マンション経営はなぜ節税になる?節税の仕組みやリスクを解説

マンション経営はなぜ節税になる?節税の仕組みやリスクを解説

「マンション経営をすると節税になる」と聞いたことがある方も多いかと思います。その方の中には、

どんな税金を節税できるの?
どうしてマンション経営が節税になるの?
実際、いくらくらい節税できるの?

といった疑問を持つ方もいるかと思います。そこでこの記事では、マンション経営が節税になる仕組みと節税効果について解説します。

効果的な節税方法まで解説していますので、是非参考にして税金対策を行ってみてください。

\建築費は?初期費用は?/

大手10社の収益プランを比較する
STEP1右矢印
土地の有無
STEP2右矢印
都道府県
STEP3右矢印
市区町村
STEP4右矢印
町名
STEP5右矢印
字・丁目

マンション経営の基礎知識を知りたい方は以下の記事をご覧ください。

【初心者必見】マンション経営の基礎知識!メリットやリスクを解説

マンション経営で節税できるケース

所得税を節税できるケース:マンション経営の収支がマイナス

マンション経営によって所得税を節税することができるのは、サラリーマンなど定期所得のある人です。マンション経営が赤字であれば、課税所得額を抑えた結果として節税効果が生まれます。

例えば、給与所得が700万円あるサラリーマンの場合です。

サラリーマンとしての給与所得:700万円
不動産所得 :‐200万円 (200万円の赤字)

給与所得 + 不動産所得 = 総所得額(※課税所得額)
700万円 + (-200万円) = 500万円

この仕組みを損益通算といいます。

マンション経営の不動産所得と定期所得を合わせて、合計の所得額が小さくなるケースであれば、所得税を節税することができます。

相続税を節税できるケース:基礎控除額を超えている

マンション経営によって相続税を節税できる人は、遺産の額が基礎控除額を超える人です。

課税遺産総額 = 遺産の額 – 基礎控除額

基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数

マンション経営のために土地や建物を購入した場合、土地建物を相続することになります。

不動産の相続税は、「不動産評価額」によって決まります。この不動産評価額は、時価の6割~8割で計算されるため、現金で相続するよりも相続税を抑えて節税することができます。

マンション経営が節税になる仕組み:所得税

ここでは、マンション経営によって所得税を節税する仕組みについてより詳しく解説します。

マンション経営で所得税が節税される仕組みは以下のとおりです。

  • 損益通算で節税する
  • 青色申告で節税する
  • 経費計上で節税する
これらを行うことで、不動産所得をマイナスにすることができる人は、所得税を節税することができます。

所得税が節税になる仕組み1:損益通算で節税する

マンション経営で不動産所得がマイナスになっていれば、損益通算によって所得税を節税することができます。

所得は、収入から必要経費を引いた金額です。会社からの給料といった定期所得と、マンション経営で得た賃料収入の合計が収入です。
そこから、減価償却費用、金利、運営費などといった経費や、青色申告の控除額を引き、残った分が所得になり、所得税が課されます。

そのため、必要経費を引いた不動産所得がマイナスになっていれば、損益通算によって定期所得にかかる所得税をおさえることができます。

所得税が節税になる仕組み2:青色申告で節税する

マンション経営は個人事業にあたりますので、確定申告が必要です。
所得税の確定申告には、青色申告と白色申告の2種類があります。

青色申告をすると、以下のような節税の優遇措置を受けることができます。

  • 所得が55万円控除される(電子帳簿の場合は65万円控除)
  • 専従者の給与を経費にできる
  • 純損失の繰越ができる
(参考:国税庁HP 青色申告特別控除)

