仕組みを解説します。

①不動産の相続税評価額は現金より低い

そもそも相続税は、現金でそのまま相続するよりもその現金で不動産を購入して相続する方が、相続税評価額が下がる場合が多いです。
これは、相続時の土地の評価は相続税路線価を基準とするのが基本であり、路線価は概ね土地の時価を下回るためです。

単純な例として、1億円で購入した土地について、路線価が7,000万円から8,000万円程度となれば、差額の2000~3000万円について課税対象外となり節税につながるというとわかりやすいでしょう。

②賃貸にすると土地の相続税評価額を引き下げられる

土地に賃貸用の建物を建てると、評価額が下がり、相続税を抑えることができるというのは上で説明しました。
評価額が下がれば、当然課税される税金も減ります。これが節税につながるということです。

貸家建付地の評価額計算方法

貸家建付地にすると、相続税の評価額を抑えることが可能です。
ここでは、具体的に貸家建付地の評価額を計算する方法を紹介します。

貸家建付地の評価額を計算する方法

貸家建付地の相続税評価額は、自用地の評価額から計算できます。自用地とは、所有している人だけが使用する権利を持っている土地のことです。

貸家建付地の評価額は、この自用地から賃貸分の割合を差し引いて決まります。下記が具体的な計算式です。

貸家建付地の評価額 =
土地の評価額 - (自用地としての評価額 × 借地権割合30%~90% × 借家権割合30% × 賃貸割合)

自用地としての評価額は、国税庁のホームページに記載されている路線価方式や倍率方式で求められます。
持っている土地の面積に、記載されている路線価を乗ずると評価額が計算できます。特殊な形状の土地の場合にはこのときに補正率も乗じて計算しましょう。

参考:令和2年分の路線価等について|国税庁

借地権割合・借家権割合・賃貸割合について解説

貸家建付地の評価額を計算するときには、借地権割合を確認し、賃貸割合を計算する必要があります。
ここでは計算時に使うそれぞれの割合の意味を解説します。

借地権割合とは

借地権割合とは、その土地の権利のうち借地として利用できる割合のことを指します。
この割合は土地ごとに定められており、国税庁の財産評価基準(路線価図・評価倍率法)で確認できます。

なお、土地のあるエリアによって割合は変わります。
基本的にアルファベットのAからGの7段階で分かれていて、借地権の割合はそれぞれ30%~90%で設定されています。(下記表を参考)

仮に90%の場合は、90%分の面積の土地を借地として利用できることを意味します。
通常、都心部の地価が高い場所ほど借地権割合が高くなる傾向にあります。

記号 借地権割合
A 90%
B 80%
C 70%
D 60%
E 50%
F 40%
G 30%
借家権割合とは

建物の価値のうち借主が建物を使える割合のことを指し、全国一律で30%と決められています。
通常、借主が賃料を払って建物を借りて使用している場合に借家権が発生します。

賃貸割合とは
建物の中で賃貸として利用している部分の割合のことです。空室の場合には賃貸していないので、その部分は賃貸割合には含まれず、自用地としての評価になります。
ただし、継続的に賃貸をおこなっていて、課税時期の前後1ヶ月程度のみ空室になっている場合などは、賃貸しているものとみなされて計算できる場合もあります。

簡易的に例を挙げると、10室あるアパートで2室が空室の場合、10室中8室が賃貸されているので賃貸割合は80%となります。
これが5室だと賃貸割合は50%になります。

計算式からもわかるように、空室が少ないほど賃貸割合が上がり、課税価格から控除できる金額が大きくなります

貸家建付地の節税シミュレーション

シミュレーション

自用地としている場合の土地の評価額と貸家建付地としての土地の評価額を比べてみましょう
ここでは、路線価310Cのエリアの200平方メートルの土地を例に挙げて計算してみます。

まず初めに、自用地として利用する場合の土地の相続税評価額を計算します。
なお、路線価は1平方メートルあたりの単価を千円単位で表記しているので、310Cのエリアでの1㎡あたりの相続税評価額は、31万円となります。

