土地や建物を所有していると、それだけで固定資産税がかかります。固定資産税は毎年かかる税金であり、長期間不動産を保有していると、高額なコストになってしまうこともあります。
固定のコストである固定資産税がどのような税金なのか、いくらかかるのかを把握しておくことが大切です。固定資産税は減税もできるため、コスト節約の方法も含めて、税金への理解を深めていきましょう。
固定資産税の基本を知ろう
まずは固定資産税がどのような税金なのか、基本的な理解から深めていきましょう。
固定資産税は、土地や家屋など不動産を所有している人にとっては避けられない税金であるため、不動産についての知識も身につけることができます。
固定資産税とは
まずは固定資産税とはなにか、定義や課税対象となる人などを知っておきましょう。
どのような税金で、誰に対して課税されるものなのかを把握しておくことで、基本部分への理解が深められます。また、課税対象者だけではなく、誰が納税するのかについても、知っておくことが大切です。
固定資産税の定義
まずは固定資産税の基本的な定義から知っていきましょう。固定資産税は固定資産を所有している場合にかかる税金であり、これは地方税に該当します。
固定資産を持っている人全員に課税される税金であり、非課税となることはありません。
ただし、所有している資産の評価額が一定以下の場合は、特例として免税されることがあります。
評価額が極端に低い場合は税金の負担はありませんが、基本的にはかかるものと考えておきましょう。
課税対象と納税者
固定資産税の課税対象となるものの幅は広く、代表的なものだと次の通りです。
- 土地や住宅
- 店舗や工場などの建物
- 経年劣化した会社の備品
- 航空機
- 医療機器
これらの固定資産を所有している場合は、固定資産税の課税対象です。納税者は固定資産を所有している人であり、登記簿謄本や固定資産税課税台帳に記載されています。
つまり、資産が手元にある、あるいは使用している人が課税対象となるわけではなく、あくまで登記簿謄本などで所有者となっている人が納税しなければならないと考えましょう。
そのため、土地と建物を使って賃貸経営をしている場合は、固定資産税の支払い義務は入居者ではなく、不動産のオーナーとなります。
固定資産の使用者と納税者が異なるケースもあるため、この点は理解しておくことが大切です。
納税時期と方法
税金についての理解を深めるなら、納税時期や納税方法なども知っておきましょう。税金によって納税時期や方法は異なるため、この違いを理解しておくことは大切です。
固定資産税の場合はいつ、どのようにして支払うのか知り、滞りなくスムーズに納税しましょう。
固定資産税の納税時期
固定資産税は毎年自治体から納税通知書が送られてくるため、それをもとに支払いを行います。納税通知書が送られてくる時期は市区町村によって異なりますが、基本的には4~6月の間です。
どの市区町村でも納税の期限が通知書に記載されているため、期限を過ぎないように注意しなければなりません。
期限を超過するとペナルティが科せられてしまい、本来よりも高い税金を支払わなければならない場合があるため、注意が必要です。
納税通知書が送られてきたなら、期限を超過しないように納付期限を確認して、素早く納付しましょう。
固定資産税の納税方法
固定資産税はさまざまな方法で支払うことができ、納税方法としては次のものがあげられます。
- 金融機関の窓口
- コンビニ
- 口座振替
- クレジットカード払い
いずれかの方法で納税が可能であるため、自分に合ったやり方を選びましょう。ただし、期限を超過した場合は、一部の支払い方法が利用できないことがあるため注意して下さい。
土地と建物にかかる固定資産税の計算方法
固定資産を所有するうえでのコストを把握するには、実際に固定資産税がいくらかかるのかを知っておくことが大切です。固定資産税額は計算が可能であり、これによって事前にある程度の金額を把握できます。
もちろん、実際の税額は固定資産税の納税通知書で確認できますが、事前に知りたい場合は計算が可能であることは覚えておきましょう。
土地と建物の計算方法
まずは土地と建物では、どのように固定資産税を計算するのかを知っておきましょう。固定資産税を計算するうえでは、固定資産税評価額と税率がポイントとなります。
これらを把握しておくことで、固定資産税がどれくらいになるかは、スムーズに算出できます。
固定資産税の計算方法
対象となる固定資産の税額を計算する際の式は、次の通りです。
- 固定資産税評価額×税率
固定資産ごとに評価額が決められており、これに税率をかけたものが固定資産税額となります。標準税率としては1.4%が定められていますが、市区町村によって多少変動する場合があります。
そのため、詳細な金額を知るには、住んでいる地域での税率がいくらに設定されているかを確認しておきましょう。また、地域によって都市計画税がかかることもあり、これも固定資産税評価額に税率をかけて計算できます。
都市計画税も地域によって異なりますが、標準税率としては0.3%で定められています。
評価額の計算方法
固定資産税額を計算するには、対象となる土地や建物などの評価額を把握しておかなければなりません。
土地の評価額は国土交通省が発表している路線価をもとに計算できます。基本的には地価公示価格の70%程度が評価額となります。
建物の計算方法は少し複雑であり、経年劣化した分を考慮しなければなりません。つまり、経年劣化して価値が下がったものは、固定資産税の評価額も減額されることになります。
建物について細かく計算することは難しいため、詳細な金額については毎年送付される納税通知書を参考にするとよいでしょう。
償却資産の税額
土地や建物以外の償却資産の場合は、固定資産税の計算方法が少し異なります。償却資産は取得したときの価格やその固定資産の耐用年数によって異なり、これによって減価率を算出します。
また、初年度と2年目以降で評価額の計算方法が違うため、この点も覚えておきましょう。
- 初年度:取得したときの価格×(1-減価率×1/2)=評価額
- 2年目以降:取得したときの価格×(1-減価率×1)=評価額
