はじめに
なかなか売れない物件も多いなか、業者に買い取ってもらえる買取は、仲介よりも優れた選択肢に思えるかもしれません。
しかし、仲介と買取にはそれぞれ一長一短があるので、長所ばかりを見て買取を選択すると失敗する可能性が高くなります。
買取のデメリットを忘れずに
買取は仲介と比較して、すぐに売却できる、仲介手数料が不要、瑕疵担保責任を負わなくてよいなど、多くのメリットがあります。
買取は広告などで目にふれる機会が少ないこともあり、仲介に比べて一般にはなじみが薄い売却方法といえます。
そのため予備知識なしの状態で、不動産業者に買取のメリットを強調されて説明されたような場合、仲介よりも買取の方がよい選択肢に見えることでしょう。
しかし買取には、売却価格が低くなるという大きなデメリットがあります。
このデメリットと、時間を節約できるというメリットをどう考えるかが、マンションの売却方法を選択する際のポイントになります。
あくまで目安であり、物件によって異なりますが、買取は仲介に比べて2割〜4割ほど安くなると考えておくといいでしょう。
マンションを手放すにあたり、手軽そうだからという理由で買取を選び、査定額を聞いて「それくらいが相場なのかな」という感じで売却。その後、なんとなく仲介で売却した場合の相場を調べてみたら、自分が売った値段の倍近い価格だった…
という失敗談は、決して少なくないでしょう。
仲介は売却価格が高めで時間がかかる、買取は売却価格が低めで時間・手間を節約できるというメリット・デメリットをふまえると、時間に余裕がある場合は基本的に仲介を選んだ方が得といえます。
買取は、多少安くてもすぐに売りたい人や手間を省きたい人に向いた方法です。
また、買取でマンションを売る場合は、複数の会社に査定を依頼して、そのなかから一社を選ぶのが一般的です。
一社だけだと、不当に低い額を提示されたとしても気づかない可能性があります。
よほど信頼している不動産業者がある場合以外は、2社以上に査定してもらいましょう。