賃貸経営を行うためにアパートやマンションを購入する際、金融機関のローンを有効に利用することで計画的に事業を行うことが可能となります。
こうしたニーズにマッチするのが各金融機関で取り扱っているアパートローンです。そのアパートローンに関して、プロパーローンと一体どのような違いがあるのでしょうか。
アパートローンとプロパーローンの違い
プロパーローンとは、各金融機関が保証会社の保証をつけずに独自で直接融資するローンのことを指します。パッケージ化されたアパートローンとは異なり、融資額や資金使途などが限定されず、柔軟に融資することが可能です。
プロパーローンは保証会社の保証付きのローンよりも審査が厳しくなりますが、自己資金や年収が多く収支に余裕があるなど、条件が良い場合は、あえてアパートローンではなくプロパーローンを活用した方が金利が下がる場合もあります。
アパートローンとプロパーローンは、保証や審査基準などに以下のような様々な違いがあります。
アパートローン | プロパーローン | |
---|---|---|
用途 | 投資用の居住不動産の建築・購入 | 不動産投資に限らず明確な制限はない |
審査基準 | 物件の担保価値や収益性 契約者の属性 | 案件ごとに独自の審査基準 |
審査スピード | 最短1週間ほどで比較的はやい | アパートローンより遅い |
金利 | 年1~10%など金融機関で異なる | 収益性が認められたら低め |
融資限度額 | あり(大体3億円以内) | 明確な限度額はない |
期間 | 法定耐用年数以内などの設定 | 個別の設定 |
保証 | 保証会社を用意 | 連帯保証人を用意 |
審査基準が金融機関ごとに違う
アパートローンは住宅ローンとは審査基準が異なり、契約者本人の年収・勤務先といった属性よりも、収益物件の事業収支や担保評価額が重視される傾向にあります。
ただし、1棟のアパートを建築するのか、それとも投資用1ルームマンションを購入するのか、また利用する金融機関によっても、審査の難易度にかなりの差があります。検討する際には、さまざまな金融機関にあたってみるとよいでしょう。
プロパーローンは保証料がかからない
アパートローンを利用する場合には、保証会社との保証委託契約が一般的な条件となっています。金融機関によっては、保証料の支払いが別途必要だったり、保証料分が金利に上乗せされていたりします。
一方、プロパーローンの場合には保証料がかからないことから、アパートローンと比べて金利や支払総額の負担が少なくなる特徴があります。ただし代わりとして、プロパーローンを利用する場合は、連帯保証人を求められるのが一般的です。
アパートローンでも、妻や子など法定相続人を連帯保証人とする必要がある場合もあるため、このあたりは、金融機関を検討する際に注意しておきたいところです。
アパートローンの審査
アパートローンを借りる場合、それぞれの金融機関が設定している融資の審査基準を満たす必要があります。審査基準は金融機関ごとに異なることから、アパートローンの審査を受ける際には金融機関に事前に確認することが大切です。
ここからは、アパートローンの審査に関する具体的な内容について解説します。
物件の収益性
アパートローンの審査の特徴として、これから賃貸経営する不動産の賃料収入によって融資の可否が判断される傾向があります。
アパートローンはあくまで投資用不動産の取得に利用されることから、事業として十分に成り立つことが金融機関にとっても大切な判断ポイントとなるのです。
具体的には、立地やや築年数、面積・間取り、家賃設定など、将来にわたり賃貸需要が見込まれるかどうかといった「アパートの収益力」が、融資の判断基準となります。
物件の担保としての価値
アパートローンの審査では、ローンを利用する物件の担保価値により判断されます。
物件の担保としての価値が低ければ、アパートローンを利用することは難しくなるでしょう。
また、借りる本人やその家族の資産状況も判断材料のひとつになります。預金や有価証券などの金融資産だけでなく、土地や建物などの不動産も保有資産として審査の結果に影響するでしょう。