青色申告をするためには、青色申告承認申請書を出す必要があります。
マンション経営をはじめてから2ヶ月以内に、所轄の税務署へ申請書を提出しましょう。

所得税が節税になる仕組み3:経費計上で節税する

マンション経営にかかった費用を経費として計上することによって節税することができます。

課税所得額は、所得から必要経費を引いた金額です。そのため、経費の額が大きければ大きいほど、課税所得額は小さくなり、所得税を節税することができるのです。

課税所得額 = 所得 – 必要経費

マンション経営で経費とできるもの一覧

マンション経営において経費化できるものは多いため、何が経費にできるのか確認しておきましょう。

  • 土地や建物にかかる固定資産税
  • 都市計画税
  • 消費税
  • 事業税
  • 収入印紙
  • 減価償却費
  • マンション修繕費
  • 管理会社への委託費
  • 入居者募集のための広告宣伝費
  • 税理士への報酬
  • 共用部分の水道光熱費
  • 立ち退き料
  • 土地購入時の借入金利息
  • その他の雑費

計上できる経費の額が高くなるほど申告する所得額が低くなり、結果として節税に繋げることができます。

マンション経営が節税になる仕組み:相続税

ここでは、マンション経営によって相続税を節税する仕組みについてより詳しく解説します。

相続税が節税になる仕組み1:土地を相続することで節税する

マンション経営を始める時に、土地を購入することによって相続税を節税することができます。

現金であればそのままの額が相続税評価額になりますが、土地を購入すれば相続税を抑えることができます。なぜなら、「路線価方式」で土地の評価をした場合、相続税評価額は公示地価のおよそ8割になるからです。

相続税は、相続時における利用形態を基準にして評価額が計算されます。土地を購入し、マンションを建てて第三者に賃貸として貸し出せば、土地は貸家建付地と呼ばれる種類の土地になります。貸家建付地になれば、土地の評価は「貸家建付地による評価」になり、相続税評価額が低くなります。

そのため、現金で相続するより、土地とマンションを購入して相続するほうが、相続税評価額が低くなるのです。

軽減措置の種類詳細
路線価方式による評価減土地を路線価方式で評価することにより、土地の相続税評価額が下がる
貸家建付地による評価減土地の上に賃貸物件を建てることにより、土地の相続税評価額が下がる

土地を購入し、さらに建物を建てることによって、土地の評価額を下げて相続税を節税することができるのです。

相続税が節税になる仕組み2:建物を相続することで節税する

マンション経営を始める時に、マンションを購入することによって相続税を節税することができます。

土地と同様に、マンションを購入すれば、現金で相続するよりも相続税の評価額を下げることができます。マンションにかかる軽減措置は以下のとおりです。

軽減措置の種類詳細
小規模宅地の特例住宅やマンション等の敷地で200平方メートル以下の部分。固定資産税は価格×1/6
借家権割合による評価建物においても、自分で利用する建物よりも評価額が下がる

マンション経営の節税効果

この章では、マンション経営の節税効果について解説します。

所得税の節税シミュレーション

マンション経営をした場合、所得税の節税効果はどの程度になるのでしょうか?ここでは、所得の税節税効果をシミュレーションします。

所得税は、個人の所得に対してかかる税金です。1年間の全ての所得から所得控除を差し引いた残りの課税所得に、段階ごとに設定されている税率を適用し、税額を計算します。

所得控除には、全ての人に適用される基礎控除があります。納税者の合計所得金額に応じて、以下の通りになります。

個人の合計所得金額控除額
2400万円以下48万円
2400万円超2450万円以下32万円
2450万円超2500万円以下16万円
2500万円超0円

所得税は以下の計算式で求めることができます。

所得税=1年間の総所得×累進課税率-控除額

例えば、課税される所得金額が600万円の場合でシミュレーションします。

・1年間の総所得:6,000,000円
・累進課税率:20%
・控除額:427,500円

所得税=1年間の総所得×累進課税率-控除額
6,000,000円×0.20 – 427,500円= 772,500円
所得税 = 772,500円

この場合の所得税は772,500円になります。

次に、マンション経営で得た不動産所得がある場合について計算します。
不動産所得の金額は、次のように計算します。

総収入金額 - 必要経費 = 不動産所得の金額

例えば、総収入金額400万円、必要経費600万円の場合です。

総収入金額(400万円)- 必要経費 (600万円) = – 200万円

不動産所得の金額はマイナス200万円になります。マイナスですので、赤字として計上します。

給与所得と不動産所得で損益通算して、課税される所得金額は以下のようになります。

・給与所得:6,000,000円
・不動産所得: – 2,000,000円
・1年間の総所得:4,000,000円
・累進課税率:20%
・控除額:427,500円