この価格に、土地の面積である200㎡をかけると、土地全体の相続税評価額が求まります。

31万円(1㎡あたりの相続税評価額) × 200平方メートル(土地の面積) = 6,200万(土地全体の相続税評価額)

次に、賃貸アパートを建築して、貸家建付地にした場合の評価額を計算してみましょう。
借地権割合は、路線価図に表記されているCを参考に、70%です。なお、借家権割合は統一で30%です。
賃貸割合に関しては、ここでは満室のアパートを経営できていると仮定して、100%で計算します。

6,200万円(自用地としての相続税評価額) - (6,200万円 × 借地権70% × 借家権30% × 賃貸割合100%) = 4,898万円

自用地としての評価額6,200万円と貸家建付地としての評価額4,898万円を比べると、1,302万円もの差があります

評価額にこれほどの差があると、実際の相続税もかなり節税されることが予想できるでしょう。
貸家建付地にすることで課税評価額が大きく下げられるので大きな節税になることがわかります。

貸家建付地を検討する際の注意点

貸家建付地として評価するには条件があります。貸家建付地として評価されないと相続税の節税にはならないので注意しましょう。

小規模宅地の特例を併用できる

貸家建付地は、貸付事業用宅地とみなされると、小規模宅地等の特例が適用できます。
この特例が適用できると、200平方メートルまでは課税価格を50%減額できます。

小規模宅地等の特例は貸家建付地の評価減をおこなった後の評価額に適用できますが、適用には次の条件があります。

  • 貸家建付地に建っている建物を借りている人が世間相場並みの相当の対価を払っていること

  • その建物が継続的に賃貸として利用されていること

そのため、無償で第三者に土地を貸している場合や、格安で貸している場合には貸家建付地として見なされなません。

貸宅地の方が相続税の軽減率は高い

貸家建付地と似たものとして、貸宅地があります。
貸宅地とは、課している土地のことを指し、例えばAさんがBさんから土地を借りて家を建てた場合、そのBさんの土地が貸宅地になります。

貸宅地についても所有者による利用が制限されていることから、土地の評価額が下がり、節税となります。
また、貸宅地は貸家建付地よりも所有者による利用制限がより大きいと考えられていますので、評価額はより低く見積もられます

そのため、もしあなたが土地を自ら利用する予定がまったくないので、相続税をできるだけ軽減したいということであれば、貸家建付地とするより貸宅地とする方が向いているかもしれません。

(参考)貸家建付地と貸宅地の違い

貸宅地と貸家建付地の違いは、建物の所有権がどちらにあるかで判断するとよいでしょう。

貸宅地は、第三者が借りた土地に自ら家を建てる場合を想定しています。
そのため、貸宅地の場合、土地の権利は貸主に、建物の権利は借主にあります。

貸家建付地は貸主が自身の土地に建物を建築し、建物を第三者に賃す場合を想定しています。
そのため、貸家建付地の場合、土地も建物も権利は賃貸人にあります。

貸し駐車場は自用地として評価される

貸家建付地として評価されるのは、原則として、賃貸物件を土地上に所有し、実際に建物が賃貸されている場合に限られます。
原則、駐車場は自用地として評価されるため、駐車場として貸しているという場合は、賃貸用物件が存在しませんし、建物賃貸の事実もないので、貸家建付地としては認められません。

一方で、賃貸物件に駐車場が併設されており、入居者のために駐車場を貸している場合には、建物部分と駐車場部分を併せて貸家建付地として評価されます

無償で貸している場合はNG

貸家建付地として評価するためには、世間相場並みの賃料の受領があることと、継続して賃貸として利用していることが条件です。
そのため、無償で建物を貸している場合には貸家建付地として認められません。

したがって、親族間で無償で貸しているといったケースでは、貸家建付地にならず、相続税の軽減を受けることができません。
ただし、親族間であっても、世間相場並みの賃料を支払っているのであれば、貸家建付地として評価されます。