契約者のステータス
融資を受ける契約者のステータス、融資を受ける本人の給与なども審査されます。
どのような会社で勤続何年か、個人の年収や勤務状況、保有資産、家族構成、銀行との取引状況など、審査内容は多岐にわたり、多くの情報を提供する必要があります。できるだけ早く審査してもらうために、必要な情報は速やかに用意することをおすすめします。
また、これまでアパート経営を行ったことがない初心者に比べて、アパート経営の実績がある経験者の方が審査が通りやすく金利は低くなる傾向があります。融資を行う金融機関としては、全く経験がない方よりも経験がある方の方が融資する相手として信頼できるため、金利を下げることも可能となります。
同じ金融機関で取引実績があればなお有利ですが、過去に別の金融機関で融資を受け賃貸経営した実績があれば、実績が分かる書類などを用意すると良いでしょう。
アパートローンを借りる際の注意点
アパートやマンションの金額は数百万〜数千万円と高額なため、アパートローンがなければ不動産投資を始めることが困難な方も決して少なくありません。
ここでは、アパートローンを上手に活用して不動産投資を開始する際の、押さえるべき注意点を紹介します。
アパートを購入しての事業計画を立てる
不動産投資に取り組むと決めた後は、最初に事業計画を立てることが重要です。不動産投資は事業であり、事業を成功させるためには適切な資金計画を立てる必要があります。
事業計画を立てる際は、収入と支出の両方を考慮することが大切です。具体的には、収入面である家賃と、支出面である毎月の返済金、アパートの維持管理費や積立修繕費、固定資産税をはじめとした税金などを全て考慮します。
将来的に安定した収益を確保できるような、現実的な事業計画を立てることを心がけましょう。
支援制度がないため対策しておく
一般的な住宅ローンに比べて、アパートローンはハードルが高い特徴があります。住宅ローンには、一定要件のもと所得税からの控除が受けられる制度である「住宅ローン減税」などの支援制度があります。住宅ローン減税は、翌年の住民税から控除される場合もあります。
しかしアパートローンにはこのような支援制度がなく、きちんと収益を出していなければ納税の際は大きな負担が発生する可能性があるので注意が必要です。
不動産は資産価値が下がっていく
一度購入した物件も、年数が経ち建物が古くなると次第に資産価値は下がっていきます。築年数が経過すると借り手も少なくなり、空室が増えるといった悪循環に陥る危険性があります。
不動産投資を行う際は、資産価値が下がらないように上手に事業運営する必要があるのです。
どのようなプランで運営するか、資産価値の下がらない物件の購入は、プロに相談してプランを見積もってもらうことをおすすめします。プロにプランを見積もってもらう際には、まずは複数の企業からプランを取り寄せてみましょう。複数の企業から取り寄せたプランを比較することで、プランの事業計画はどうか、資産価値の下がる物件ではないかわかりますし、企業の対応はどうかわかり安心して始められます。
プランを取り寄せた後は、契約するまで無料で相談できますし、企業によってはより良い物件やプランを提案してくれるはずです。まずは、チャットで質問に答えて企業から無料でプランを取り寄せてみましょう。
アパートローンの金利は金融機関に確認する
アパートローンの金利は、最終的に物件の担保価値や契約者のステータスによって異なってきます。
そのため、アパートローンの利用を考えている方は、各金融機関に確認することをおすすめします。アパートローンに関する審査方法や具体的な特徴、利用する際の注意点についても、金融機関などに確認すると詳細がわかるはずです。
無事にアパートローンの審査が降りて準備が整えば、マンションやアパートの賃貸経営がスタートします。毎月確実に収益を上げられるように、事前の準備は綿密に行う必要があるでしょう。
活用事例:Afit(戸建賃貸)
エリア | 広島県 |
土地面積(㎡) | 300 |
延べ床面積(㎡) | 233.1 |
工法 | 木造在来 |
建築費用(円) | 3,000万 |