1年間の総所得 = 給与所得 +不動産所得
6,000,000円 + ( – 2,000,000円 ) = 4,000,000円

所得税=1年間の総所得×累進課税率-控除額
4,000,000円×0.20 – 427,500円=372,500円
所得税=372,500円

この場合の所得税は372,500円になります。

通常であれば772,500円であった所得税を372,500円まで抑えることができました。つまり、400,000円の所得税の節税に成功しています。

相続税の節税シミュレーション

実際に、相続税はどのくらい節税されるのでしょうか?ここでは相続税の節税効果を簡単にシミュレーションします。

例えば、現金2億円の資産があったとします。現金のままだと相続税の評価額は2億円のままです。そのうち、1億円で建物を、1億円で土地を購入したとします。
建物の評価額は以下のとおりです。

貸家評価減により30%圧縮
建物の評価額 = 1億円 × 70% = 7,000万円

土地の評価額は以下のとおりです。

路線価評価により20%圧縮
貸家建付地評価減、借家権割合、小規模宅地の特例などにより50%圧縮
土地の評価額 = 1億円 × 40% = 4,000万円

相続税の評価額は、以下のようになります。

【現金の場合】
相続税評価額 = 現金
= 2億円

【土地と建物を購入した場合】
相続税評価額 = 建物評価額 + 土地評価額
= 7,000万円 + 4,000万円
= 1億1,000万円

このように、マンション経営によって相続税を節税することができます。

活用事例:「Clair 荒町」 活気あふれる地域をリードする5階建の店舗併用賃貸マンション

エリア宮城県
土地面積(㎡)835.95
延べ床面積(㎡)1387.72
工法プレハブ工法 重量鉄骨ラーメン構造
ゆったりとした1LDKを中心に、女性視点の設備や内装を採用。働く女性入居者をメインターゲットに、暮らしやすさを考えた賃貸マンション。もしもの時にも役立つよう充電設備や水、ヘルメット等を備蓄した防災庫も設置しています。(パナソニック ホームズ株式会社の土地活用事例)

節税目的でマンション経営をする4つのリスク

節税効果があり、長期に渡り安定した収入を生み出すことができるマンション経営ですが、実際にマンション経営に取り組む際には注意しなければならない点があります。

この章では、節税目的でマンション経営をするリスクについて紹介します。

赤字経営をするリスク

マンション経営で所得税を節税する場合、赤字経営をする必要がありますが、赤字経営にはリスクがつきものです。

それは、現金がなくなってしまうリスクです。

所得税を節税する目的で、経費計上等で帳簿上の赤字であれば問題ありません。しかし、現金がなくなってしまうようなキャッシュフローの赤字の場合、ローンの利子や突発した修繕費などを払うことができなくなs可能性があります。

節税目的で不動産所得の赤字を出す場合は、キャッシュフローがマイナスにならないように注意しましょう。

値下がりするリスク

マンション経営で相続税を節税する場合、現金の代わりにマンションを購入して相続することになります。

マンション経営には、マンションが値下がりするリスクがあるため、マンションを選ぶ時は注意が必要です。相続として有形の資産として残すのであれば、”負動産”にならないよう、慎重に物件を選ぶ必要があります。