満室維持がカギ

貸家建付地の評価額を出すときには、自用地としての評価額から借地権割合と借家権割合、賃貸割合の評価を差し引いた額が評価額となります。借地権割合や借家権割合は、土地によって決まっていて変えられません。

ただ、賃貸割合は借りている人の割合によって変動します。賃貸割合が大きいほど多くの節税効果が見込めるため、できる限り満室状態をキープしておくことが大切になります。

この賃貸割合は、課税時期の賃貸状況で決まります。ただし、課税時期前後に一時的に空室になっているケースなどは、賃貸しているものとして計算できる場合があります。
基本的には課税時期に空室を発生させないようにすることで、控除額が大きくなり相続税評価額を下げられます

貸家建付地で賃貸経営をするならこの3つ!

土地の上に賃貸物件を建てて貸家建付地にし、相続税を節税したい場合は3つの方法があります。
それはアパート経営、戸建賃貸経営、賃貸併用住宅の3つです。
ここでは、それぞれの賃貸経営手法について解説します。

アパート経営

アパートを建てて賃貸物件として貸し出すと、その土地は貸家建付地となり、相続税の節税効果を受けられます。
アパートオーナーとしてアパートを経営することで、入居者からの家賃収入を得ることができ、中長期的に安定した収入を得ることが可能です。

実際、相続税対策目的でアパート経営を始めている土地オーナー様も多くいらっしゃいます。

ただ、アパートは立地が重要になる土地活用手法です。駅から近かったり主要都市から近かったりなど、ある程度の条件を満たしていないとおすすめできません。
アパート経営のポイントや経営のコツについて知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。

戸建賃貸経営

保有する土地に戸建を建築し、その戸建を賃貸物件として貸し出す戸建賃貸経営も、貸家建付地として相続税減税効果を受けることができます。

アパート経営より利回りは良くないかもしれませんが、アパートの様に入居者を集めるハードルが低いのが戸建賃貸のメリットでしょう。戸建賃貸経営のコツや儲かるポイント、利回りについて詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。

賃貸併用住宅

同じ建物内に居住用スペースと賃貸用スペースがある賃貸併用住宅の場合、賃貸スペースに関しては、貸家建付地として節税効果を受けることができます。

賃貸併用住宅の場合、自分の家を確保しつつ、一部賃貸して賃料収入や節税効果を得られる点がメリットといえます。
ただ、賃貸併用住宅の場合、自分の居住用スペース分は評価されず、賃貸としている割合分だけ土地の評価が下がります。

賃貸併用住宅の仕組みや具体的な間取り、おすすめの人について以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてみてください。

貸家建付地での賃貸経営はプラン請求して確認しよう

貸家建付地として土地活用をするときには、本当に節税できるのか、どのくらい収益が出るのかをあらかじめ確認しておく必要があります。
そのため、まずは土地活用比較サイトを活用してプランだけを取り寄せ、自分の土地で土地活用をした場合の収益や節税度合いを確認しましょう。

なお、賃貸経営ならイエウールのパートナーである「イエカレ」がおすすめです。イエカレは、運営開始から10年以上続く日本最大級の賃貸経営総合比較サイトです。

賃貸経営に関する基礎知識や不動産に関するコラムなどが充実しており、土地活用初心者でも活用ができるようにサポートをおこなっています。
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フォームを入力するだけですぐに資料請求ができるので、土地の活用を検討している場合には利用してみるとよいでしょう。

貸家建付地で相続税対策をしておこう

相続時には、現金をそのまま相続するよりも土地を相続したり、その土地に賃貸用建物を建てることで節税できます。そして、相続税を節税するには事前の対策が必要です。

貸家建付地なら相続税対策をしながら、土地活用がおこなえます。土地活用を考えているのなら、相続税の対策も一緒におこなえる貸家建付地で活用してみてはいかがでしょうか。

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