これらの式で計算した評価額に、税率をかけたものが償却資産の固定資産税額です。
償却資産の場合も標準税率は1.4%と定められていますが、これも市区町村によって異なることがあるため、事前に確認しておきましょう。「今持っている不動産を現金化したい」という方は、売却という形で手放すという選択肢もあります。一括査定サイト「イエウール」を使えば、無料で最大6社から査定を受けられるので高く売ってくれそうな会社が分かります。
土地の固定資産税に関する主な減税措置
- 住宅用地の特例
- 新築住宅に対する特例
- 対象のリフォームに適用される特例
これらを賢く活用することで、固定資産税の負担を抑えられます。
住宅用地の特例
住宅用地として認められる土地については、固定資産税が軽減されます。これは土地の広さによっていくらまで減税されるかが異なり、200平方メートルまでの部分は小規模宅地として、固定資産税評価額の6分の1に減額されます。
また、200平方メートルを超える部分については、3分の1に減額されるため、税負担は大幅に抑えられるでしょう。
200平方メートル以上の土地については、200平方メートルまでを6分の1、それ以上の部分を3分の1の評価額で計算するため、この違いは把握しておくことが大切です。
新築住宅に対する特例
住宅の中でも、新築の場合は減税の特例が適用されます。新築住宅は3年間にわたって固定資産税が2分の1に減額されます。
ただし、適用される範囲は床面積120平方メートル以下の部分であるため、それ以上の部分については、通常の税額になると考えましょう。
住宅全体の床面積が120平方メートル以下なら、固定資産税は通常の2分の1になりますが、それ以上の床面積なら、超えた部分は通常の税率で計算する必要があります。
対象のリフォームに適用される特例
省エネやバリアフリー、耐震など対象となるリフォームを行った場合は、固定資産税が減税されます。対象なるリフォーム | 条件 | 減税内容 |
---|---|---|
省エネ改修 | 一定の基準を満たす省エネ改修 | 翌年度分の固定資産税が3分の1(120平方メートルまで) |
バリアフリー改修 | 一定の基準を満たすバリアフリー改修 | 翌年度分の固定資産税が3分の1(100平方メートルまで) |
耐震改修 | 昭和57年1月1日以前に建築された住宅で一定の耐震改修工事 | 120平方メートルまで固定資産税が2分の1 |
また、上記のリフォームによって長期優良住宅に認定されると、さらに固定資産税は減額されます。
それぞれ対象となる工事が決まっているだけではなく、減税が適用される範囲も定められているため、この点も頭に入れておきましょう。
土地にかかる固定資産税を安く抑えるテクニック
固定資産税の負担をできるだけ抑えるには、減税措置を適用させるだけではなく、ほかにもさまざまな方法があります。次の2つの方法を意識することで、固定資産税は抑えられます。
- 支払い方法を変える
- 土地活用をして減税する
これらの方法も検討しながら、固定資産税の負担を軽減させましょう。
支払い方法を変える
固定資産税は金融機関の窓口やコンビニなどで支払うだけではなく、クレジットカード払いが可能です。クレジットカード払いにすることで、金額に応じてポイント還元を受けられるため、結果的にコスト負担を軽減できます。
例えば固定資産税額が1万円で、還元率が1%だとするなら、100円分のポイントが得られます。固定資産税額が大きいほど、還元されるポイントも増えるため、毎年の納税額が高額な人ほど、クレジットカード払いを選んだほうがお得でしょう。
土地活用して減税する
土地の固定資産税を減税するには、なんらかの方法で土地活用することがおすすめです。固定資産税は対象となる資産によって変動しますが、建物と比べると土地は高くなりやすい傾向にあります。
土地活用をすることで現在の税額よりも安くなるケースは多く、かつ余らせている土地を有効活用して収益化も図れます。
もちろん、収益化を目指さなくても減税は可能であるため、目的に合わせて活用方法を考えましょう。
土地のままにしておかないことがポイント
更地のまま所有していると固定資産税は高くなりますが、建物を建築することで減税の対象となります。
建物が建っているだけで固定資産税は安くなるため、もし引越しを検討しているなら、所有している土地に家を建て、そこに移り住んでもよいでしょう。
また、住み替えの予定がない場合は、戸建住宅やアパートなどを建て、賃貸経営をすることもおすすめです。
賃貸経営で利用する場合でも減税の対象です。賃貸経営をするなら、固定資産税が減税されるだけではなく、家賃収入も得られるため、収益化を目指したい人にも向いています。
複数の業者に提案を受ける
土地活用を検討する場合は、複数の業者に相談し、それぞれが提示するプランを比較することが大切です。
最初の1社だけで土地活用の方法を決めてしまうと、コストがかかりすぎたり、収益化を目指す場合は上手く利益が出ないこともあります。
土地の活用にはコストがかかりますが、見積もりの金額は業者によって違うため、最低3社を目安に比較しておくことが重要です。
業者によって見積もり金額が異なるのは、得意分野の違いも関係しており、実績を確認し、自分の目的に合った土地活用に強みを持っているかもチェックしておきましょう。
土地にかかる固定資産税は上手に減税しよう
土地や建物を所有していると固定資産税がかかり、これは毎年支払いが必要なコストです。そのため、どれくらいの金額を支払うことになるのか、事前に計算して把握しておくことが大切です。
また、固定資産税は減税措置を活用することで、負担を軽減できます。少しでも税負担を軽くするには、減税措置も賢く活用することが重要といえます。
ほかにも土地活用をしたり、税金の納付をクレジットカード払いにしたりすることでも、固定資産税の負担軽減は可能です。さまざまな方法を検討し、土地や建物にかかる固定資産税の負担を、上手に軽減させましょう。
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