マンションを選ぶ際は、現在のニーズだけでなく将来のニーズも見ることをおすすめします。都市開発中のエリアや今後駅や学校ができるエリアは非常に有望です。

利回りが低くなるリスク

相続税の節税目的でマンションを購入する場合、引き継ぐことを考えて新築のマンションを購入したり、立地の良いマンションを選ぶ方も多いかと思います。
新築のマンションの場合、利回りが低くなり、キャッシュフローがマイナスになりやすいというリスクがあります。

一般的にマンションの新築価格は5年~8年程続きます。しかし、それ以降になると入居希望者が現象するため、家賃を下げる必要がでてきます。新築のマンションであれば、初期費用も高く、最悪の場合利回りが2%~3%程度になることも考えられます。

マンション経営で節税するときは、利回りが低くなるリスクがあることを踏まえて、何年で黒字化させたいのか、計画を建てておくことをおすすめします。

売却できないリスク

経営しているマンションを手放したいと考えた場合に、マンションの状態によってはすぐに売却できないこともあります。マンションを1棟単位で売る場合は、マンションを買いたい人がいるかどうかはもちろん、賃貸物件の収益状況不動産市況によっても需要が変動することは多いです。

例えば、経営が良好なマンションなら、購入して経営を引き継いでも利益を獲得しやすいため、買い手はつきやすいでしょう。しかし、入居者がほとんどおらず、収益化の見込みが薄いマンションの場合は、購入希望者が現れないこともあります。

また、一戸単位で経営している場合は、入居者がいる限り、空室物件としてその部屋は売却できません。正当な理由や入居者の過失がない限りは、退去を迫ることはできず、 空室になるまで売却そのものができない 点にも注意が必要です。

信頼できる業者を選ぼう

マンション経営を行う際は、管理会社を選定して日々の物件管理を任せることになります。しかし管理会社の中には十分な知識や経験がなく、ずさんな管理を行う会社も存在するため注意が必要です。

管理会社を選ぶ際は1社だけで検討するのではなく、複数の会社にアプローチしてそれぞれが提案したプランを比較検討することが重要です。

管理会社を選定する際は、プラン比較サイトを活用することをおすすめします。プラン比較サイトを利用すれば、同時に複数の管理会社やそれぞれの管理費を無料で比較することが可能です。格安な管理会社を効率的に探せることから、一度活用してみてはいかがでしょうか。

信頼できる業者を選ぶ

マンション経営を行う際は、管理会社を選定して日々の物件管理を任せることになります。しかし管理会社の中には十分な知識や経験がなく、ずさんな管理を行う会社も存在するため注意が必要です。

管理会社を選ぶ際は1社だけで検討するのではなく、複数の会社にアプローチしてそれぞれが提案したプランを比較検討することが重要です。

管理会社を選定する際は、プラン比較サイトを活用することをおすすめします。プラン比較サイトを利用すれば、同時に複数の管理会社やそれぞれの管理費を無料で比較することが可能です。格安な管理会社を効率的に探せることから、一度活用してみてはいかがでしょうか。

節税目的のマンション経営はリスクを把握しよう

今回はマンション経営に関する基本的な流れやメリット、節税対策について解説してきました。マンション経営は安定した収入を確保できる魅力的な投資方法のひとつです。

しかし、煩雑な手続きや様々なリスクもあることから、安易に手を出すことはあまりおすすめできません。

とは言いましても、

マンション経営のリスクや注意点を十分に把握した上で、万全に準備を行い経営に取り組めば、マンション経営を成功させることは十分可能です。マンション経営を行う際は信頼できる管理会社を選び、事前に準備をした上で取り組むことをおすすめします。

また、マンション経営以外にも、様々な土地活用方法があります。アパート経営や戸建て賃貸経営でも、大幅な節税対策をすることができ、予算を多く割けない場合はこちらもおすすめです。

以下の記事を参考に、予算・収益・節税度合いで比べて自分に合った土地活用方法を探してみてはいかがでしょうか。

マンション経営したら、収益いくら?